潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十五章 晩餐にて

初めての口淫のように 1

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 いよいよ暗くなった蝋燭の小さなゆらゆらした炎に照らされて、肉は、不気味に輝き、何かの死体のように黒くべたりと皿にのっていた。

「……はい」

潤は、恐怖の眼差しで、そのおそろしげな物体を見た。

おじ様は、潤の身体ごしに、ナイフとフォークをとり、肉を切って、一切れを、フォークで潤の口へ運んだ。

「口を開けなさい」

「んっ、いや」

「なぜ?」

「血の味がするから」

「すぐに、そういうのが、好きになるよ、鞭だって、なんだって、潤は、いつも、そうだったじゃないか?  最初はひどく嫌がっているけれど、だんだんそれなしでいられなくなる」

おじ様は、淫靡にささやいた。

「んっ」

おじ様は、銀のフォークで、肉片を無理やり、潤の唇にあてた。

「口を開けて」

舌のようにヌラヌラした肉片が、潤の唇を濡らした。

「開けなさい」

「んっ」

「まるで、初めて、フェラチオをした時みたいだね」

おじ様は、ナイフを置いて、その手で、潤を後ろからぎゅうと抱きしめた。

「あの時は、可愛いかったよ」

「んー」

「あの時も、ずっと、嫌がって、そうやって、かたくなに、口を閉じていたね?  私は、お前の柔らかい、小さな唇に、先を押し付けているだけで、ぞくそくしていたよ。私の先端を潤す透明の液体が、お前の桃色の唇を濡らして、つやつやと輝いていた。お前の二つの唇の隙間に、潤いは、流れ込み、お前は、ゆっくりと唇を開いた」
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