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第2章 魔人どもの野望
回想の狂戦地ルドストン㊳
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龍坊主・縻幽巴は宿命論者であった。
例えば、つい先程、己が手に掛けた主督空将チェザックの最期もまさにそれを証明しているではないか?
そもそも、彼自身に空軍基地にて宿営する際には、
“必ず戦闘機の操縦席で眠る”
という奇癖がなければ暗殺はああまで容易くはなく、ひょっとすると逃げ延びたかもしれぬ(もちろんボクの追跡から逃れられるはずもないけど)。
『…あれは事前に調べてたけど、あまりに変テコな怪情報だったからずっと半信半疑(しかもこの非常時だし)で、〈教命〉を受けてからとりあえずお巫山戯半分で発着場に直行してみたんだけど、何とこれが大当り!
…あまりに意外だったから真相を問い糾してみると、
“パイロットだった青年時代、スリルを求めて神聖な機内で恋人はじめ数百人もの相手と肉欲に耽った危険な快楽の追憶に浸るために始めたのだが、もはや習慣化してしまって今さら止められない“
とかホザきやがったのには唖然とさせられたけど、まあ俯瞰して見れば、それが人の寿命ってヤツなのかもネ…。
ついでとばかりに助命をエサにライネットとのコンタクトを求めてみたら、あっさりと奴のアジトにアクセスしてくれて愉快な会話を交わせたし…。
これで巍幽巴の不幸な一生にもおそらく終止符を打ってやれたし、ライネット自身の運命にも何らかの影響を及ぼせたんじゃないかな…?』
だが先刻彼を震撼させた、この世で唯一、万物を絡め取る“宿命の網”の外側に存在すると確信していた“あのお方”ですらも、ひょっとすると例外ではないのかもしれぬとの衝撃的な認識は、鏡の教聖の“無二の忠臣”を自負する彼ら幽巴兄弟にとって、断固として錯覚として退けねばならぬものであった。
何故ならそれは、彼ら自身の矜りに対する侮辱でもあったからだ…!
「さてと…教聖も依巫との対面を終えられて、部屋に戻った陀兄は楽しみにしてた“大天才との対話”の真っ最中かな?
何でも、
“偉大なる教聖を除けば、教軍内で奴と互角に論争出来るのはオレだけだ”
なーんて息巻いてたけど、コチコチの石頭さんが吹っ掛ける無味乾燥な〈哲学問答〉なんかより、こと人間心理に関する限りその襞々の裏側にまで通暁するこの縻幽巴クンが語りかける〈人情的戦闘論〉の方が“正義派”のロゼムスを自陣に引き込むにはより実りある成果を挙げられると思うなあ…。
ん?…ありゃ、何だ?」
あたかも不吉な氷山の如くアルサーラ海に聳立する魔王蛸を遥かに望む眺洋塔のバルコニーから踵を返そうとしたまさにその瞬間、縻幽巴は水上移動都市の岸壁近くの沿岸に異様な赤銅色の生命体が浮上したのを認めた。
「…ガヌーラのせいで転覆した船の乗員かな?
いや、それにしちゃあ異様にデカいし、いくら鍛えようが、それに多少の生体強化措置を施そうが、ああまで筋肉を肥大化させられるもんじゃない…。
げっ、それに何てこった!?
アイツ…首が無いぞ!?
それなのに動いてる…!
一体、何モンなんだ、あの化け物は!?
…はっ、もしや、あの忌まわしいクソ虫が創った殺し屋が生き返ったのか…?」
視力の精度を限界まで上げて仔細に観察してみると、怪物は全身に無数の傷を負っているらしく、ベウルセンに泳ぎ着こうとしているものの抜き手を切る動作も緩慢で、ともすれば巨体の重みで水中に沈み込んでは浮上するという動作を繰り返しているが、よほど確固とした目的があるのか、着実に目的地へと接近して来る。
「まさに執念の力泳だね…。
しっかし驚いた…貌らしきモノが胸板から浮き上がってるじゃないの…!
とにかくコレがクソ虫の呪念力によってもたらされた現象だとしたら、悔しいけど幽巴兄弟は少し海龍党頭目の力を見くびってたのかもナ…。
…でもあの首無し野郎、ベウルセンに一体何の用があるっていうんだろうな…?
まあ面白そうだから、ここは本人を直撃して確かめてやるか!」
一旦、室内に戻った縻幽巴は、そこから凄まじい速度の助走をつけてバルコニーに駆け戻ると、大人の胸元辺りほどの落下防止壁を跳躍台にして一気に空中に身を躍らせた。
それにより、白みがかった琥珀色の大気に華麗な大放物線を描きつつ、あたかも燃え盛る小隕石の如く海中に落下した臙脂色の龍坊主は、久々に“母なる主戦場”に舞い戻った興奮冷めやらず、勢いよく浮上した後、呆然とした表情の魔人に向かって愛想良く手を振ると、そのまま再び黄白色の水面に潜り込んだ。
そして0.2アトス(36秒)後には、およそ1000レクト(750m)は軽く距たっていた殲闘者の眼前にぽっかりと浮上していたのである。
かくて現在の両者の距離は、当初の1000分の1ほどに縮まっていた。
「ヨッ!」
右手を軽く上げて挨拶した凱鱗領執教士長は、改めて驚異の念に打たれつつ、謎の生命体に痛まし気な視線を投げかけた。
至近距離で観察すると、怪物の全身に刻まれた夥しい生傷からは最も致命的な頸部をはじめとして青紫色の血液が流出し続けており、心なしか不気味極まる肉面の眼光もやや弱まっているかの様に見受けられる…。
「この状況じゃ当然、こっちから名乗るのが礼儀だね…。
ボクは縻幽巴っていう、まあいうなれば“神牙教軍の明日を担う若手のホープ”っていうか…、
まあ、そのエース格といったところかな。
…ところでキミは一体誰…っていうか、
失礼ながら何者なのさ?」
その返答は、とても満身創痍の肉体とは思えぬ目にも止まらぬ右手の一閃と、黎明を切り裂く銀の閃光であった。
「おっとと、危ねえな!」
僅か1レクト間の空気を灼いて疾った必殺の棒状ナイフをあっさりと右手の人差し指と親指で摘み止めた縻幽巴は、しげしげと刃を眺めて感心した。
「いやー、いい鋼使ってるねえ!
こりゃあ錬装磁甲のクズ鉄とはモノが違う。
教軍もゼヒ導入したいから、取引先を紹介してよ!」
正真正銘の本音であったが、この台詞が疲労困憊の怪物の逆鱗に触れてしまったらしく、両手に新たな凶刃を握りしめた魔少年ユグマはそれを大きく振りかぶって小癪な龍坊主に襲い掛かった!
例えば、つい先程、己が手に掛けた主督空将チェザックの最期もまさにそれを証明しているではないか?
そもそも、彼自身に空軍基地にて宿営する際には、
“必ず戦闘機の操縦席で眠る”
という奇癖がなければ暗殺はああまで容易くはなく、ひょっとすると逃げ延びたかもしれぬ(もちろんボクの追跡から逃れられるはずもないけど)。
『…あれは事前に調べてたけど、あまりに変テコな怪情報だったからずっと半信半疑(しかもこの非常時だし)で、〈教命〉を受けてからとりあえずお巫山戯半分で発着場に直行してみたんだけど、何とこれが大当り!
…あまりに意外だったから真相を問い糾してみると、
“パイロットだった青年時代、スリルを求めて神聖な機内で恋人はじめ数百人もの相手と肉欲に耽った危険な快楽の追憶に浸るために始めたのだが、もはや習慣化してしまって今さら止められない“
とかホザきやがったのには唖然とさせられたけど、まあ俯瞰して見れば、それが人の寿命ってヤツなのかもネ…。
ついでとばかりに助命をエサにライネットとのコンタクトを求めてみたら、あっさりと奴のアジトにアクセスしてくれて愉快な会話を交わせたし…。
これで巍幽巴の不幸な一生にもおそらく終止符を打ってやれたし、ライネット自身の運命にも何らかの影響を及ぼせたんじゃないかな…?』
だが先刻彼を震撼させた、この世で唯一、万物を絡め取る“宿命の網”の外側に存在すると確信していた“あのお方”ですらも、ひょっとすると例外ではないのかもしれぬとの衝撃的な認識は、鏡の教聖の“無二の忠臣”を自負する彼ら幽巴兄弟にとって、断固として錯覚として退けねばならぬものであった。
何故ならそれは、彼ら自身の矜りに対する侮辱でもあったからだ…!
「さてと…教聖も依巫との対面を終えられて、部屋に戻った陀兄は楽しみにしてた“大天才との対話”の真っ最中かな?
何でも、
“偉大なる教聖を除けば、教軍内で奴と互角に論争出来るのはオレだけだ”
なーんて息巻いてたけど、コチコチの石頭さんが吹っ掛ける無味乾燥な〈哲学問答〉なんかより、こと人間心理に関する限りその襞々の裏側にまで通暁するこの縻幽巴クンが語りかける〈人情的戦闘論〉の方が“正義派”のロゼムスを自陣に引き込むにはより実りある成果を挙げられると思うなあ…。
ん?…ありゃ、何だ?」
あたかも不吉な氷山の如くアルサーラ海に聳立する魔王蛸を遥かに望む眺洋塔のバルコニーから踵を返そうとしたまさにその瞬間、縻幽巴は水上移動都市の岸壁近くの沿岸に異様な赤銅色の生命体が浮上したのを認めた。
「…ガヌーラのせいで転覆した船の乗員かな?
いや、それにしちゃあ異様にデカいし、いくら鍛えようが、それに多少の生体強化措置を施そうが、ああまで筋肉を肥大化させられるもんじゃない…。
げっ、それに何てこった!?
アイツ…首が無いぞ!?
それなのに動いてる…!
一体、何モンなんだ、あの化け物は!?
…はっ、もしや、あの忌まわしいクソ虫が創った殺し屋が生き返ったのか…?」
視力の精度を限界まで上げて仔細に観察してみると、怪物は全身に無数の傷を負っているらしく、ベウルセンに泳ぎ着こうとしているものの抜き手を切る動作も緩慢で、ともすれば巨体の重みで水中に沈み込んでは浮上するという動作を繰り返しているが、よほど確固とした目的があるのか、着実に目的地へと接近して来る。
「まさに執念の力泳だね…。
しっかし驚いた…貌らしきモノが胸板から浮き上がってるじゃないの…!
とにかくコレがクソ虫の呪念力によってもたらされた現象だとしたら、悔しいけど幽巴兄弟は少し海龍党頭目の力を見くびってたのかもナ…。
…でもあの首無し野郎、ベウルセンに一体何の用があるっていうんだろうな…?
まあ面白そうだから、ここは本人を直撃して確かめてやるか!」
一旦、室内に戻った縻幽巴は、そこから凄まじい速度の助走をつけてバルコニーに駆け戻ると、大人の胸元辺りほどの落下防止壁を跳躍台にして一気に空中に身を躍らせた。
それにより、白みがかった琥珀色の大気に華麗な大放物線を描きつつ、あたかも燃え盛る小隕石の如く海中に落下した臙脂色の龍坊主は、久々に“母なる主戦場”に舞い戻った興奮冷めやらず、勢いよく浮上した後、呆然とした表情の魔人に向かって愛想良く手を振ると、そのまま再び黄白色の水面に潜り込んだ。
そして0.2アトス(36秒)後には、およそ1000レクト(750m)は軽く距たっていた殲闘者の眼前にぽっかりと浮上していたのである。
かくて現在の両者の距離は、当初の1000分の1ほどに縮まっていた。
「ヨッ!」
右手を軽く上げて挨拶した凱鱗領執教士長は、改めて驚異の念に打たれつつ、謎の生命体に痛まし気な視線を投げかけた。
至近距離で観察すると、怪物の全身に刻まれた夥しい生傷からは最も致命的な頸部をはじめとして青紫色の血液が流出し続けており、心なしか不気味極まる肉面の眼光もやや弱まっているかの様に見受けられる…。
「この状況じゃ当然、こっちから名乗るのが礼儀だね…。
ボクは縻幽巴っていう、まあいうなれば“神牙教軍の明日を担う若手のホープ”っていうか…、
まあ、そのエース格といったところかな。
…ところでキミは一体誰…っていうか、
失礼ながら何者なのさ?」
その返答は、とても満身創痍の肉体とは思えぬ目にも止まらぬ右手の一閃と、黎明を切り裂く銀の閃光であった。
「おっとと、危ねえな!」
僅か1レクト間の空気を灼いて疾った必殺の棒状ナイフをあっさりと右手の人差し指と親指で摘み止めた縻幽巴は、しげしげと刃を眺めて感心した。
「いやー、いい鋼使ってるねえ!
こりゃあ錬装磁甲のクズ鉄とはモノが違う。
教軍もゼヒ導入したいから、取引先を紹介してよ!」
正真正銘の本音であったが、この台詞が疲労困憊の怪物の逆鱗に触れてしまったらしく、両手に新たな凶刃を握りしめた魔少年ユグマはそれを大きく振りかぶって小癪な龍坊主に襲い掛かった!
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