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第十八章 生徒の村田とイケメン教師
三人で?
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「三人で」
と生徒の村田が言った。
「三人で!?」
教師の小坂は聞き返した。
いきなり3P……。しかも、そんな、実の息子と……!? なんて鬼畜な父親なんだ!
小坂の反応を、村田が怪訝そうな顔で見ていた。
あっ、そうか、違うか。元妻と三人で、ということか。危ない。何を想像したんだ。いくらなんでも「息子の悪照と三人で」と言うわけがないではないか。そんなことを想像する自分の方がどうかしている!
小坂は、あらぬ妄想をした自分を責めた。
ふと村田の方を見ると、まだ、村田は小坂の反応を不思議そうに見ていた。
村田の反応を見て、小坂は、さらに怯えた。
え、まさか、村田の母親が連れてきた男、愛人と言っていた男が、実は父親だったとか? もう、既に会っていた、あの男が村田の父親だった? 犯されて興奮してしまった、あの男が。
小坂の動揺を、村田は相変わらず、きょとんとした顔で見ている。
小坂は思う。
あれ、違ったか。ああ、そうか。普通に、父親とその愛人の女性と自分と、三人でしたい、という誘いなのかもしれない。きっと、そうだ。元妻とは別れているのだから、そんなはずはないし、悪照は息子だし、村田の母が連れてきた愛人という野卑な男は社長だとかは言っていなかった。
落ち着け、落ち着くんだ。
小坂は息を整えた。ふうっと息を吐き、心を落ち着けたあと、再び、村田悪照の顔を見た。
すると、小坂を先ほどから、けげんな顔で見ていた村田が、ようやく安心したような顔になって口を開いた。
「話したいって」
「え?」
小坂は聞き返した。
「三人で、話したいって、さ」
村田は、もう一度、繰り返した。
「あ、ああ……」
三人で、と聞いただけで、3Pのことだと思い込むなんて。
しかも、3Pを「普通に」などと思ってしまった自分に嫌気がさした。
変態だ。
生徒が「三人で」と言っただけで、そんな、あんな異常な行為を想像してしまうだなんて。
「せんせー、なに想像したの? 『三人で』に、そんなに動揺するって」
村田が、はじけるように笑った。
小坂の表情を心配そうにうかがっていた時間から我慢していたのだろう。緊張がとけたように無邪気に笑った。それは、村田には、珍しいことだった。
「いくら俺が『三人で』が好きだからって、さすがに親父とは、やんないから。親父も、そんな鬼畜じゃねえし。それとも変態せんせーは、そういう、ヤバい関係でヤるのが燃えるの? まさか、もう、そういう、かなりヤバめな3Pを経験済みとか?」
小坂の顔は熱くなった。なんと弁明してよいのかわからなかった。弁明のしようもなかった。
「ほんとオデちゃんは、顔に似合わず、えげつない趣味してるからなぁ。エロいったら、ありゃしない。油断ならないなあ」
村田に指摘されたことが、ほぼ図星なことが恥ずかしかった。
小坂は恥ずかしさに顔を熱くした。まともに村田の顔など見れなかった。小坂は下を向いた。
「で、三人でっていうのは、3Pじゃなくて」
村田は、そう言って、また声をたてて笑った。
「ほら、三者面談ってあるじゃん?」
と村田は、小坂の顔を覗き込むようにして言った。小坂は、恥ずかしさに俯き加減になっていた。
「あ……ああ、そのことか」
小坂は、しいて顔をあげて答えた。三人で話す……。三者面談のことだったのか。
「そう、そのことだよ」
「ああ、そうか」
小坂は、安堵した。
やっぱり担任だからにすぎなかった。
別に特別に信頼されているわけでもなんでもない。
三者面談には、母親ではなく父親がくると事務的な連絡をしただけだったのか。
小坂は失望した。失望したことに安堵した。
それに、村田の母と学校で会うのは気まずい。三人で話をするのも苦痛だ。会いたくない。だから、村田の母親でなく父親が来るというのは朗報だった。
小坂は、いったん安堵したものの、再び疑念が湧いた。
まさか、学校で、いかがわしいことをしてみせろ、などと要求されるのではなかろうか?
よく考えてみろ。村田悪照の父親だぞ?
と生徒の村田が言った。
「三人で!?」
教師の小坂は聞き返した。
いきなり3P……。しかも、そんな、実の息子と……!? なんて鬼畜な父親なんだ!
小坂の反応を、村田が怪訝そうな顔で見ていた。
あっ、そうか、違うか。元妻と三人で、ということか。危ない。何を想像したんだ。いくらなんでも「息子の悪照と三人で」と言うわけがないではないか。そんなことを想像する自分の方がどうかしている!
小坂は、あらぬ妄想をした自分を責めた。
ふと村田の方を見ると、まだ、村田は小坂の反応を不思議そうに見ていた。
村田の反応を見て、小坂は、さらに怯えた。
え、まさか、村田の母親が連れてきた男、愛人と言っていた男が、実は父親だったとか? もう、既に会っていた、あの男が村田の父親だった? 犯されて興奮してしまった、あの男が。
小坂の動揺を、村田は相変わらず、きょとんとした顔で見ている。
小坂は思う。
あれ、違ったか。ああ、そうか。普通に、父親とその愛人の女性と自分と、三人でしたい、という誘いなのかもしれない。きっと、そうだ。元妻とは別れているのだから、そんなはずはないし、悪照は息子だし、村田の母が連れてきた愛人という野卑な男は社長だとかは言っていなかった。
落ち着け、落ち着くんだ。
小坂は息を整えた。ふうっと息を吐き、心を落ち着けたあと、再び、村田悪照の顔を見た。
すると、小坂を先ほどから、けげんな顔で見ていた村田が、ようやく安心したような顔になって口を開いた。
「話したいって」
「え?」
小坂は聞き返した。
「三人で、話したいって、さ」
村田は、もう一度、繰り返した。
「あ、ああ……」
三人で、と聞いただけで、3Pのことだと思い込むなんて。
しかも、3Pを「普通に」などと思ってしまった自分に嫌気がさした。
変態だ。
生徒が「三人で」と言っただけで、そんな、あんな異常な行為を想像してしまうだなんて。
「せんせー、なに想像したの? 『三人で』に、そんなに動揺するって」
村田が、はじけるように笑った。
小坂の表情を心配そうにうかがっていた時間から我慢していたのだろう。緊張がとけたように無邪気に笑った。それは、村田には、珍しいことだった。
「いくら俺が『三人で』が好きだからって、さすがに親父とは、やんないから。親父も、そんな鬼畜じゃねえし。それとも変態せんせーは、そういう、ヤバい関係でヤるのが燃えるの? まさか、もう、そういう、かなりヤバめな3Pを経験済みとか?」
小坂の顔は熱くなった。なんと弁明してよいのかわからなかった。弁明のしようもなかった。
「ほんとオデちゃんは、顔に似合わず、えげつない趣味してるからなぁ。エロいったら、ありゃしない。油断ならないなあ」
村田に指摘されたことが、ほぼ図星なことが恥ずかしかった。
小坂は恥ずかしさに顔を熱くした。まともに村田の顔など見れなかった。小坂は下を向いた。
「で、三人でっていうのは、3Pじゃなくて」
村田は、そう言って、また声をたてて笑った。
「ほら、三者面談ってあるじゃん?」
と村田は、小坂の顔を覗き込むようにして言った。小坂は、恥ずかしさに俯き加減になっていた。
「あ……ああ、そのことか」
小坂は、しいて顔をあげて答えた。三人で話す……。三者面談のことだったのか。
「そう、そのことだよ」
「ああ、そうか」
小坂は、安堵した。
やっぱり担任だからにすぎなかった。
別に特別に信頼されているわけでもなんでもない。
三者面談には、母親ではなく父親がくると事務的な連絡をしただけだったのか。
小坂は失望した。失望したことに安堵した。
それに、村田の母と学校で会うのは気まずい。三人で話をするのも苦痛だ。会いたくない。だから、村田の母親でなく父親が来るというのは朗報だった。
小坂は、いったん安堵したものの、再び疑念が湧いた。
まさか、学校で、いかがわしいことをしてみせろ、などと要求されるのではなかろうか?
よく考えてみろ。村田悪照の父親だぞ?
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