イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第二十一章 麓戸の追憶(麓戸視点) 

麓戸の自問

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「さあ……僕に聞かれても」
小坂は困ったように麓戸から目を逸らした。

 麓戸は自問した。

 確かに小坂は、「酷くして」と言っていた。何人もの人としたがった。
 だが、それを真にうけてよかったのだろうか。
 小坂の要求を叶えることが果たして本当に小坂のためになっていたのだろうか。傷を深めるだけだったのではなかろうか。もっと適切な対応があったのではないだろうか。数多の行為は、つらさをまぎらわせる麻薬のようなものでしかなかったのでは。
 真面目な小坂が本当に楽しんでいたとは思えない。
 でも、目を離したら死んでしまいそうな小坂を放っておけなかった。
 自分の、いや性の虜になっていれば、とりあえず死なない。死にたくなるようなつらさを快楽にまぎれさせて生きのびてくれる。
 そうやって延命させて、その間に、少しずつ傷が癒えていくのを待つ。それを見守ろうと思った。
 未熟なやり方だ。野蛮な酷いやり方だ。ちっとも洗練されていない。到底、正しいとは思えない。
 だが、自分に、はそれ以外の方法を思いつけなかったのだ。
 本当か? 言い訳だろう。

 店は、自分が仕切っていたから、小坂には安全だったはずだ。小坂がやみくもに巷で相手を見つけるよりは。できるだけ安全にできるようにしたが、本当に安全だったかはわからない。

 ああ、今さら何を言っても言い訳めいている。
 結局好きだったからじゃないか。小坂をいたぶるのが。自分は確実にその楽しみを満喫した。
 被虐に震え、快楽に喘ぐ美しい青年の姿を見て下半身は熱くなり、脳が痺れるような興奮を覚えた。
 籠の中の小鳥を慈しむように、小坂を愛した……つもりだった。
 結局、自分のしていることは加害者のあいつらと同じではないのか?

 麓戸は自問に答えられなかった。
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