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第二十章 麓戸の店で
イケメン教師、ソファに押し倒され同棲を求められる
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「あの、麓戸さんは本当に美少年好きではないんですか?」
小坂は上目遣いで麓戸を見た。
「何が気になっているんだ」
麓戸が聞き返した。
「だって麓戸さん、僕の子どもの頃の話を聞いて興奮してたじゃないですか」
小坂はおずおずと言った。
「そんな理由か」
麓戸は笑った。
「オデトの話だからじゃないか。オデトはちっとも自分のことを話さないからな」
麓戸はそう言って小坂の頬を撫でた。
「オデトにとってはつらい過去なのに、つい興奮してしまって悪かった。だけど、オデトがやっと心を開いてくれたようで嬉しかったんだ」
麓戸の腕が小坂を強く抱きしめた。
「好きだ。俺のオデト。可愛いよ。愛している」
「僕もです」
二人の唇が触れ合った。熱い。
むさぼるように互いの舌を舐め交わした。粘膜の感触。唾液が小坂の口のまわりを濡らした。
「ん、んんんん」
麓戸が小坂の舌を吸った。
息が苦しい。身体の芯が熱い。もっと深く交わりたい。身体の奥まで。
互いに慌ただしく相手の身体をまさぐる。
少しでも肌があらわになったところを舌が舐めていく。
「あ、んんんあああ」
舐めるのと感じるので忙しい。
もっと麓戸の肌を唇で濡らしたい。感じたい。だが麓戸も小坂の身体を舐めてくる。その熱い舌。巧みな動き。焦らし、駆り立てる。
「あっ」
ソファに押し倒された。
「ああっ、アア」
ソファから身体がずり落ちて絨毯の上で悶える。それでも麓戸の攻撃は止まない。
それほど激しく求められていると思うだけで気持ちが昂ぶって、狂おしくなる。
もっと求めてほしい。もっと。強く。熱く。激しく。
「欲しいか?」
麓戸が尋ねる。
「欲しいです」
小坂は答える。
「オデト……俺の養子になってくれるか? いっしょに暮らそう」
麓戸が興奮しながら言う。
「えっ」
急な申し出に、小坂はなんと答えていいかわからなかった。
「いっしょに住んだら、緊張感のあるプレイができなくなるから嫌か?」
麓戸は、小坂の反応を拒否と受け取ったようで、そう尋ねた。
「それも……そうですけど」
麓戸から、そんな申し出を受けたら嬉しいはずだ。なのに、即答できないのはどうしてだろう。
「どうして急に」
麓戸の言動には裏があるような気がしてならない。
麓戸は言った。
「俺は心配なんだ。オデトが『女と結婚する』なんて言いはるから」
麓戸が、小坂を抱きしめる。そんな風に所有欲を剥きだしにして、小坂を独り占めしようとしてくれる。嬉しいのに、どうしてか拒否の気持ちがあることを否めない。
「幸せな家庭を築くのが僕の夢なんです」
小坂はとっさに言った。何か拒否する理由を答えなければいけないと思ったからだ。
「またそんなステレオタイプな夢を。お前は世間の押し付ける常識にとらわれているだけだ。とらわれて苦しんでいるくらいならそんな夢間違っている。面倒な幻想などさっさと捨ててしまえ」
麓戸は、やれやれといった表情で諭す。
「僕にも少し考えさせてください」
小坂の人生は他人によって無理矢理変えられることが多すぎた。麓戸だって強引だった。
「自分で納得いくまで考えたいんです」
よくわからない。だけど、流されたくはない。自分の気持ちに拒否が少しでもある限り、承諾してはいけない気がした。
小坂は上目遣いで麓戸を見た。
「何が気になっているんだ」
麓戸が聞き返した。
「だって麓戸さん、僕の子どもの頃の話を聞いて興奮してたじゃないですか」
小坂はおずおずと言った。
「そんな理由か」
麓戸は笑った。
「オデトの話だからじゃないか。オデトはちっとも自分のことを話さないからな」
麓戸はそう言って小坂の頬を撫でた。
「オデトにとってはつらい過去なのに、つい興奮してしまって悪かった。だけど、オデトがやっと心を開いてくれたようで嬉しかったんだ」
麓戸の腕が小坂を強く抱きしめた。
「好きだ。俺のオデト。可愛いよ。愛している」
「僕もです」
二人の唇が触れ合った。熱い。
むさぼるように互いの舌を舐め交わした。粘膜の感触。唾液が小坂の口のまわりを濡らした。
「ん、んんんん」
麓戸が小坂の舌を吸った。
息が苦しい。身体の芯が熱い。もっと深く交わりたい。身体の奥まで。
互いに慌ただしく相手の身体をまさぐる。
少しでも肌があらわになったところを舌が舐めていく。
「あ、んんんあああ」
舐めるのと感じるので忙しい。
もっと麓戸の肌を唇で濡らしたい。感じたい。だが麓戸も小坂の身体を舐めてくる。その熱い舌。巧みな動き。焦らし、駆り立てる。
「あっ」
ソファに押し倒された。
「ああっ、アア」
ソファから身体がずり落ちて絨毯の上で悶える。それでも麓戸の攻撃は止まない。
それほど激しく求められていると思うだけで気持ちが昂ぶって、狂おしくなる。
もっと求めてほしい。もっと。強く。熱く。激しく。
「欲しいか?」
麓戸が尋ねる。
「欲しいです」
小坂は答える。
「オデト……俺の養子になってくれるか? いっしょに暮らそう」
麓戸が興奮しながら言う。
「えっ」
急な申し出に、小坂はなんと答えていいかわからなかった。
「いっしょに住んだら、緊張感のあるプレイができなくなるから嫌か?」
麓戸は、小坂の反応を拒否と受け取ったようで、そう尋ねた。
「それも……そうですけど」
麓戸から、そんな申し出を受けたら嬉しいはずだ。なのに、即答できないのはどうしてだろう。
「どうして急に」
麓戸の言動には裏があるような気がしてならない。
麓戸は言った。
「俺は心配なんだ。オデトが『女と結婚する』なんて言いはるから」
麓戸が、小坂を抱きしめる。そんな風に所有欲を剥きだしにして、小坂を独り占めしようとしてくれる。嬉しいのに、どうしてか拒否の気持ちがあることを否めない。
「幸せな家庭を築くのが僕の夢なんです」
小坂はとっさに言った。何か拒否する理由を答えなければいけないと思ったからだ。
「またそんなステレオタイプな夢を。お前は世間の押し付ける常識にとらわれているだけだ。とらわれて苦しんでいるくらいならそんな夢間違っている。面倒な幻想などさっさと捨ててしまえ」
麓戸は、やれやれといった表情で諭す。
「僕にも少し考えさせてください」
小坂の人生は他人によって無理矢理変えられることが多すぎた。麓戸だって強引だった。
「自分で納得いくまで考えたいんです」
よくわからない。だけど、流されたくはない。自分の気持ちに拒否が少しでもある限り、承諾してはいけない気がした。
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