潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

文字の大きさ
上 下
126 / 369
第十五章 晩餐にて

初めての口淫のように 1

しおりを挟む
 いよいよ暗くなった蝋燭の小さなゆらゆらした炎に照らされて、肉は、不気味に輝き、何かの死体のように黒くべたりと皿にのっていた。

「……はい」

潤は、恐怖の眼差しで、そのおそろしげな物体を見た。

おじ様は、潤の身体ごしに、ナイフとフォークをとり、肉を切って、一切れを、フォークで潤の口へ運んだ。

「口を開けなさい」

「んっ、いや」

「なぜ?」

「血の味がするから」

「すぐに、そういうのが、好きになるよ、鞭だって、なんだって、潤は、いつも、そうだったじゃないか?  最初はひどく嫌がっているけれど、だんだんそれなしでいられなくなる」

おじ様は、淫靡にささやいた。

「んっ」

おじ様は、銀のフォークで、肉片を無理やり、潤の唇にあてた。

「口を開けて」

舌のようにヌラヌラした肉片が、潤の唇を濡らした。

「開けなさい」

「んっ」

「まるで、初めて、フェラチオをした時みたいだね」

おじ様は、ナイフを置いて、その手で、潤を後ろからぎゅうと抱きしめた。

「あの時は、可愛いかったよ」

「んー」

「あの時も、ずっと、嫌がって、そうやって、かたくなに、口を閉じていたね?  私は、お前の柔らかい、小さな唇に、先を押し付けているだけで、ぞくそくしていたよ。私の先端を潤す透明の液体が、お前の桃色の唇を濡らして、つやつやと輝いていた。お前の二つの唇の隙間に、潤いは、流れ込み、お前は、ゆっくりと唇を開いた」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

学園の卒業パーティーで卒業生全員の筆下ろしを終わらせるまで帰れない保険医

ミクリ21
BL
学園の卒業パーティーで、卒業生達の筆下ろしをすることになった保険医の話。 筆下ろしが終わるまで、保険医は帰れません。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

処理中です...