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ぺろぺろ好き
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「アユムくん、ペロペロしたい?」
パパが聞いてきた。
「うん……」
アユムは、そうきかれると、つい「うん」とこたえてしまう。だって、そう聞く人は、アユムにペロペロしてほしいんだろうなって思うから。
「そっかぁ。アユムくんは、ペロペロ好きなんだね」
パパは嬉しそうだった。
「うん」
これも「うん」とこたえると、みんなうれしそうな顔をするから。
「今は、これでがまんして」
とパパは、ペロペロキャンディをアユムに手渡した。
「わーい」
これはほんとうに好き。アユムはさっそく包み紙をとって、ペロペロした。
「ペロペロしてるアユムくん、エッチでかわいいよ」
パパはアユムの頭をなでた。
「あとでパパにもペロペロしてくれる?」
パパは、アユムの耳に、こそっと言った。
「うん、いいよ」
アユムは、うれしくてニコニコした。
パパとアユムが、ビルの中を歩いていると、さっき外でアユムに声をかけてきたお兄さんが、
「しゃちょ……花園さん」
とパパに声をかけてきた。
「また、そんな格好して!」
とお兄さんはパパを叱った。お兄さんのがえらい人なのかもしれない。
「ふふふ」
とパパは笑って、
「秘密」
と言った。
「この子は?」
お兄さんがアユムの方を見て聞いたので、
「アユムです」
と、アユムは自己紹介をした。
「しゃちょ……花園さん、独身ですよね?」
お兄さんは、パパを振り返った。
「僕はアユムのパパだよ」
と亜紀人さんが答えた。ほかの人の前で、パパがパパだと言ったので、アユムは、嬉しさに、ぼうっとなった。
「パパ……? こんな子どもと……!?」
お兄さんは、驚いていた。
「昭島、なに勘違いしてるんだ」
と、パパは笑った。
「えっ、あっ……愛人的な意味での、じゃないんですか!?」
昭島は、聞き返した。
「まあ、ある意味そうかなあ」
とパパは一人で照れた。
昭島は、そのことばを聞いて、
「深くは聞かないでおきます……」
とムッとしたみたいに答えた。
「うそうそ、息子だよ」
パパは昭島の態度に、あわてたように訂正した。
「えっ!? 聞いてませんけど! 独身だって言って僕を抱いておいて……実は、こんな大きなお子さんまで……」
昭島さんは、冷静そうな人だったのに、ショックを受けたみたいに、動揺していた。
「僕をだましたんですね!?」
昭島は泣きそうな顔をした。
「そう、怒るなって。安心しろよ。実の子じゃないから」
パパは、昭島の肩をだいてなぐさめた。
「子連れ女性と結婚されたんですね……」
昭島はハンカチで涙をふいた。
亜紀人さんとママの結婚は、ママのげいのう活動にししょうがあるから秘密らしい。
「昭島を捨てるわけじゃないから、安心しろ」
パパは力強い声で昭島をはげました。
「私にないしょで……一言くらい言ってくれたっていいじゃないですか」
昭島さんが、涙をにじませた。
「大丈夫。昭島とは……別れないよ」
アユムはしっとした。なにこの、あきしまって人!!
パパが聞いてきた。
「うん……」
アユムは、そうきかれると、つい「うん」とこたえてしまう。だって、そう聞く人は、アユムにペロペロしてほしいんだろうなって思うから。
「そっかぁ。アユムくんは、ペロペロ好きなんだね」
パパは嬉しそうだった。
「うん」
これも「うん」とこたえると、みんなうれしそうな顔をするから。
「今は、これでがまんして」
とパパは、ペロペロキャンディをアユムに手渡した。
「わーい」
これはほんとうに好き。アユムはさっそく包み紙をとって、ペロペロした。
「ペロペロしてるアユムくん、エッチでかわいいよ」
パパはアユムの頭をなでた。
「あとでパパにもペロペロしてくれる?」
パパは、アユムの耳に、こそっと言った。
「うん、いいよ」
アユムは、うれしくてニコニコした。
パパとアユムが、ビルの中を歩いていると、さっき外でアユムに声をかけてきたお兄さんが、
「しゃちょ……花園さん」
とパパに声をかけてきた。
「また、そんな格好して!」
とお兄さんはパパを叱った。お兄さんのがえらい人なのかもしれない。
「ふふふ」
とパパは笑って、
「秘密」
と言った。
「この子は?」
お兄さんがアユムの方を見て聞いたので、
「アユムです」
と、アユムは自己紹介をした。
「しゃちょ……花園さん、独身ですよね?」
お兄さんは、パパを振り返った。
「僕はアユムのパパだよ」
と亜紀人さんが答えた。ほかの人の前で、パパがパパだと言ったので、アユムは、嬉しさに、ぼうっとなった。
「パパ……? こんな子どもと……!?」
お兄さんは、驚いていた。
「昭島、なに勘違いしてるんだ」
と、パパは笑った。
「えっ、あっ……愛人的な意味での、じゃないんですか!?」
昭島は、聞き返した。
「まあ、ある意味そうかなあ」
とパパは一人で照れた。
昭島は、そのことばを聞いて、
「深くは聞かないでおきます……」
とムッとしたみたいに答えた。
「うそうそ、息子だよ」
パパは昭島の態度に、あわてたように訂正した。
「えっ!? 聞いてませんけど! 独身だって言って僕を抱いておいて……実は、こんな大きなお子さんまで……」
昭島さんは、冷静そうな人だったのに、ショックを受けたみたいに、動揺していた。
「僕をだましたんですね!?」
昭島は泣きそうな顔をした。
「そう、怒るなって。安心しろよ。実の子じゃないから」
パパは、昭島の肩をだいてなぐさめた。
「子連れ女性と結婚されたんですね……」
昭島はハンカチで涙をふいた。
亜紀人さんとママの結婚は、ママのげいのう活動にししょうがあるから秘密らしい。
「昭島を捨てるわけじゃないから、安心しろ」
パパは力強い声で昭島をはげました。
「私にないしょで……一言くらい言ってくれたっていいじゃないですか」
昭島さんが、涙をにじませた。
「大丈夫。昭島とは……別れないよ」
アユムはしっとした。なにこの、あきしまって人!!
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