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第二章
ナルキッソス
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「ねえねえ、早く教えてよ」
潤は従兄の肩に手をかけて揺さぶった。
「自分」
と譲は答えた。
「えぇ~? だからぁ、譲兄さんじゃないって言ったでしょ」
潤はほっぺをふくらませた。
「いや、だから『自分』」
譲は潤のふくらんだほっぺたを人差し指で突きさして、プシューと空気を抜いた。
「潤、自分の姿見てオナニーしてるんだろ」
潤は黙った。
「おい、そこで急に黙るなよ。そこで黙られると、ほんとかと思うじゃないか」
潤は視線を不安定に動かした。
「まさかのまさか、大当たり?」
譲は嬉しそうに言って、潤の顔をのぞき込む。
「潤、おまえ、ナルシストだなあ」
譲はくすくすと笑う。
「そして、なんか変態っぽい。さすが親父のお気に入りだな。親父って変態的な研究してるからな。近親間での婚姻とか。潤と結婚しようとしてんじゃねえの? やばいよなあ親父。ただでさえ同性だから難しいのに。まあ結婚しなくても、潤とはやり放題……には俺がさせないけどな」
譲はわけのわからないことをブツブツ言っている。
「まあ、オナニーのことは、潤くらいきれいなら、わからなくもないけどぉ」
譲は長く伸ばした袖口で口を隠して、女の子のウワサ話みたいにして、くすくす笑う。
「ちがうよ……」
潤は、やっと否定した。
潤は従兄の肩に手をかけて揺さぶった。
「自分」
と譲は答えた。
「えぇ~? だからぁ、譲兄さんじゃないって言ったでしょ」
潤はほっぺをふくらませた。
「いや、だから『自分』」
譲は潤のふくらんだほっぺたを人差し指で突きさして、プシューと空気を抜いた。
「潤、自分の姿見てオナニーしてるんだろ」
潤は黙った。
「おい、そこで急に黙るなよ。そこで黙られると、ほんとかと思うじゃないか」
潤は視線を不安定に動かした。
「まさかのまさか、大当たり?」
譲は嬉しそうに言って、潤の顔をのぞき込む。
「潤、おまえ、ナルシストだなあ」
譲はくすくすと笑う。
「そして、なんか変態っぽい。さすが親父のお気に入りだな。親父って変態的な研究してるからな。近親間での婚姻とか。潤と結婚しようとしてんじゃねえの? やばいよなあ親父。ただでさえ同性だから難しいのに。まあ結婚しなくても、潤とはやり放題……には俺がさせないけどな」
譲はわけのわからないことをブツブツ言っている。
「まあ、オナニーのことは、潤くらいきれいなら、わからなくもないけどぉ」
譲は長く伸ばした袖口で口を隠して、女の子のウワサ話みたいにして、くすくす笑う。
「ちがうよ……」
潤は、やっと否定した。
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