潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十六章

昴 8

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「眠れないぞ?」

昴の声は、冷たかった。

「眠るさ」

トモの手が、潤を撫でた。

「潤が、寝かせてくれないぞ?」

昴が冷笑した。

「だったら、俺、ソファか床で寝るよ」

トモが目を上げて言った。

「いいよ。潤と寝ろよ。俺は、潤のベッドで寝るから」

昴が投げやりに言った。

「見たいんじゃなかったのか?」

トモが、昴を少し気にするように尋ねた。

昴は、ニヤリと笑って言った。

「こいつ、言葉責めに弱いよ。いっぱい言ってあげてよ」

トモが、潤の顔と昴の顔を交互に見た。

「いいのか?」

「遠慮しないで」

昴が、潤を自分の所有物であるかのように言った。

「昴も来いよ」

トモがためらいがちに、昴を誘った。

「いやがってた癖に、俺も誘うの?」

昴は、意地悪く言った。

「一人じゃ、恥ずかしいよ。やり方知らないし」

トモは、ただそれだけの理由、とでもいうように、ちょっと困った様子で言った。

「じゃあ、入れやすいように、ほぐしてやるから」

昴が、ベッドに近づいてきた。

「昴兄さん、俺、この人とするの?」

潤は、昴を振り返って尋ねた。

「いやか?  イケメンだろ?」

昴が、無表情な顔で言った。

「いやっていうか……今日、会ったばかりなんだけど」

潤は、戸惑いを表した。

「そういうの気にするのか?  花魁みたいに、初日は、顔見せだけとか、あるわけ?」


昴は、からかうように言った。

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