イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第二十二章

イケメン教師、麓戸の話を総括する

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「そんなことがあったんですね」
小坂は麓戸の話を聞き終わって、ほっとため息をついた。
 麓戸や神崎先生の過去のいろんなことをいっぺんに聞いて、頭が混乱した。
 どう解釈していいかわからなかった。

「こんなこと、オデトにも誰にも話すつもりはなかったんだが」
麓戸は小坂を気づかうように言った。
「少し余計なことまで話しすぎたかもしれない」


「聞かせてくださってありがとうございます」
小坂は返した。過去のつらい話しを打ち明けてくれたのは嬉しかった。麓戸のことが前より近く感じられた。


「嫌だっただろう。こんな話」
麓戸は小坂の顔色をうかがうように見た。

「いえ。それはいいですけど……これはずしていただけませんか?」
小坂はうつむいて言った。貞操帯と、はっきり口にするのが恥ずかしかった。

「ああ。初めてなのに、よく我慢したな。苦しかったか?」
麓戸はそう尋ねながら、小坂の前に跪いて器具を外した。
「いや、あんな話を聞いたら萎えるよな」
と小坂の状態を見て麓戸は言った。

「いえ……苦しかったです」
小坂は白状した。頬が熱かった。

「え? どこらへんで?」
麓戸が聞いた。

 若かりし頃の神崎先生が美少年と屋上で激しいプレイをしているところを想像すると、嫉妬というよりは、興奮した。
 不謹慎かもしれないが、麓戸だって二人の行為を覗いて不覚にも興奮してしまったと告白していたのだから、言っても許してくれるだろう。

「その……麓戸さんが、自慰をしたってところ」
小坂は遠慮がちに答えた。

「え?」
麓戸が驚いたように聞き返した。

 小坂は、決まりが悪くなり、言い訳するように付け足した。
「麓戸さんって、二人の行為を覗き見て興奮して自慰をしてたんですよね? 自分の好きな美少年が、年上の男に無理矢理みたいにされてるのを見て、すごく興奮して……」

「え、そういうわけでは……」
麓戸は困ったような顔をして否定しかかった。


 小坂は、慌てて一生懸命説明を試みた。
「思い出して何度も自慰をしたって。学校や野外や公園のトイレでエッチな声をあげて……」
麓戸は確かにそう言っていたじゃないか。自分だけが不謹慎なわけじゃない。麓戸が、「興奮した」と告白したから、小坂も打ち明けているのに、自分だけ変だと咎められたくない。

「いや、それは……」
麓戸は慌てたように否定する。

 小坂は遮られないように、いつになく一気呵成に言った。
「僕、わからなかったんです。麓戸さんが僕を他の男に抱かせたりするのって、何なんだろうって。でも、そういうことかって……」

「え、何が?」
麓戸は、しきりと小坂の話を止めようとする。

 だが、あれだけ長く麓戸の話を黙って聞いていたのだ。今度は小坂が言ったっていいじゃないかと思った。
 いやそれだけじゃない。今まで麓戸の気持ちや態度や行動が、ずっとわけのわからないまま我慢してきたのだ。たまには自分の考えも聞いてほしい。
「あげく、僕を神崎先生に抱かれるように無理矢理仕向けたり……」

「いや、それは」

 学校で行為をして動画に撮れなんて遠まわしに命令していたけれど、実は最初から、小坂が神崎先生に抱かれている姿を見たかったのかもしれない。
 神崎先生に嫉妬しながらも、忘れられない光景。自分の最愛の人と誰かがサディスティックなセックスをする。それを覗き見することで興奮する。そんな風に条件づけられてしまったのだろう。
 その相手が当の本人の神崎先生であれば、より真実味が増して興奮度が高まる。その代わり、苦しさも倍増する。思い出したくないつらい過去や、嫉妬の感情に苦しめられる。
 それでも、何度も何度もその過去に立ち帰ってやり直したい、克服したい、そんな衝動もあったのかもしれない。
 トラウマ の現場に繰り返し直面するように。

 小坂は、麓戸とつきあっていても、いつも、自分が愛されているのかわからない不安にさいなまれていた。それは麓戸が小坂ではなく、小坂を通して違う誰かを見ているような気がしたからでもあった。その不安が勘違いでなかったことがわかった。
 そんなことは問いただしたこともなかったけれど。だけどいつも不安だった。ほかに好きな人がいるのではないかと。もっと僕を見て、そう思った。
 麓戸は、池井という後輩を、ずっと見ていたのだなと小坂は思った。愛しているの言葉も池井に言っていたのかもしれない。小坂にしたすべての行為や優しさも。

「僕は麓戸さんのことを好きなのに、何で僕にそんなことさせるんだろうって、わからなかった。僕を通して、後輩の池井さんを見ていたんですね」
小坂が最後まで言い切っても、麓戸は小坂のいつにない多弁に圧倒されたかのように呆然とした表情で言った。

「そんなつもりは……」
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