36 / 53
第十一章
彼の手記
しおりを挟む
僕は、弓弦さんの手記を発見した。それはイタリア語講座のテキストの間にはさんであった。いつからあったのかは、わからない。
Aとは、埠頭で待ち合わせした。俺は仕事帰りのスーツのままで、Aは革づくめだった。そのまま物も言わず、夢中で倉庫の陰で、互いを貪りあった。
ある日、Aが仲間を連れて来て、倉庫の中にしのび入った。Aの仲間は二人いて、俺に顔を見られないためか、恐怖心を与えるためか、目出し帽を被っていて、同じように革づくめだった。
Aは、俺に壁の方を向いて手をつくように言った。俺が拒否すると、俺の腕をつかんで、自分が壁に背をもたせかけると、俺を向かい合わせにした。 Aの仲間は、俺の下半身を剥いて、突き出させた。二人がかりだったので、俺はひとたまりもなかった。Aは俺の腕をつかんだまま、正面から見ていた。Aの仲間の一人が、Aに
「いいだろう?」
と言った。何度かやりとりしたあとAが承諾すると、ジッパーを開ける音がした。
「こいつは、革の臭いに興奮するんだ」
Aは俺の、うなじをつかんで仲間に言った。
「ああ、そうらしいな」
奴らは笑った。革の手袋が俺の顔を撫で、その手で服をむしりとられた。俺は床に敷いた布の上に倒され、両側から、革づくめのやつらに身体中を撫で回された。Aはしばらくそれを上から眺めていたが、その内、俺にのしかかってきた。
「どうだ、興奮するだろう」
「こういう刺激を覚えたら、後戻りはできないな」
Aが俺の肩をつかみ革パンツの脚で、俺の股ぐらをぐいぐい押し上げた。
Aとは、埠頭で待ち合わせした。俺は仕事帰りのスーツのままで、Aは革づくめだった。そのまま物も言わず、夢中で倉庫の陰で、互いを貪りあった。
ある日、Aが仲間を連れて来て、倉庫の中にしのび入った。Aの仲間は二人いて、俺に顔を見られないためか、恐怖心を与えるためか、目出し帽を被っていて、同じように革づくめだった。
Aは、俺に壁の方を向いて手をつくように言った。俺が拒否すると、俺の腕をつかんで、自分が壁に背をもたせかけると、俺を向かい合わせにした。 Aの仲間は、俺の下半身を剥いて、突き出させた。二人がかりだったので、俺はひとたまりもなかった。Aは俺の腕をつかんだまま、正面から見ていた。Aの仲間の一人が、Aに
「いいだろう?」
と言った。何度かやりとりしたあとAが承諾すると、ジッパーを開ける音がした。
「こいつは、革の臭いに興奮するんだ」
Aは俺の、うなじをつかんで仲間に言った。
「ああ、そうらしいな」
奴らは笑った。革の手袋が俺の顔を撫で、その手で服をむしりとられた。俺は床に敷いた布の上に倒され、両側から、革づくめのやつらに身体中を撫で回された。Aはしばらくそれを上から眺めていたが、その内、俺にのしかかってきた。
「どうだ、興奮するだろう」
「こういう刺激を覚えたら、後戻りはできないな」
Aが俺の肩をつかみ革パンツの脚で、俺の股ぐらをぐいぐい押し上げた。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
切なくて、恋しくて〜zielstrebige Liebe〜
水無瀬 蒼
BL
カフェオーナーである松倉湊斗(まつくらみなと)は高校生の頃から1人の人をずっと思い続けている。その相手は横家大輝(よこやだいき)で、大輝は大学を中退してドイツへサッカー留学をしていた。その後湊斗は一度も会っていないし、連絡もない。それでも、引退を決めたら迎えに来るという言葉を信じてずっと待っている。
そんなある誕生日、お店の常連であるファッションデザイナーの吉澤優馬(よしざわゆうま)に告白されーー
-------------------------------
松倉湊斗(まつくらみなと) 27歳
カフェ・ルーシェのオーナー
横家大輝(よこやだいき) 27歳
サッカー選手
吉澤優馬(よしざわゆうま) 31歳
ファッションデザイナー
-------------------------------
2024.12.21~
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。
逃げられない罠のように捕まえたい
アキナヌカ
BL
僕は岩崎裕介(いわさき ゆうすけ)には親友がいる、ちょっと特殊な遊びもする親友で西村鈴(にしむら りん)という名前だ。僕はまた鈴が頬を赤く腫らせているので、いつものことだなと思って、そんな鈴から誘われて僕は二人だけで楽しい遊びをする。
★★★このお話はBLです 裕介×鈴です ノンケ攻め 襲い受け リバなし 不定期更新です★★★
小説家になろう、pixiv、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、fujossyにも掲載しています。

フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

離したくない、離して欲しくない
mahiro
BL
自宅と家の往復を繰り返していた所に飲み会の誘いが入った。
久しぶりに友達や学生の頃の先輩方とも会いたかったが、その日も仕事が夜中まで入っていたため断った。
そんなある日、社内で女性社員が芸能人が来ると話しているのを耳にした。
テレビなんて観ていないからどうせ名前を聞いたところで誰か分からないだろ、と思いあまり気にしなかった。
翌日の夜、外での仕事を終えて社内に戻って来るといつものように誰もいなかった。
そんな所に『すみません』と言う声が聞こえた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる