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第三章
潤校長 7
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身体中が痺れるような感覚がした。
乾いた唇が、しっとりと熱を持った。
なめらかな感触がしたかと思うと、唇の内側の濡れた感触がした。
ぬるぬると濡れてすべる感触は、性器の触れ合いを想起させた。
あっ、あ……。
潤の脳裏に、瑤の喘ぐ姿が浮かんだ。
スーツを脱がすのは面倒だ。
自分も。
でも、したい。
心が乱れていく。
濡れた舌の感触。
あの頃より、今だったらもっと激しく求めあえる。
身体が熱い。
どうしたらいいかわからない。
「大洗潤校長、下だけ、脱ぎましょうか」
瑤が唇を離し、茶目っ気のある笑顔を見せて、提案した。
「ああ、うん、正木瑤弁護士」
潤も、クスッと笑って応じた。
無邪気で、いたずらっ子な、かつての二人のように。
二人は、慌ただしくトラウザーズを脱いだ。
教職員用の私室は小さな二室に分かれていて、潤は、手前の居間部分を本棚と机と椅子のある書斎に使い、奥の部屋を寝室に使っていた。
寝室へ誘いたかったが、そんな余裕はなかった。
ラテン語の背表紙が並ぶ本棚と、古めかしい革張りの椅子、かたい木の机、読みさしの本が数冊重ねて置いてある木の椅子。
開け放した寝室へのドアから明かりが差し込んでいた。
寝室の窓には薄地のカーテンが掛かっていた。
乾いた唇が、しっとりと熱を持った。
なめらかな感触がしたかと思うと、唇の内側の濡れた感触がした。
ぬるぬると濡れてすべる感触は、性器の触れ合いを想起させた。
あっ、あ……。
潤の脳裏に、瑤の喘ぐ姿が浮かんだ。
スーツを脱がすのは面倒だ。
自分も。
でも、したい。
心が乱れていく。
濡れた舌の感触。
あの頃より、今だったらもっと激しく求めあえる。
身体が熱い。
どうしたらいいかわからない。
「大洗潤校長、下だけ、脱ぎましょうか」
瑤が唇を離し、茶目っ気のある笑顔を見せて、提案した。
「ああ、うん、正木瑤弁護士」
潤も、クスッと笑って応じた。
無邪気で、いたずらっ子な、かつての二人のように。
二人は、慌ただしくトラウザーズを脱いだ。
教職員用の私室は小さな二室に分かれていて、潤は、手前の居間部分を本棚と机と椅子のある書斎に使い、奥の部屋を寝室に使っていた。
寝室へ誘いたかったが、そんな余裕はなかった。
ラテン語の背表紙が並ぶ本棚と、古めかしい革張りの椅子、かたい木の机、読みさしの本が数冊重ねて置いてある木の椅子。
開け放した寝室へのドアから明かりが差し込んでいた。
寝室の窓には薄地のカーテンが掛かっていた。
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