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第九章 第三の問題
イケメン教師、生徒会室で撮影される
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「実は、すでに新聞部長と演劇部長、写真部部長、放送部部長に掛け合ってある」
生徒会長が企画書の束をバサリと机に置いた。
「ん?」
副会長が一部を手に取って、ペラペラとめくった。
「君はいつもワンマンだな」
と批判する。
「衆愚政治は嫌いでね」
生徒会長が言い返す。
演劇部と写真部の部長がやってきた。照明やカメラなど本格的な撮影機材が運びこまれた。
演劇部長が生徒会長に原稿用紙の束を見せた。
「おもしろい企画をありがとう。だいたいのシナリオはこんな感じでいいかな」
生徒会長はうなずく。
「音響は、放送部と、うちの音響班であとから調整する」
演劇部長は付け足した。
「撮影はうちがやっていいんだね?」
三脚を据えながら写真部部長が嬉しそうに聞く。
「うん。きれいに撮ってくれたまえ」
生徒会長が答えると、
「違うだろう。臨場感あふれる感じで、だろ。報道用なんだから。教師たちの腐敗を告発する目的なんだろう? 芸術作品を作るわけじゃないんだぜ。どういうつもりだよ。シナリオなんて作ったりして……」
新聞部長が批判的に口をはさんだ。
「シナリオといっても、大まかな流れだけだ。セリフを決めたわけじゃない」
演劇部長がフォローする。
「そう。大丈夫だよ。ハンディカメラでリアリズム風に撮るから。いずれにしても、モデルがいいから楽しみだな」
写真部部長はうきうきしている。
「我々が撮った方が、目的にかなう」
新聞部長が主張した。
「映画撮影でもするつもりか?」
「新聞部は報道で活躍してくれたまえ。うちには映画部というのがないから混乱しているだけだ」
生徒会長が交通整理をする。
「そうだよ、部を超えて一つの企画を成功させるいい機会じゃないか」
なんだかいい話のようになっているが、行われるのはとんでもない暴力だ。
「そうだな、有志を募って、興味のある部員に参加させた」
それでは既に、やらせだとバレているじゃないか。
撮影は、始まった。
「先生……だめです」
宮本が言う。
「いいじゃないか宮本」
馬鹿馬鹿しいセリフだ。
「こんなところで……あっ」
宮本は、なかなか演技がうまい。
「誰も見ていないよ、ほら脱ぎたまえ」
小坂も、ちょっとその気になる。
「あ……だめです」
小坂は、台本通り、宮本の服をむしりとった。
緊迫した空気が流れる。はあはあという息と汗。ライトが熱い。
小坂は宮本の上で身体を往復させた。入っているわけではない。
「あ……ん……」
宮本が、小坂の下で、本気の切なそうな声を出す。擦れて気持ちいいのだろう。
「カット!」
生徒会長が言った。
「ええええー」
ブーイングがわく。
「この辺までで十分だ。芸術作品じゃないんだからな」
生徒会長が新聞部長の方を見て、皮肉そうに言った。
「今度は、正式に作品を作らせてくれよ」
演劇部や写真部が頼みこんでいる。
「考えておこう」
生徒会長は答えた。
どうやら、無事に取引の餌になったようだ。
生徒会長が企画書の束をバサリと机に置いた。
「ん?」
副会長が一部を手に取って、ペラペラとめくった。
「君はいつもワンマンだな」
と批判する。
「衆愚政治は嫌いでね」
生徒会長が言い返す。
演劇部と写真部の部長がやってきた。照明やカメラなど本格的な撮影機材が運びこまれた。
演劇部長が生徒会長に原稿用紙の束を見せた。
「おもしろい企画をありがとう。だいたいのシナリオはこんな感じでいいかな」
生徒会長はうなずく。
「音響は、放送部と、うちの音響班であとから調整する」
演劇部長は付け足した。
「撮影はうちがやっていいんだね?」
三脚を据えながら写真部部長が嬉しそうに聞く。
「うん。きれいに撮ってくれたまえ」
生徒会長が答えると、
「違うだろう。臨場感あふれる感じで、だろ。報道用なんだから。教師たちの腐敗を告発する目的なんだろう? 芸術作品を作るわけじゃないんだぜ。どういうつもりだよ。シナリオなんて作ったりして……」
新聞部長が批判的に口をはさんだ。
「シナリオといっても、大まかな流れだけだ。セリフを決めたわけじゃない」
演劇部長がフォローする。
「そう。大丈夫だよ。ハンディカメラでリアリズム風に撮るから。いずれにしても、モデルがいいから楽しみだな」
写真部部長はうきうきしている。
「我々が撮った方が、目的にかなう」
新聞部長が主張した。
「映画撮影でもするつもりか?」
「新聞部は報道で活躍してくれたまえ。うちには映画部というのがないから混乱しているだけだ」
生徒会長が交通整理をする。
「そうだよ、部を超えて一つの企画を成功させるいい機会じゃないか」
なんだかいい話のようになっているが、行われるのはとんでもない暴力だ。
「そうだな、有志を募って、興味のある部員に参加させた」
それでは既に、やらせだとバレているじゃないか。
撮影は、始まった。
「先生……だめです」
宮本が言う。
「いいじゃないか宮本」
馬鹿馬鹿しいセリフだ。
「こんなところで……あっ」
宮本は、なかなか演技がうまい。
「誰も見ていないよ、ほら脱ぎたまえ」
小坂も、ちょっとその気になる。
「あ……だめです」
小坂は、台本通り、宮本の服をむしりとった。
緊迫した空気が流れる。はあはあという息と汗。ライトが熱い。
小坂は宮本の上で身体を往復させた。入っているわけではない。
「あ……ん……」
宮本が、小坂の下で、本気の切なそうな声を出す。擦れて気持ちいいのだろう。
「カット!」
生徒会長が言った。
「ええええー」
ブーイングがわく。
「この辺までで十分だ。芸術作品じゃないんだからな」
生徒会長が新聞部長の方を見て、皮肉そうに言った。
「今度は、正式に作品を作らせてくれよ」
演劇部や写真部が頼みこんでいる。
「考えておこう」
生徒会長は答えた。
どうやら、無事に取引の餌になったようだ。
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