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3、病院
イカに感情移入
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「西島が、話したければ」
安田は、冷静さを装って答えた。
「海の中で、いろいろしました。ほかに、することがなかったから」
西島は、言った。
「でも、あんなに大きくなるとは……。しかも、死んじゃいそうだなんて」
西島は、マッドサイエンティストのように、イカに感情移入しているのか、涙ぐんだ。
安田は、もやもやした。西島は、そんなにイカが好きなのか? イカなんかが!
自分は見ず知らずのイカにいきなり無理やり襲われたんだぞ! そんな加害生物のイカを!
「西島は、イカに会えて嬉しかったのか?」
安田は、怒りを隠して、いかにも分別のある、生徒をいたわる教師の質問のように聞いた。
「はい」
西島は、安田の怒りなど知らぬふうに素直なようすでうなずいた。
相手は、南の海でイカと戯れるような子どもなのだと、安田がおのれの欲望を恥じて、なんとか気持ちを抑えようと努力している時だった。
気がつくと、西島が、イカとの戯れを思い出して興奮してきたのか、下半身を手でおさえて、顔を真っ赤にして、はあはあしていた。
安田は、冷静さを装って答えた。
「海の中で、いろいろしました。ほかに、することがなかったから」
西島は、言った。
「でも、あんなに大きくなるとは……。しかも、死んじゃいそうだなんて」
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安田は、もやもやした。西島は、そんなにイカが好きなのか? イカなんかが!
自分は見ず知らずのイカにいきなり無理やり襲われたんだぞ! そんな加害生物のイカを!
「西島は、イカに会えて嬉しかったのか?」
安田は、怒りを隠して、いかにも分別のある、生徒をいたわる教師の質問のように聞いた。
「はい」
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相手は、南の海でイカと戯れるような子どもなのだと、安田がおのれの欲望を恥じて、なんとか気持ちを抑えようと努力している時だった。
気がつくと、西島が、イカとの戯れを思い出して興奮してきたのか、下半身を手でおさえて、顔を真っ赤にして、はあはあしていた。
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