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第二章
吐く
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はぁ……はぁ……。トイレの床に膝をつき便器を抱えこんでいた潤は息をついた。なんとか間に合った。潤は、水洗のボタンを押した。
「おい、大丈夫かぁ?」
トイレの外から扉をたたく従兄の声がする。潤は、まだふらふらする身をおこして立ち上がった。
「だいじょうぶ」
潤は、扉の外にそう答えてから、手を洗い鏡を見た。顔色が悪いと言われそうだ。頬をごしごしこすった。
ドアを開けた。
極力元気そうに笑ってみせたのに、うまく笑えなかったようだった。譲の心配そうな顔があった。
「おい、真っ青じゃないか」
ふらっと倒れこんだのが、叔父さまの腕の中だったらよかったのに。目を閉じていれば似てるからいいか……。
「潤、しっかりしろ」
譲の声が遠くで聞こえる。
譲の腕に抱かれて、潤は気が遠くなった。
「おい、大丈夫かぁ?」
トイレの外から扉をたたく従兄の声がする。潤は、まだふらふらする身をおこして立ち上がった。
「だいじょうぶ」
潤は、扉の外にそう答えてから、手を洗い鏡を見た。顔色が悪いと言われそうだ。頬をごしごしこすった。
ドアを開けた。
極力元気そうに笑ってみせたのに、うまく笑えなかったようだった。譲の心配そうな顔があった。
「おい、真っ青じゃないか」
ふらっと倒れこんだのが、叔父さまの腕の中だったらよかったのに。目を閉じていれば似てるからいいか……。
「潤、しっかりしろ」
譲の声が遠くで聞こえる。
譲の腕に抱かれて、潤は気が遠くなった。
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