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義理パパのひみつ
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パパは作業着姿で帽子をまぶかにかぶって、いつもはかけていない黒ぶちメガネをかけていた。髪型もまっすぐになでつけてあって、いつもとちょっとちがうみたいだ。
だけどアユムの目はごまかせない。すぐにパパだってわかった。
パパは水色のバケツを片手に、デッキブラシをもう片方の手に持っていた。
「ねえねえ。亜樹人さん」
と、ちかくからアユムが呼ぶと、
「うわぁっ」
とパパは驚いた。
「ふふふっ、びっくりした?」
「びっくりしたぁ。アユムくん一人できたの?」
パパは目をまるくした。
「うん、そうだよ」
アユムは、知らない場所に一人で来れたことが、とくいだった。
「よくパパだって、わかったね」
パパは、びっくりした顔をした。
「どうして? すぐわかったよ!」
アユムは、嬉しくて、くすくす笑った。
「おかしいなあ。変装してるから、みんな、わからないのになあ」
パパは、ブツブツ小声でつぶやいた。
「へんそう?」
「しーっ、これは秘密なの。さあパパは、お仕事するから、ちょっと待っててね」
「作業中」の看板が入り口に置いてあるトイレに、作業着姿のパパが入っていった。
「亜樹人さんは、社長さんじゃなかったんだぁ? ほんとは、トイレのお掃除のお仕事をしてたんだね」
とアユムが言うと、
「しーっ」
と亜樹人が指を立てた。
「だいじょうぶだよ。ママには、ないしょにしてあげる。美人なママと結婚したいから、こんな大きい会社の社長さんだってウソついてたんでしょ? ママは、お金持ちが好きだから」
アユムは、わけ知りな、おとなのような口ぶりで聞いた。
亜樹人は困った顔をした。
「だいじょうぶだよ。別に、僕は、亜樹人さんがトイレのお掃除のお仕事をするおじさんでも、いいよ。僕は、亜樹人さんのこと嫌いにならないから」
アユムはいっしょうけんめいパパをかばった。
「ありがとう、アユムくん。そんなこと言ってくれて、パパは嬉しいよ」
とパパは、アユムをぎゅっと抱きしめて、ほっぺにチュッとしてくれた。
だけどアユムの目はごまかせない。すぐにパパだってわかった。
パパは水色のバケツを片手に、デッキブラシをもう片方の手に持っていた。
「ねえねえ。亜樹人さん」
と、ちかくからアユムが呼ぶと、
「うわぁっ」
とパパは驚いた。
「ふふふっ、びっくりした?」
「びっくりしたぁ。アユムくん一人できたの?」
パパは目をまるくした。
「うん、そうだよ」
アユムは、知らない場所に一人で来れたことが、とくいだった。
「よくパパだって、わかったね」
パパは、びっくりした顔をした。
「どうして? すぐわかったよ!」
アユムは、嬉しくて、くすくす笑った。
「おかしいなあ。変装してるから、みんな、わからないのになあ」
パパは、ブツブツ小声でつぶやいた。
「へんそう?」
「しーっ、これは秘密なの。さあパパは、お仕事するから、ちょっと待っててね」
「作業中」の看板が入り口に置いてあるトイレに、作業着姿のパパが入っていった。
「亜樹人さんは、社長さんじゃなかったんだぁ? ほんとは、トイレのお掃除のお仕事をしてたんだね」
とアユムが言うと、
「しーっ」
と亜樹人が指を立てた。
「だいじょうぶだよ。ママには、ないしょにしてあげる。美人なママと結婚したいから、こんな大きい会社の社長さんだってウソついてたんでしょ? ママは、お金持ちが好きだから」
アユムは、わけ知りな、おとなのような口ぶりで聞いた。
亜樹人は困った顔をした。
「だいじょうぶだよ。別に、僕は、亜樹人さんがトイレのお掃除のお仕事をするおじさんでも、いいよ。僕は、亜樹人さんのこと嫌いにならないから」
アユムはいっしょうけんめいパパをかばった。
「ありがとう、アユムくん。そんなこと言ってくれて、パパは嬉しいよ」
とパパは、アユムをぎゅっと抱きしめて、ほっぺにチュッとしてくれた。
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