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第十六章
【4節】トモ 1 caution
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『このクラスだったら、瑤とかだな』
『うん、瑤だな』
『瑤は、潤様のご母堂に似ておりますでしょうか』
『瑤って、誰だっけ?』
『知らねえの? さすが自分の顔に惚れる男』
「ジュン君?」
潤は、トモの声で、我に返った。
「大丈夫?」
「ぼうっとしてました」
潤は答えた。
なんで、あんなこと思い出したんだっけ?
どこから、なぜ脱線したんだっけ?
と記憶をたどった。
そうだ、他人から関心を向けられるのは嬉しいって思ったからだった。
叔父様や兄さんが褒めるのは、身内だから、自意識、自己愛の延長上にあるのだろうと、潤は、割り引いて受け取っていた。
けれど、他人からの褒め言葉は、本物かもしれないと、潤は思ってしまうのかもしれなかった。
ほんの少し関心を向けられるだけで、優しくされたと思ってしまう自分が、恥ずかしかった。
今も、トモに関心をもたれて、こそばゆい気がした。
お菓子を与えられてついていくな、というお菓子は、承認欲求をみたしてくれる甘言なんかも含むんだろうな、と思った。
でも、欲しいものを受け取っているだけだ、と潤は思った。
俺だって、身体を与えているんだから、当然だろ? と思った。
供給量の少ない、違法な高校生なんだから、価値は高いはずだ。
違うのかな?
違法行為は、リスクが高すぎるから、価値はマイナスなのかもしれない。
『うん、瑤だな』
『瑤は、潤様のご母堂に似ておりますでしょうか』
『瑤って、誰だっけ?』
『知らねえの? さすが自分の顔に惚れる男』
「ジュン君?」
潤は、トモの声で、我に返った。
「大丈夫?」
「ぼうっとしてました」
潤は答えた。
なんで、あんなこと思い出したんだっけ?
どこから、なぜ脱線したんだっけ?
と記憶をたどった。
そうだ、他人から関心を向けられるのは嬉しいって思ったからだった。
叔父様や兄さんが褒めるのは、身内だから、自意識、自己愛の延長上にあるのだろうと、潤は、割り引いて受け取っていた。
けれど、他人からの褒め言葉は、本物かもしれないと、潤は思ってしまうのかもしれなかった。
ほんの少し関心を向けられるだけで、優しくされたと思ってしまう自分が、恥ずかしかった。
今も、トモに関心をもたれて、こそばゆい気がした。
お菓子を与えられてついていくな、というお菓子は、承認欲求をみたしてくれる甘言なんかも含むんだろうな、と思った。
でも、欲しいものを受け取っているだけだ、と潤は思った。
俺だって、身体を与えているんだから、当然だろ? と思った。
供給量の少ない、違法な高校生なんだから、価値は高いはずだ。
違うのかな?
違法行為は、リスクが高すぎるから、価値はマイナスなのかもしれない。
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