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1、教室
苦しくて、気持ちいい
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「……んん」
息をつぐ暇もない。西島は、安田に息もつがせない。さっき安田が西島にしたようにサディスティックに攻めてくる。安田は後悔した。もっと優しいキスを覚えさせるべきだった。こんな相手を苦しませて快楽を得る、ゆがんだキスを覚えさせてしまった。
「先生、僕のキス、気持ちいいですか?」
西島は聞いた。
「苦しい……」
「苦しいの? 先生、苦しそうにしているとき、とても気持ちよさそうで、いやらしい顔してる」
西島が言った。
「苦しくて……」
放してくれと言うつもりだった。なのに西島は言った。
「苦しくて、気持ちいいんでしょ?」
苦しくて、気持ちいい?
「僕も、そうです……苦しいの好きです……。先生の攻められている姿見て、僕、興奮してしまった……苦しいのに、すごく興奮するんです。僕、おかしいですか?」
西島が真摯な目つきで聞いてくる。そんな風に問われれば、おかしいなどと言えるものではない。
「おかしくないよ。でも、こんな状況だから、僕も西島も、少しいつもと違ってしまっているようだ」
「先生も、おかしいなら、僕もおかしくていいです。僕、興奮してるんです。ねえ、先生もそうでしょう?」
西島は、あどけないようすで聞いた。
「ああ、そうかもしれない。少し、興奮している」
「少し? 少しなんかじゃありません。僕、すごく興奮してます」
「ああ、そうだ……。化け物のせいで、興奮させられているんだ。この粘液が、何か媚薬のような働きをしているのかもしれない」
「びやく?」
「ああそうだ。興奮作用のある何か化学物質が含まれているのかもしれない」
「ということは、普段だったらこんなに興奮しないってことですか?」
「うん……こんなには……」
安田は、西島をなだめるために、言ったつもりだった。今感じている興奮は、偽のものだと。なのに、西島は感動と欲情に目をうるませて言った。
「嬉しい……。僕も、こんなに興奮するの初めてです。と言っても、僕の場合、初めてですから当然ですよね。でも、先生もいつもより、興奮してるなんて、僕、嬉しいです」
逆効果だ。
「あの……先生は、いつも……恋人と、してるんですか?」
西島は、おずおずと聞いた。
ーーーーーーー
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「苦しいの? 先生、苦しそうにしているとき、とても気持ちよさそうで、いやらしい顔してる」
西島が言った。
「苦しくて……」
放してくれと言うつもりだった。なのに西島は言った。
「苦しくて、気持ちいいんでしょ?」
苦しくて、気持ちいい?
「僕も、そうです……苦しいの好きです……。先生の攻められている姿見て、僕、興奮してしまった……苦しいのに、すごく興奮するんです。僕、おかしいですか?」
西島が真摯な目つきで聞いてくる。そんな風に問われれば、おかしいなどと言えるものではない。
「おかしくないよ。でも、こんな状況だから、僕も西島も、少しいつもと違ってしまっているようだ」
「先生も、おかしいなら、僕もおかしくていいです。僕、興奮してるんです。ねえ、先生もそうでしょう?」
西島は、あどけないようすで聞いた。
「ああ、そうかもしれない。少し、興奮している」
「少し? 少しなんかじゃありません。僕、すごく興奮してます」
「ああ、そうだ……。化け物のせいで、興奮させられているんだ。この粘液が、何か媚薬のような働きをしているのかもしれない」
「びやく?」
「ああそうだ。興奮作用のある何か化学物質が含まれているのかもしれない」
「ということは、普段だったらこんなに興奮しないってことですか?」
「うん……こんなには……」
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