潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十五章 晩餐にて

食べたくない

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潤は、答えなかった。

おじ様にも、僕にも、配慮したのだろう。

おじ様も、潤の答えを待ちはしなかった。

おじ様は、席を立って、キッチンに行った。

しばらくして、おじ様は、白い皿に赤い肉が並んだものを持って、戻ってきた。

また一つ、燭台の蝋燭が燃えつきた。

おじ様は、皿を自分の席のテーブルに置いた。

「潤、新しい肉を持ってきたよ。育ち盛りなのだから、たくさん食べなさい」

僕にもないのかな?

と疑問に思ったが、客が催促するのもはしたないと思って、黙っていた。

「まだ残っているじゃないか。お前は、少食だから、少なめにしてあるのに、それでは成長しないぞ?」

おじ様は、潤を叱った。

そうか、少なめだったのか。

だったら仕方ないな。

でも、違う肉みたい、やっぱり僕も食べたい、と思った。

でも、それを言ったら、食い意地が張っていると思われそうだから、我慢した。

「残さず全部食べてしまいなさい」

とおじ様は、潤に言った。

「ううん……」

潤は、食卓から顔をそむけた。

食事中に、変な緊張を強いられているのだから、無理もないことだった。

あんまり、こんな異常な食事を繰り返していたら、潤が摂食障害にならないか心配だった。

今のところ、大丈夫そうだけれど。

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