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【第二部】第一章
カタツムリ 7
しおりを挟む「もしかしてこれ、すごく珍しい蛇なんじゃないですか? これ」
僕はおじ様に質問した。
おじ様は、ただ、
「そうだ」
と答えて、空になったカタツムリの殻をゴミ袋に捨てた。
「怖い……」
潤は震えていた。
おじ様は潤に濃厚なキスを与えた。
潤は、怖さと嫌悪を払拭するように、自分の腹の上で食事する生物たちへの気持ち悪さに抗うためのように、積極的にキスをしているようだった。
ぺちゃぺちゃいう唾液の音がいやらしかった。
異常な二人のキス。
異常な行為で性的に高ぶる悪癖を持った美しい二人。
「カタツムリって食べたことないけど、美味しいらしいですよね。陸上に住んでる巻貝、ってことみたいですね。なんかナメクジと似てるけど、ナメクジは不味いらしいです。確かに巻貝から貝をほじくりだして食べる時も、ちょっと不気味なものありますよね。にょろんってなって。でもあれ、うまく取れると嬉しいんですよね。途中でちぎれたりしないで」
と僕は巻貝の苦味のある美味しい味を思い出し、カタツムリってどんな味かなあとよだれが出そうになっていた。
「相変わらず絶好調だね、瑤君」
譲は、そう言って笑った。
いつの間にか、譲の、僕をやらしく触る手が止まって、両手が肩に置かれていた。
「え? 何がですか? エスカルゴ?」
目の前のおじ様と潤は濃厚な変態エロに耽っているのに、ちょっと空気読まなかったかなあ? と反省はしたけど、
「よっぽどカタツムリって美味しいんでしょうね。すごい勢いでむしゃむしゃ食べてますよ」
と僕は言った。
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