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第十二章 電車編
イケメン教師、職員室で校長に呼びとめられる
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小坂は、職員室で校長に呼びとめられた。
「小坂君、明日の研修会は電車で行きなさい」
いつも通勤に車を使っている小坂は、校長の言葉にとまどった。電車で行けとは、酒を飲まされるということか……? だが、小坂は酒席を好まない。いい思い出が一つもないからだ。どうせセクハラされるに決まっている。だから懇親会は「不参加」に丸をつけたはずなのに。
「懇親会は『参加』に私が丸をつけ直しておいてやったから。当番校の職員が不参加では、示しがつかんじゃないか、え? そうだろう?」
校長が、このたびの研修会の当番責任者だった。
「君も協力したまえ」
校長ががしっと小坂の肩をつかんだ。
「こういう雑事も、ないがしろにしてはいけないよ」
と「政治」の好きな校長は語った。校長は、校長になっても、まだ上がりではない、さらに羽ぶりをきかせたいとの思わくがあるようだった。研修会一つをとっても盛況に終わらせたいということだろう。
「そもそも若手が少ないからねぇ。君みたいな優秀な若手は貴重なんだよ。その上、君は華もあるからねえ」
校長は、小坂の肩をこねくりまわしながら、にやにやして小坂を持ち上げた。
「小坂君、明日の研修会は電車で行きなさい」
いつも通勤に車を使っている小坂は、校長の言葉にとまどった。電車で行けとは、酒を飲まされるということか……? だが、小坂は酒席を好まない。いい思い出が一つもないからだ。どうせセクハラされるに決まっている。だから懇親会は「不参加」に丸をつけたはずなのに。
「懇親会は『参加』に私が丸をつけ直しておいてやったから。当番校の職員が不参加では、示しがつかんじゃないか、え? そうだろう?」
校長が、このたびの研修会の当番責任者だった。
「君も協力したまえ」
校長ががしっと小坂の肩をつかんだ。
「こういう雑事も、ないがしろにしてはいけないよ」
と「政治」の好きな校長は語った。校長は、校長になっても、まだ上がりではない、さらに羽ぶりをきかせたいとの思わくがあるようだった。研修会一つをとっても盛況に終わらせたいということだろう。
「そもそも若手が少ないからねぇ。君みたいな優秀な若手は貴重なんだよ。その上、君は華もあるからねえ」
校長は、小坂の肩をこねくりまわしながら、にやにやして小坂を持ち上げた。
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