24 / 50
1、教室
夢見がちなまなざし
しおりを挟む
なのに、せっかくそうまでして守った生徒に対して、自分が襲いかかってしまったら、元も子もないではないか。せっかく守ったのに。
「君は、僕の好意を無にするのか? せっかく化け物からこうして君を守っているのに、僕に、君をおかせというのか?」
「だって、先生、僕、先生のことが好きなんです。先生のこんな姿見せつけられて、セックスせずにはいられません。僕ともしてください」
西島の言うことは、もっともでもあり、無茶苦茶でもあった。
爛れた愛。そんなフレーズが頭に浮かんだ。こんな愛など爛れている。西島には、ふさわしくない。自分の手でこんな、あどけない西島をおかすことなどできない。
「すまない。僕は男としたことはないんだ」
安田は、正直に言った。すると、西島は、がっかりすると思いきや、満面に喜色を浮かべたのだった。
「ほんとですか!? 嬉しいです! だったら、僕と、初めてしてください。先生が、ほかの人とする前に僕と一番にしてください」
西島は、性急な調子で申し込んできた。
断りのつもりで言ったことばが、逆に西島を焚きつけて、燃えたたせてしまった。なんということだろう。まったく逆効果だった。いや、もう、なんと拒もうが、その気になってしまった、この夢見がちなまなざしをした、好奇心いっぱいの生徒をとめることは、もうできないのかもしれなかった。
「西島、君の希望に添えなくて悪いが、それは……教師と生徒の間がらで、そんなことをするのは、いけないことなんだよ。ましてや、こんな教室でしたらいけないことだ」
安田は、きっぱりと告げたつもりだった。
「でも、もう、してしまっているじゃないですか。先生は、とってもエッチです。あそこを撫でられて喘いだり、お尻に挿れられて、よがったり」
そう言われると、弁解の余地は、少しもないように思われた。
「いや、だから、これは、僕が、化け物に襲われているからであって」
それでも、安田は、あきらめずに弁解した。
「だったら、ほかの先生を呼んできましょうか。助けてもらいましょう。それか、警察か消防を呼んでもらって。県庁へ電話して、自衛隊を出動してもらいましょう」
たしか、西島の父親は、県庁に勤務しているはずだ。それで、そんなことを言うのだろう。たしかに、こんな巨大な、おぞましい化け物は、すぐに捕まえられる必要がある。ここを去ったからといって、ほかの市民を襲ったら……。
「君は、僕の好意を無にするのか? せっかく化け物からこうして君を守っているのに、僕に、君をおかせというのか?」
「だって、先生、僕、先生のことが好きなんです。先生のこんな姿見せつけられて、セックスせずにはいられません。僕ともしてください」
西島の言うことは、もっともでもあり、無茶苦茶でもあった。
爛れた愛。そんなフレーズが頭に浮かんだ。こんな愛など爛れている。西島には、ふさわしくない。自分の手でこんな、あどけない西島をおかすことなどできない。
「すまない。僕は男としたことはないんだ」
安田は、正直に言った。すると、西島は、がっかりすると思いきや、満面に喜色を浮かべたのだった。
「ほんとですか!? 嬉しいです! だったら、僕と、初めてしてください。先生が、ほかの人とする前に僕と一番にしてください」
西島は、性急な調子で申し込んできた。
断りのつもりで言ったことばが、逆に西島を焚きつけて、燃えたたせてしまった。なんということだろう。まったく逆効果だった。いや、もう、なんと拒もうが、その気になってしまった、この夢見がちなまなざしをした、好奇心いっぱいの生徒をとめることは、もうできないのかもしれなかった。
「西島、君の希望に添えなくて悪いが、それは……教師と生徒の間がらで、そんなことをするのは、いけないことなんだよ。ましてや、こんな教室でしたらいけないことだ」
安田は、きっぱりと告げたつもりだった。
「でも、もう、してしまっているじゃないですか。先生は、とってもエッチです。あそこを撫でられて喘いだり、お尻に挿れられて、よがったり」
そう言われると、弁解の余地は、少しもないように思われた。
「いや、だから、これは、僕が、化け物に襲われているからであって」
それでも、安田は、あきらめずに弁解した。
「だったら、ほかの先生を呼んできましょうか。助けてもらいましょう。それか、警察か消防を呼んでもらって。県庁へ電話して、自衛隊を出動してもらいましょう」
たしか、西島の父親は、県庁に勤務しているはずだ。それで、そんなことを言うのだろう。たしかに、こんな巨大な、おぞましい化け物は、すぐに捕まえられる必要がある。ここを去ったからといって、ほかの市民を襲ったら……。
0
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
少年院の成人式
風早 るう
BL
非行を繰り返し少年院に入った秋月 奏多(あきづき かなた)は、院内で18歳の誕生日を迎えることになった。
誕生日なんかどうでもいい…。
そう思っていたら、看守から告げられた。
『院内で18歳を迎えた少年の、成人式を行う。』
その成人式とは、奉仕の精神を学ぶための矯正教育で、少年院の運営費用を援助してくれるスポンサー達へ、非行少年達が性的に奉仕するという内容だった…。
秋月 奏多(あきづき かなた)18歳
子育てに無関心な母親に育てられた。
度重なる非行により母親が養育を拒否したため、少年院送りとなる。
四菱 亜蓮(よつびし あれん)
スポンサー。日本を代表する財閥の有力者で、近寄り難い程の美貌の持ち主。立場上、少年院や刑務所のスポンサー行事に顔は出すもののサービスを受けたことはなかったが、奏多のことを気に入る。
阿久津 馨(あくつ かおる)
スポンサー。中性的な美貌の高名な精神科医。日頃から非行少年の更生に尽力しており、根が純情で更生の可能性が高い奏多のことを気に入る。
*おちゃらけ&とんでも設定なので、心の広い方向けです。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
主神の祝福
かすがみずほ@11/15コミカライズ開始
BL
褐色の肌と琥珀色の瞳を持つ有能な兵士ヴィクトルは、王都を警備する神殿騎士団の一員だった。
神々に感謝を捧げる春祭りの日、美しい白髪の青年に出会ってから、彼の運命は一変し――。
ドSな触手男(一応、主神)に取り憑かれた強気な美青年の、悲喜こもごもの物語。
美麗な表紙は沢内サチヨ様に描いていただきました!!
https://www.pixiv.net/users/131210
https://mobile.twitter.com/sachiyo_happy
誠に有難うございました♡♡
本作は拙作「聖騎士の盾」シリーズの派生作品ですが、単品でも読めなくはないかと思います。
(「神々の祭日」で当て馬攻だったヴィクトルが受になっています)
脇カプの話が余りに長くなってしまったので申し訳ないのもあり、本編から独立しました。
冒頭に本編カプのラブシーンあり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる