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第2章 魔人どもの野望
回想の狂戦地ルドストン㉖
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殲闘者ユグマの呪われし巨体から這いずるようにして脱出したライネットは、目眩と吐き気の波状攻撃に苛まれながらも辛うじて上体を起こすと、しばらくその体勢で呼吸を整えた後、これ以上の戦闘続行が困難である事に気付かされた。
怪物の凄まじいまでのグラウンドパンチの猛撃に晒された精密極まる機眼がかなり損傷し、黒い薄膜に覆われたかの様に著しく解像度を低下させていたのだ…。
かくなる上は一刻も早く武器庫に戻り、新たな鉄仮面を装着せねばならぬ。
だが、幸いにも超高度集音機能は健在であり、ライネットは先程から微かなる喘鳴を聴き続けていた…。
何たる暗黒の奇蹟であろうか?
最初からフェイントとして発射された3発を除く、実に27発もの超殲敵弾を喉笛に被弾したというのに、最極呪念士の底知れぬ怨念パワーによって顕在化した魔性の生命力の為せる業により、ユグマは生の世界に留まっていたのだ。
…だが呼吸に不可欠な気道がズタズタに破壊されている上にその無残な銃創からは止めどなく多量の血液が流出中と、文字通り生と死の境界線に立たされた彼を救うには、一刻の猶予もならぬ。
されど、凱鱗領最強戦士はその場合を見越して手は打っていた、はずなのだが…。
実は専用の装甲武具を自動装着すべく漆黒の鋼球に籠もった際に、第3層に構えられた中央医療所の自走救命タンクを呼び出し、第1層に登る非常階段口に待機させておいたのだ。
医療関係に限っては専用の大型昇降機が存在するため、入口までは難なく到着するし、そこからも実装された可変式無限軌道で降下すれば問題なく現場に到着する。
複数人の搬送を想定されたタンクの限界積載量は5000フォセア(1トン)にも及び、殲闘者の巨体にも十分対応可能である。
かくて短銃の弾倉が空になると同時に“至急到来”の指令を送ったにも関わらず、未だ影もないとはどういう事か?
その答えは、前方に出現したユグマを凌駕する巨体の魔物によって明らかとなった。
異様にも、匍匐前進で迫り来る茄子紺色の龍坊主…!
幽巴四兄弟の三男坊・巍幽巴であった。
かような接近法は無論、名狙撃手による髄魄(急所)破壊を警戒しての事であろうが、現在の彼にそれを可能にする術は無い…。
そもそもが髄魄狙撃に必須となる愛用の戮弾電銃は手許に無く、照準器代わりとなる機眼は故障している有様…。
尤も戮弾電銃自体は暗殺者使用の一挺が目と鼻の先に転がっているが、もとより〈本人情報〉の登録・確認抜きに操作出来る代物ではないため、武器としては棍棒以上の用途は望めぬ…。
かくて、恨み骨髄に徹する“龍坊主の天敵”が現在丸腰に等しく、更に機体及び肉体に深いダメージを負っている事実を確信したか、のっそりと起き上がった巍幽巴は、彼なりの全速ダッシュでライネットに突進すると、顎部分を思いきり蹴り上げた。
大きく吹き飛ばされた漆黒の戦鬼は背中から重い激突音をたてて床に叩き付けられるが、歓喜の雄叫びと共に駆け寄った教軍超兵は強引に首根っ子を掴んで引きずり起こしてから股ぐらに黒い鉄兜を挟み、殲闘者を遥かに凌駕する太さの豪腕を敵の背中から腹部に回し、しっかりとグリップした。
「うおありゃああああッ!!」
気合もろとも現在650フォセア(130kg)の武闘派執務長をプロレス技のパワーボムの要領で軽々と頭上高く担ぎ上げた巨漢龍坊主は、恐るべき事にそこから更に4レクトほど助走を加え、優に2レクトは跳躍してから凄まじい勢いで回廊に叩き付けた!
後頭部から墜落し、化粧石を派手に砕き散らした後に放り出されたライネットはピクリとも動かぬが、完全に失神したと判断した巍幽巴はひとまず攻撃の手を止めた。
「しばらくそこで人生最後の眠りを貪るがいい…。
とりあえずこの“クソ虫のペット”に止めを刺してから、貴様に撃ち殺された龍坊主達の鎮魂のため、五体を捩じ切ってやるからな…!」
悠然と振り返った茄子紺色の巨漢龍坊主は、血溜まりの中で気息奄々たる殲闘者の傍らにしゃがみ込むと、武闘派執務長起死回生の猛射によって生じた致命的な銃痕にアーモンド型の凶眼の焦点を合わせる。
「ふん、何が殲闘躰だ…、
結局の所がいかに至近距離で連射を浴びたとはいえ、たかが一挺の殲敵鋼銃如きに致命傷を負わされる有様では、所詮はひ弱な教民兵士かせいぜい狂魔酒鬼程度が分相応な相手という事だて…。
…だが、それはそれとして…」
人間でいえば耳許の部分まで大きく開口(裂けたといったほうが的確か)し、鮫類に酷似した猛悪な鉄色の牙を露出した巍幽巴は、ゆっくりと巨大な醜貌をユグマの喉元に近付けてゆく…。
…誇り高き教軍超兵として、何よりも海龍党頭目への増悪から魔少年への罵言を吐いた巍幽巴であったが、彼の喉元の無残なる傷口の魅力は抗し難いものがあるのであった。
『我が鋼牙の一閃にて、呪われし頭と胴を永遠に訣別させてくれようぞ!』
…だが、次なる瞬間、
呪いの怪奇現象が出来した!
もはや虚ろな空洞に成り果てていた殲闘者の双眸に突如としてあの凶々しいまでの白熱光が再び灯り、そこから発射された白い稲妻が碧色に底光りする幽巴一族三男坊の巨眼を灼いたのだ!!
「ぎいっげえええええっ?!」
この不意打ちは、自ら勝ち得た訳ですらない圧倒的優勢にのぼせ上がっていた巍幽巴にとって、文字通り青天の霹靂であった。
グローブの如き両掌を薄煙すら立ち昇らせる焼け爛れた双眼に宛てがい、両膝を折った小山の如き俯せ状態で苦悶する、全身青光りする鱗に覆われし怪物…。
さながら、“魔界の喜劇の一齣”としか形容しようのない異様極まる光景であった、が…。
ここで遂に魔少年ユグマは力尽きた。
「こ、この糞餓鬼がっ、
よ、よくもこの巍幽巴様の眼をっ!!」
他の兄弟達には劣るものの、龍坊主生来の優れた空間把握力によって至近距離に存在する標的の位置程度は容易く特定出来る…。
かくて怒りと痛みによって“制御装置が故障した重戦車”と化した巍幽巴は、巨熊を彷彿とさせる後肢による地獄的な踏み潰し攻撃で死せる殲闘者の顔面を完全破壊せんとする!
…たっぷり1アトス(約3分間)それを継続した結果、後に残されたのは創造主のワーズフですら正体を判別しかねるであろう無残極まる血まみれの肉塊であった…。
「…思い知ったか、この畸形怪物めが!
…うう…まだ視えん…、
…ひょっとすると、回復には一昼夜を要するか…?
ぐぐ…それはまずい…、
明朝の《亘光刻》に決行される〘受躰の儀〙という“歴史的瞬間”を目撃し損ねるような事にでもなれば、憎っくき縻幽巴から如何なる暴言を浴びる破目になるか分かったものではないぞ…」
この兄の沽券に関わる深刻な不安をもたらした直接の元凶は既に亡んだ。
だが、三兄弟の前に彼奴の首を持参すれば一気に話は変わるはず…!
しかもお誂え向きに、死闘に疲れ果てた奴はその辺でだらしなくノビているではないか…。
が…?
いない!逃げやがった!?
まさに龍坊主特有の〈生体センサー〉は先程まで執務長が倒れ込んでいた場所に何の反応も覚知出来ず、当然の行為として四つん這いになって周囲を隈なくまさぐってみたもののその手に触れるのは大小様々な化粧石の欠片のみであったのだ。
「…だがライネットよ、
決して逃げ切れるものではないぞ!
お前の、そしてバジャドクの隠れ家がこの扉の內部だという事はとっくに分かっておるのだ!!」
教軍超兵の巨拳が凄まじい唸りをあげて黒き戦士が密かに這い込んだらしい鉄扉に炸裂し、無論破れはしなかったもののただの一撃でそれは大きく揺らいだ。
「破れるッ!
これはぜーったいに破れるぞおおッ!!」
巨大なる龍坊主の左右の連打は一撃一撃がまさしく砲弾の直撃であり、巍幽巴の漲る自信通りに突破されるのも時間の問題と思われたのだが…、
拳撃が丁度10発目を数えた時、通路の奥…即ち殲闘者と教軍超兵が踏み込んで来た運命の入口から、“第三の闖入者”が、明らかに人外の雄叫びを発しつつ突進して来たではないか!?
…だが、卓抜な集中力の賜物か、
或いは末弟が常に指摘する通り、類稀なる愚鈍さの現れか?
はたまた、それは単に彼が現在不幸にも視覚を喪失している事に加え、聴覚にはそもそも前者ほどの信頼を置いておらぬからでもあったろうか?
とにかくも扉破壊に夢中の巍幽巴は、自身に匹敵する巨大な朱色の怪物が右側から激突して来るまでその存在に気付かず、あえなく横倒しになりながらもしばらくは転倒した状態のまま固まっていた。
一体何が起きたのか、心底理解しかねていたのである。
「だ、誰だ!?
どこのどいつだ、邪魔しやがったのは?!」
ある意味悲壮なこの叫びに
もたらされた返答は、
「ルガルルルルッルルルルゥッ!!」
…全身を朱色の武具で鎧った魁夷なる巨猿…護衛絆獣・バデラの凶暴なる獣声であったのである!
怪物の凄まじいまでのグラウンドパンチの猛撃に晒された精密極まる機眼がかなり損傷し、黒い薄膜に覆われたかの様に著しく解像度を低下させていたのだ…。
かくなる上は一刻も早く武器庫に戻り、新たな鉄仮面を装着せねばならぬ。
だが、幸いにも超高度集音機能は健在であり、ライネットは先程から微かなる喘鳴を聴き続けていた…。
何たる暗黒の奇蹟であろうか?
最初からフェイントとして発射された3発を除く、実に27発もの超殲敵弾を喉笛に被弾したというのに、最極呪念士の底知れぬ怨念パワーによって顕在化した魔性の生命力の為せる業により、ユグマは生の世界に留まっていたのだ。
…だが呼吸に不可欠な気道がズタズタに破壊されている上にその無残な銃創からは止めどなく多量の血液が流出中と、文字通り生と死の境界線に立たされた彼を救うには、一刻の猶予もならぬ。
されど、凱鱗領最強戦士はその場合を見越して手は打っていた、はずなのだが…。
実は専用の装甲武具を自動装着すべく漆黒の鋼球に籠もった際に、第3層に構えられた中央医療所の自走救命タンクを呼び出し、第1層に登る非常階段口に待機させておいたのだ。
医療関係に限っては専用の大型昇降機が存在するため、入口までは難なく到着するし、そこからも実装された可変式無限軌道で降下すれば問題なく現場に到着する。
複数人の搬送を想定されたタンクの限界積載量は5000フォセア(1トン)にも及び、殲闘者の巨体にも十分対応可能である。
かくて短銃の弾倉が空になると同時に“至急到来”の指令を送ったにも関わらず、未だ影もないとはどういう事か?
その答えは、前方に出現したユグマを凌駕する巨体の魔物によって明らかとなった。
異様にも、匍匐前進で迫り来る茄子紺色の龍坊主…!
幽巴四兄弟の三男坊・巍幽巴であった。
かような接近法は無論、名狙撃手による髄魄(急所)破壊を警戒しての事であろうが、現在の彼にそれを可能にする術は無い…。
そもそもが髄魄狙撃に必須となる愛用の戮弾電銃は手許に無く、照準器代わりとなる機眼は故障している有様…。
尤も戮弾電銃自体は暗殺者使用の一挺が目と鼻の先に転がっているが、もとより〈本人情報〉の登録・確認抜きに操作出来る代物ではないため、武器としては棍棒以上の用途は望めぬ…。
かくて、恨み骨髄に徹する“龍坊主の天敵”が現在丸腰に等しく、更に機体及び肉体に深いダメージを負っている事実を確信したか、のっそりと起き上がった巍幽巴は、彼なりの全速ダッシュでライネットに突進すると、顎部分を思いきり蹴り上げた。
大きく吹き飛ばされた漆黒の戦鬼は背中から重い激突音をたてて床に叩き付けられるが、歓喜の雄叫びと共に駆け寄った教軍超兵は強引に首根っ子を掴んで引きずり起こしてから股ぐらに黒い鉄兜を挟み、殲闘者を遥かに凌駕する太さの豪腕を敵の背中から腹部に回し、しっかりとグリップした。
「うおありゃああああッ!!」
気合もろとも現在650フォセア(130kg)の武闘派執務長をプロレス技のパワーボムの要領で軽々と頭上高く担ぎ上げた巨漢龍坊主は、恐るべき事にそこから更に4レクトほど助走を加え、優に2レクトは跳躍してから凄まじい勢いで回廊に叩き付けた!
後頭部から墜落し、化粧石を派手に砕き散らした後に放り出されたライネットはピクリとも動かぬが、完全に失神したと判断した巍幽巴はひとまず攻撃の手を止めた。
「しばらくそこで人生最後の眠りを貪るがいい…。
とりあえずこの“クソ虫のペット”に止めを刺してから、貴様に撃ち殺された龍坊主達の鎮魂のため、五体を捩じ切ってやるからな…!」
悠然と振り返った茄子紺色の巨漢龍坊主は、血溜まりの中で気息奄々たる殲闘者の傍らにしゃがみ込むと、武闘派執務長起死回生の猛射によって生じた致命的な銃痕にアーモンド型の凶眼の焦点を合わせる。
「ふん、何が殲闘躰だ…、
結局の所がいかに至近距離で連射を浴びたとはいえ、たかが一挺の殲敵鋼銃如きに致命傷を負わされる有様では、所詮はひ弱な教民兵士かせいぜい狂魔酒鬼程度が分相応な相手という事だて…。
…だが、それはそれとして…」
人間でいえば耳許の部分まで大きく開口(裂けたといったほうが的確か)し、鮫類に酷似した猛悪な鉄色の牙を露出した巍幽巴は、ゆっくりと巨大な醜貌をユグマの喉元に近付けてゆく…。
…誇り高き教軍超兵として、何よりも海龍党頭目への増悪から魔少年への罵言を吐いた巍幽巴であったが、彼の喉元の無残なる傷口の魅力は抗し難いものがあるのであった。
『我が鋼牙の一閃にて、呪われし頭と胴を永遠に訣別させてくれようぞ!』
…だが、次なる瞬間、
呪いの怪奇現象が出来した!
もはや虚ろな空洞に成り果てていた殲闘者の双眸に突如としてあの凶々しいまでの白熱光が再び灯り、そこから発射された白い稲妻が碧色に底光りする幽巴一族三男坊の巨眼を灼いたのだ!!
「ぎいっげえええええっ?!」
この不意打ちは、自ら勝ち得た訳ですらない圧倒的優勢にのぼせ上がっていた巍幽巴にとって、文字通り青天の霹靂であった。
グローブの如き両掌を薄煙すら立ち昇らせる焼け爛れた双眼に宛てがい、両膝を折った小山の如き俯せ状態で苦悶する、全身青光りする鱗に覆われし怪物…。
さながら、“魔界の喜劇の一齣”としか形容しようのない異様極まる光景であった、が…。
ここで遂に魔少年ユグマは力尽きた。
「こ、この糞餓鬼がっ、
よ、よくもこの巍幽巴様の眼をっ!!」
他の兄弟達には劣るものの、龍坊主生来の優れた空間把握力によって至近距離に存在する標的の位置程度は容易く特定出来る…。
かくて怒りと痛みによって“制御装置が故障した重戦車”と化した巍幽巴は、巨熊を彷彿とさせる後肢による地獄的な踏み潰し攻撃で死せる殲闘者の顔面を完全破壊せんとする!
…たっぷり1アトス(約3分間)それを継続した結果、後に残されたのは創造主のワーズフですら正体を判別しかねるであろう無残極まる血まみれの肉塊であった…。
「…思い知ったか、この畸形怪物めが!
…うう…まだ視えん…、
…ひょっとすると、回復には一昼夜を要するか…?
ぐぐ…それはまずい…、
明朝の《亘光刻》に決行される〘受躰の儀〙という“歴史的瞬間”を目撃し損ねるような事にでもなれば、憎っくき縻幽巴から如何なる暴言を浴びる破目になるか分かったものではないぞ…」
この兄の沽券に関わる深刻な不安をもたらした直接の元凶は既に亡んだ。
だが、三兄弟の前に彼奴の首を持参すれば一気に話は変わるはず…!
しかもお誂え向きに、死闘に疲れ果てた奴はその辺でだらしなくノビているではないか…。
が…?
いない!逃げやがった!?
まさに龍坊主特有の〈生体センサー〉は先程まで執務長が倒れ込んでいた場所に何の反応も覚知出来ず、当然の行為として四つん這いになって周囲を隈なくまさぐってみたもののその手に触れるのは大小様々な化粧石の欠片のみであったのだ。
「…だがライネットよ、
決して逃げ切れるものではないぞ!
お前の、そしてバジャドクの隠れ家がこの扉の內部だという事はとっくに分かっておるのだ!!」
教軍超兵の巨拳が凄まじい唸りをあげて黒き戦士が密かに這い込んだらしい鉄扉に炸裂し、無論破れはしなかったもののただの一撃でそれは大きく揺らいだ。
「破れるッ!
これはぜーったいに破れるぞおおッ!!」
巨大なる龍坊主の左右の連打は一撃一撃がまさしく砲弾の直撃であり、巍幽巴の漲る自信通りに突破されるのも時間の問題と思われたのだが…、
拳撃が丁度10発目を数えた時、通路の奥…即ち殲闘者と教軍超兵が踏み込んで来た運命の入口から、“第三の闖入者”が、明らかに人外の雄叫びを発しつつ突進して来たではないか!?
…だが、卓抜な集中力の賜物か、
或いは末弟が常に指摘する通り、類稀なる愚鈍さの現れか?
はたまた、それは単に彼が現在不幸にも視覚を喪失している事に加え、聴覚にはそもそも前者ほどの信頼を置いておらぬからでもあったろうか?
とにかくも扉破壊に夢中の巍幽巴は、自身に匹敵する巨大な朱色の怪物が右側から激突して来るまでその存在に気付かず、あえなく横倒しになりながらもしばらくは転倒した状態のまま固まっていた。
一体何が起きたのか、心底理解しかねていたのである。
「だ、誰だ!?
どこのどいつだ、邪魔しやがったのは?!」
ある意味悲壮なこの叫びに
もたらされた返答は、
「ルガルルルルッルルルルゥッ!!」
…全身を朱色の武具で鎧った魁夷なる巨猿…護衛絆獣・バデラの凶暴なる獣声であったのである!
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