からすうり〜廃屋の美青年〜

足を舐める

ぴちゃりぴちゃり。

私は彼の人の指を口に含み舌で舐め始めた。



指は耐えがたそうに芋虫のように縮んでは悶えた。


私は徐々に縁の内に引きこまれた。



足は私を誘うように内へ内へと退いていく。


私は足を放すまいと縁へ上がって膝を突き這いずっていく。




ぴちゃりぴちゃり。


縁の内には私の指をしゃぶる音ばかり響く。


館の内は誰も居らぬようにひっそりとしている。

まだ夜も更けていないのに使用人も皆、寝静まっているかのようだった。



私はずるずると縁の奥に引きこまれていった。

私は彼の人の足首に取りついて離れまいとした。