イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第二章 調教師編

イケメン教師、生徒会長の隣のトイレで自慰をする【挿絵:「生徒会長」byリリーブルー】

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 小坂は、調教師に命じられ学校で撮影した自撮り自慰動画をスクリーンで見させられていた。
 最後の審判で自らの罪業を映し出されるように。

「こんな恥ずかしい自慰動画を、自分で撮影して、俺に送りつけてくるのだからな」
麓戸は、小坂の裸の尻を撫でながら言った。
「どうだ、こうやって大きなスクリーンで見せられる気分は」
麓戸に触れられるだけで体液がジワとにじみだす。麓戸の手が、小坂の尻を撫でまわすたびに、小坂の尻は、動いてしまう。
「恥ずかしいです……」
小坂はゴクリと唾を呑みこむ。
「そんなにケツを動かして、もう、欲しくなったのか」
「動かしてなんか……」
小坂は、自分の尻が無意識に動いてしまっているのに気づいて、言いかけた言葉を飲みこんだ。
 麓戸の指がアナルの入り口に触れる。
「ヒャッ……」
ぬるりとした感触。


「あっ……ん、ん……」
画面の小坂も、お尻を突き出し、切ない声で喘いでいた。
 腰をくねらすたびに、ワイシャツの裾から剥き出しの下半身がちらちらと見える。
 玩具を持った小坂の手が、焦らすように動く。
「あっ……あ」

「自分で焦らしているのか。いやらしいな」
動画を観る麓戸が口角を片方上げてニヤリと笑う。
「快感を長引かせ、自ら情欲を高ぶらせようとするなんて。おまえは、ますますいやらしくなってきたな」
「はい……麓戸さんの教えの通りに……」
小坂は頬を熱くしながらも従順に答えた。
「恥ずかしい教師だ」
麓戸はくすりと嘲笑った。

 もちろん、職場で、学校でオナニーするなんて、それだけでも気がとがめることだった。
 まして教師が学校で、こんないやらしいオナニーを撮影しているだなんて。そんな破廉恥なことが知れたら、即刻、懲戒免職ものだ。
 だから、自慰動画の撮影命令にも段階があり、ことは慎重になされた。


 最初は、ひと気のない誰もいないトイレの個室での自慰だった。それでも小坂の心臓は高鳴った。
 いけないことをしている、と。
 こんなことが知られたら、恥ずかしくて生きておれない。
 だが、麓戸のために、いやらしい指示に従っていると思うと、それだけで情欲は高まった。
 人に知られてはならない。
 気づかれてはならない。
 声を立てないように、息づかいでそれと知られぬように。物音を立てないように。
 小坂は息をひそめて、下半身の熱を解放した。
 便器にボタボタと体液の落ちるとき、我にかえり、罪悪感がこみあげてきた。
 いけないことをしてしまった。
 もう、こんなことは二度とするまい。

 それなのに、麓戸から催促のメールがくれば、再び胸が高鳴った。

 誰もいないトイレの個室で声をあげてオナニーをした時は、前の廊下を通りがかった誰かや、途中でトイレに入ってきた誰かに、声が聞かれやしないかとドキドキした。

 トイレに誰かがいる時に、個室でオナニーする。それは一層、スリリングだった。個室から出た時のきまり悪さ。個室に入る時の恥ずかしさ。それは、普通に個室を使うときにも、いくらか感じるものだった。中で用を足す時の気持ちや快感も、ある意味似たようなものだったが、やはりそこは、生理現象とは割り切れない隠微な気分があった。その上、その自分の姿をこっそり撮影するのだから。

 次に、誰かが入っている隣の個室でしたとき、はぁはぁという息が、隣に聞こえはしまいかという気持ちが、小坂の情欲を煽った。オナニーをしていることが、バレてしまうのではないかというスリル。
 板一枚向こうの誰か。

 そして次には、誰かを確認の上で、その隣の個室で、という命令だった。
 小坂が選んだ誰かは、生徒会長だった。

 その理由は、第一に、生徒会長は、毎日、生徒会の仕事で遅くまで残っていたから、標的にするには好都合だった。
 それに生徒会室のあるあたりはひと気が少ないのも都合がいい。だからといって、その辺りを教師の小坂がうろついていたとしても、見回りだと言い訳できる。ひと気の少ない場所だからこそ、見回りをしなければいけないと。
 生徒会長を対象に選んだ理由は、それだけではない。生徒会長は去年、一昨年の担任の生徒で気心も知れていた。万が一バレた場合でも、大目に見てもらえそうな気がした。
  なぜかというと、熊のキーホルダーを「絶対使ってくださいね」と押しつけるくらいには、彼も小坂のことが好きらしかったからだ。
 彼とは、いろいろあったのだ。
 生徒会長は、警戒心が強く、いつもトイレは個室を使っていた。それを知っているのも、一昨年、昨年と、彼の担任だったせいだ。生徒会長が面談のとき、自分でそう言っていた。
 生徒会長からもらったキーホルダーを使っていたのも、なまじ、その時、キーホルダーがなかったから、という偶然の理由だけでもなかった。最初の受け持ちの生徒というだけでなく、彼については思い入れも深かったのだ。
 それに、彼は、ほかの生徒たちも認めるほどに美しかった。
 三年まで持ちあがりかと思っていたのに、担任をはずされて、小坂は、当初、かなりがっかりしたものだった。

「まだ三年生を受け持つ器じゃないということなんだろう」
と小坂は、始業式の日、小坂のところに来て涙ぐむ生徒会長に言った。
 生徒に言いながら、自分に言い聞かせていた。自分の寂しく悲しく別れがたく放し難い気持ちをなだめ、慰めていた。そう思って納得しようとしていた。
「先生は、また、ほかの生徒を愛するんですね」
生徒会長は、寂しそうに言った。物思わしげに、なじるように、恨みがましい目で小坂を見て、生徒会長は唇をかんだ。
 小坂は、その様子を見て少しだけ、ほっとした。このままだと彼の想いに流されて恋愛に発展してしまいそうだったからだ。ひとたび恋愛の薪に火が着いたなら、想いだけにとどめておくのは難しいことに思えた。苦しみの挙げ句、いつか、どちらからともなく、行動にうつしてしまいそうで怖かった。
 だから担任をはずされて、それでよかったのだ、と思った。
 それは手放すには惜しい大切な想いだった。けれども、どうにもならない、あきらめるしかない甘く切ない感情だった。
「愛するだなんて。大げさだな」
小坂はその時、生徒会長の切実な訴えを、笑って冗談にして受け流した。
 大人の自分がそういう態度を貫かなければ、彼は、もっとつらくなるばかりだろうと思ったからだった。

 どうにもならないのだ。
 今こそ、一時の感情で、そんな風に強く想っていたとしても、忘れるのはきっと、彼の方が早いのだ。

 そんな風に寂しくも思った。


 それでも、教室に、聡明で凛として美しい、孤高な彼のいないのは寂しかった。
 小坂は、彼に、かつての自分を重ねていたのだった。


 新しい生徒たちにまだ慣れないころに、見回り事件が起きた。
 他校の生徒に輪姦された。
 それまで、かろうじて均衡を保っていた小坂の心は、その時から急速に壊れていった。
 級長の宮本が、よく小坂を心配してくれたが、宮本はまだ幼かった。大人びた生徒会長のまなざしが恋しかった。一年違うだけなのに、生徒会長は大人だった。生徒を比べるなんて、いけないこととは知りながら、つい、比べてしまう。
 生徒会長は生徒で、小坂より九つも年下だ。なのに、小坂は、生徒会長に頼っていたのだ、という事実を思い知らされた。
 だが、もう、生徒会長は担任の生徒ではなかった。

「先生は、また、ほかの生徒を愛するんですね」
などと生徒会長は言ったが、それは逆だった。
 自分こそ、生徒会長こそ、小坂の手をはなれていってしまったではないか。
 そして、もっと遠いところに飛び立ってしまうではないか。あと一年もしないうちに。生徒は、みな、そうだ。みな、自分から去っていく。
 今だって、すでに生徒会長は、取り巻きに囲まれ、小坂のことなど見向きもしないようになっている。

 この学校の生徒会長は、ときに、若手教師などよりずっと権限が強かった。



 生徒会長の隣の個室で息を潜めてオナニーをしながら、達することのできる自分を、どうかしていると小坂は思った。
 最初は、気づかれないようにしていた。だが次第に大胆になり、はあはあという荒い息を抑えようともしなくなった。

 気づかれてもいい。むしろ気づかれたい。気づいてほしい。そして、優しく叱ってほしい。どうして、こんなことをしているんですかと、美しい頬に涙の雫を流して問い詰めてほしい。そして、小坂の告白を聞いた後、そっと抱きしめてほしい。
 そして、そのまま、彼とどうにかなってもいい……! とさえ思うようになっていった。
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