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第十五章 晩餐にて
飲み込む
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あの時、飲み込むのは、嫌だった。
ねとねとした唾液と、何とも知れない先走りの液が気持ちが悪くて、口から溢れ出そうで、困った。
でも、口から垂らしそうになっていたら、
「飲み込んで」
と叔父様に言われた。
あんな不味いもの、飲み込むなんて、できなかった。
でも頑張ったら、褒められた。
すごく優しくしてくれた。
身体中触って抱きしめてくれて、暖かくて優しい叔父様の身体。
いつもは、譲や昴兄さんに、とられてしまうけど、その時は、潤だけの叔父様。
「特別な関係」
と叔父様は言った。
「潤が好きだから、特別にするんだよ」
と言われて、潤は嬉しくなった。
叔父様は、とても偉くて、頭が良くて、なんでも知っていて、背も高く、美男子で、尊敬されていて、お金持ちで、と当時の潤は、思っていた。
今でも、半分くらいは、そう思っていた。
あの頃のように、世界で一番、ではないことがわかったけれど。
でも、潤の世界では、やはり、不動の一番だった。
その一番の人に身も心も愛されているのに、どうして他の人と付き合わないといけないんだろう?
と潤は思う。
もちろん、自分が、間違っていることはわかる。
わかってないかもしれないが、わかっているつもりだ。
きっとわかってないんだろう。
どこがおかしくて、どこが人と違っているのかわからないから。
ただ漠然と、自分は、人と違っていておかしいらしい、ということがわかっているだけだ。
自分がおかしいのか、叔父様がおかしいのか、両方おかしいのか?
たぶん、両方おかしいんだろうと思う。
でも、どこがおかしいのか、人に見てもらったことがないからわからない。
だから、潤は瑤に見てほしかった。
何も、露出狂で見てほしいって思っているわけじゃなくて、こういう全てのことを、知って、わかってほしいという気持ちが、あったんだと思う。
やっぱり、せっかく長い時間かけて紡いだこの関係を、全部捨てて、全部否定しないといけないんだろうか?
それしかないのか?
潤は、それが、できそうにもなかった。
もっといい解決方法を、潤は望んでいた。
ねとねとした唾液と、何とも知れない先走りの液が気持ちが悪くて、口から溢れ出そうで、困った。
でも、口から垂らしそうになっていたら、
「飲み込んで」
と叔父様に言われた。
あんな不味いもの、飲み込むなんて、できなかった。
でも頑張ったら、褒められた。
すごく優しくしてくれた。
身体中触って抱きしめてくれて、暖かくて優しい叔父様の身体。
いつもは、譲や昴兄さんに、とられてしまうけど、その時は、潤だけの叔父様。
「特別な関係」
と叔父様は言った。
「潤が好きだから、特別にするんだよ」
と言われて、潤は嬉しくなった。
叔父様は、とても偉くて、頭が良くて、なんでも知っていて、背も高く、美男子で、尊敬されていて、お金持ちで、と当時の潤は、思っていた。
今でも、半分くらいは、そう思っていた。
あの頃のように、世界で一番、ではないことがわかったけれど。
でも、潤の世界では、やはり、不動の一番だった。
その一番の人に身も心も愛されているのに、どうして他の人と付き合わないといけないんだろう?
と潤は思う。
もちろん、自分が、間違っていることはわかる。
わかってないかもしれないが、わかっているつもりだ。
きっとわかってないんだろう。
どこがおかしくて、どこが人と違っているのかわからないから。
ただ漠然と、自分は、人と違っていておかしいらしい、ということがわかっているだけだ。
自分がおかしいのか、叔父様がおかしいのか、両方おかしいのか?
たぶん、両方おかしいんだろうと思う。
でも、どこがおかしいのか、人に見てもらったことがないからわからない。
だから、潤は瑤に見てほしかった。
何も、露出狂で見てほしいって思っているわけじゃなくて、こういう全てのことを、知って、わかってほしいという気持ちが、あったんだと思う。
やっぱり、せっかく長い時間かけて紡いだこの関係を、全部捨てて、全部否定しないといけないんだろうか?
それしかないのか?
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