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第1章 異空の超戦者たち
操獣少女の生活環境①
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「一体どこまで人を虚仮
にすりゃ気が済むんだろうね…!」
敵将が選択した幻影の悪趣味さに更なる怒りを募らせた竹澤夏月は殺意の音響化ともいうべきドスを効かせた“ギャング・ボイス”で唸るが、生前と同じく“イメージカラー”の緋色で統一された、トレードマークのシルクジャケットとパンツ、レザーシューズに身を固めた絆獣聖団史上最高のカリスマ”とされる二代目団長は微笑みの強度を上げて応戦の構え。
──疲労困憊の聖団員たちの荒い息遣いもようやく鎮静化し、静寂を取り戻した[監査室]内では“前団長の亡霊”VS“現役最高幹部”の異様なる視殺戦が続く。
沈黙を破ったのは意外にも、鏡の教聖であった。
「──あいかわらず、カヅキはエネルギーに溢れているわね…“ママ”は何よりそれが嬉しいわ…」
臆面のなさも極まれり、ともいうべき“ラージャーラ最凶存在”の妄言に、竹澤夏月は顔色一つ変えず奥歯をギリリと噛みしめるが、次の刹那には憐れみの表情すら浮かべて応答した。
「…ねえ、アンタ、暗い処に籠もってそんな一人芝居演ってて虚しくない?……ハッキリ言って、この十秒間で鏡の教聖さんとその軍団に対するあたしの印象は完全に裏返ったわ……アンタ、天響神の玉座を窺う堕天使なんかじゃなくて、ただの寂しいヒトだったんだね……寂しくて寂しくて、昏くてうそ寒い世界の隅っこで独りで震えているのが耐えられないから、みんなに構ってほしくてこの戦争を始めたんだ…」
──完全なる静寂に包まれた[監査室]。 だが、漣一つない湖面に落とされた小石のごとく、波紋を広げる現象はすぐに発生した。
一人の女性の歔欷……それは誰あろう、長らく聖団員の精神的支柱であった人物の白い喉から発せられていた……。
だが、ここまで聴く者の心魂を揺さぶり尽くす啜り泣きというものが在るものだろうか?……それはもはや、一編の言葉なき詩であり譜面なき音楽であった。
「ちっ…」
ある不快な予感に襲われた伝説の殺戮姫の舌打ちを合図にしたかのように、危惧した通りの反応が客席からもたらされた。
貰い泣き──偶然の一致が或いは空耳か、発生源は室の中央、鋼鞭鬼女への“初フォロー”と同一人物のようだ……あまりのハプニングの連続に脳が混乱して名前が出て来ない竹澤夏月だが、ある疑惑が胸中に渦巻くのをどうすることも出来ない…アイツ、神牙教軍の工作員じゃないのか?
醜態再び──もはや傍目には喜劇の舞台でしかない[監査室]内は敵の操り人形と成り果てた操獣師たちの涕泣によって悲嘆の泉と化した。
「愚か者どもが…泣きたいのはこっちだっての…!」
急激な脱力感に見舞われ、へなへなと長椅子に腰を落とした総指揮者はもはやお手上げとばかりに紫のグラスを外しつつ天を仰ぐ……。
「ひどい…総指揮者は冷たすぎます!」
突然の糾弾は、やはりというべきか客席中央から炸裂した。
「ほんとに…誰あろう、聖団の大恩人である二代目様が草葉の陰から我々に救いの手を求めていらっしゃるというのに…何て言い草⁉」
「いいえ、全然意外なことじゃないわ、何しろパワハラの権化、暴力衝動が悪趣味な服を着て歩いてるようなお人なんですもの、元団長だろうが何だろうが、他人のために注ぐ涙なんてただの一滴も持ち合わせてるはずがないてしょう!」
「そうよ!心の方も見た目通りの鬼なんだわ!!」
「あたし、ずっと思ってたことがあるの、ホントの悪魔は鏡の教聖じゃなくて竹澤夏月だって!」
「仇名からして異常じゃない?“伝説の殺戮姫”って…自分から悪者だと名乗ってるようなものじゃないの⁉どう考えても普通じゃないわ!!そもそも、あの化け物面の一体どこが“姫”なのよ⁉」
──絆獣聖団におけるこれまでの活動において敬意を求めたことなど一度もないにもかかわらず、その突出した才能と闘争心によって心底から慕われはしないまでも、常に畏怖と称賛の対象となってきた夏月にとって、面罵はおろか声を潜めた悪意の呟きさえも今日この瞬間に至るまで耳にしたことはなかったが、もはやこの極太の悪意のベクトルが誰を標的にしたものか全く無関心であるかのように、身じろぎもせず蒼白く仄めく天井を凝視し続ける。
「見てよ、あの態度!盗っ人猛々しいというか、開き直ってるというか、憎たらしいったらありゃしない」
「ふふふ、そんなんじゃないわよ、涙を堪えてんのよ、下を向いたらボーロボロとこぼれちゃうもんね…けっけっけ、あー、ミジメミジメ!憎たらしいんじゃなくって、情けなくてみっともないのよ!」
「ほほほ、いい気味だわ!でもねえ、あんたみたいなキモいブサイクババアが泣き喚いたところで誰も同情なんてしてくれないよ、催すのは更なる怒りと吐き気だけなんだわさ!」
澎湃と沸き立つ爆笑という名の嘲笑……果たして聖団史上において、身内に対してここまでの反乱と呼ぶも愚かな“精神的虐待”が実行されたことがあったであろうか?
「ねえ、あの白人へのコンプレ剥き出しの汚らしい金髪引っ掴んでブザマな泣き顔見てやろうよ!」
遂に立ち上がった“真ん中の女”……哀れな標的と同じアジア系とおぼしき黒髪のおかっば頭の、目尻のつり上がった一重瞼の細い双眸は陰険な凶意に満ち、その右手は狐色のジャンプスーツに巻かれた革ベルトに吊るされた、操獣師が護身用に支給されている【弑獣爪】なる瀟洒な鞘付きの刃渡り20センチの片刃の短刀の柄を握りしめている。
彼女に同調する聖団員は現在の所いないが、“墜ちた偶像”へと向ける視線の殆どは剣呑な光を湛えており、物の弾みですぐにでも追従の構えを見せている…。
「拳師、このままでいいんですか…?」
“岩眼魔の呪縛”による、酷烈なまでの肉欲が消え去ったわけではないものの、操獣師軍団のような暴力的な反逆衝動の自覚は皆無である坂巻雪英は、同志たちのあまりの豹変ぶりに恐怖すら覚えつつ玉朧拳師の顔色を窺う。
「さて、な…何しろ交戦以来、前代未聞の異次元的攻撃を被った訳だからな、対策を問われてもお前同様、全くお手上げと答えるしかないわ…」
「そんな…」
拠り所である師の表情と声音が日頃の沈着さを保っているのが救いとはいうものの、この窮地を穏便に逃れる術が果たしてあるのか、場合によっては比較的(?)素面らしい錬装者勢による“実力行使”も必要なのではあるまいかと懸念を深める雪英に、玉朧の冷徹な、そして恐るべき一言が覆い被さる。
「その考えは甘いぞ、幸いにも雪英は例外のようだが、弱き錬装者どもは弱き操獣師たちと同じ魔境に陥っておるわ…!」
「──⁉」
反射的に左隣の盟友に目をやった瞬間、雪英は戦慄に凍り付いた…が、それは彼の人間性と行状を鑑みれば、決して意外ではない反応であったはずではないか?
醜悪な集団的嗜虐症状を呈している“ドゥルガーたちとその予備軍”と、攻撃対象である総指揮者を愉快そうに見つめる雷堂 玄は、ちらちらと前者と同じ視線を恩師へと送っているではないか!
──だがその口元に浮かぶ、邪念に満ちた酷薄極まる冷笑の不気味さは操獣師たちのそれとは一線を画したものであり、或いは悪童錬装者はこれを奇貨として、以前より目論んでいたのやもしれぬ[星拳鬼會]の下剋上を一気に果たそうとしているのであろうか……?
「みんな、静かにして──!」
一瞬にして悪念渦巻く室内に清澄な沈黙をもたらしたのは一旦背景に退いていた聖団長であった。
大多数の聖団員たちを味方に付けたことで滂沱の涙も立ち所に乾いたか、一同の視線を満身に浴びつつ、登場時と等しい穏やかな笑顔となった美しき聖母は、聴衆を包み込むかのように両腕を広げ、語りかける。
「しばらく“此の世”を離れていたせいか、私は当たり前の事実を忘れていたわ──このラージャーラにも私たちの地上世界にも、人として生を受けながら、“愛”というものを金輪際理解出来ない禽獣にも劣る哀れな存在がいるということを…!
現在からは、私は“可愛い聖団員たち”だけに向けて話します──まり、私の声が聞こえないということは、この世に生きる価値のない救いなき劣等種ということ…大いに悲観すべき事態と言えるわね…」
この瞬間から、竹澤夏月と玉朧拳師、そして坂巻雪英ら極少数の聖団員たちにはカレン=鏡の教聖の言葉は一切聴取不能となった…。
「…うう…こ…ここは…?」
──未だ鈍痛に痺れる顎をさすりつつ覚醒したメドゥーサはふらつく頭をゆっくりと上向けた刹那、目の中に飛び込んできた映像に文字通り金縛りとなった。
「──ママ…⁉」
果たしてこれは吉夢か悪夢か…眼前に“降臨”せしは紛う方なき、世界で唯一人、もう一度相見えられるならば己が生命を引き換えにしてでも悔いはないとまでその死を呪い、夜毎枕を濡らした最愛の養母カレン…しかも最も美しかった時代の姿ではないか⁉
「一体どうして…もしかして、あたしも死んだということなの…?」
失神時の衝撃からか未だ状況を飲み込めず、ひたすら障壁を凝視するジェニファーだが、徐々に記憶の回復を覚える。
『…たしか、あそこにはジジェアが…つまり、あの石室は神牙教軍のアジトの一角…そこにどうしてママが?…はっ、よ、よもや…!』
この時、メドゥーサの脳裏を撃った“妄想”はあまりにも異様であり愚かでもあったが、それは永久に叶わぬ亡母との再会の契機を思わぬ僥倖によって得たと盲信した彼女にとって、あらゆる論理を超えた“絶対的真実”であった…。
『…恐らくママは生前の偉業によって“天響神の恩寵”を受け、若き姿のまま復活を果たしたのだ…ああ、それなのに…すぐに神牙教軍に嗅ぎつかれ、奴らの人質にされてしまったに違いない…何ということだ!そして鏡の教聖に強要されて何らかのメッセージを送ってきたのだ…!」
“監禁場所”は恐らく神牙教軍が総本陣を構える人跡未踏の極北の地に聳えるダロバスラ山…そこに佇立する8本の〈極天霊柱〉、その内部以外に考えられぬ…そうと分かればこうしてはいられぬ、どう考えても〘ミッション181〙などにかかずらっている場合ではない!たとえ単騎であろうも、すぐに相棒である絆獣【リジルガ】と共に出撃せねば!!
──朦朧とした意識状態から回復し切ったとは言えぬものの、持ち前の闘争エネルギーをこれ以上ありえない“燃料”によって燃え上がらせたジェニファーは勇躍立ち上がろうとした正にその瞬間、ある奇妙な、そしてこれ以上ない恐ろしい事実に直面させられた。
盛んに何かを訴えている(だが窮境にあるにしてはママの表情はあまりにも余裕に満ちてはいないか?)姿をまるで魅入られたかのように見つめる聴衆はしきりと頷き、感激のあまりが啜り泣いている者も少なくないようではないか?…だけど、自分には何も、何も聴こえないぞ⁉
それに…と彼女は更なる戦慄の事実に打ちのめされる。
『ママは…さっきから一度もあたしを見ない!!』
──一体これはどういうことなのだ⁉
“最愛の娘”であるとあれだけ断言してくれたはずの自分に一瞥もくれず、どうでもいい有象無象の“格下”どもにだけ闇夜に煌めく明星のごとき慈眼を向け、あの麗しい音楽にも比すべき美声を届けている…おお公正にして慈悲深きエグメドよ、果たしてそのような天をも畏れぬ無体が赦されてよいものでしょうか⁉
如何にすれば、この生涯最大の異常事態を正常に戻せる?ママにあたしを見つけてもらえる⁉
だが、“求めよ、さらば与えられん”…この“異教の神の箴言”は、ここ異界においても有効であったようである。
「──そうだ!」
電光のごとく閃いた完璧なる妙案に歓喜するあまり、メデューサは絶叫しつつ立ち上がった。
「操獣師たちが今すぐ全員くたばればいいんだよ!そうすりゃママはあたしだけを見てくれに決まってる!!」
絶叫と共に緑の聖幻晶が危険な脈動を開始する…まさかメデューサよ、自身が有する最大の破壊手段によって仲間を誅戮しようというのか⁉
「操獣師の“友”は絆獣のみ!戦友なんざあ信じられるかい!!」
「──世迷言はそこまでにしときな、ママを求めて泣き喚く、襁褓をぐっしょり濡らした哀しき孤児ちゃんよ…」
この世で唯一、自分に恐怖を与えられる人間──その錆びた声音が、未だ聴いたことのない凄壮な響きを伴ってメデューサの鼓膜を震わせたのは、万全とは言い難いコンディションから即発射という訳にはいかなかったものの、あと数秒で蛇煌波を放てると確信して厚い唇の端を邪悪にめくれ上がらせた刹那であった。
「てめえ…!」
4年前のカレン引退後、絆獣聖団は最高責任者にして統率者である“聖団長”なる称号を、天響神の意思により廃止した…当然ながらあらゆる憶測が乱れ飛んだが、カレン=クリストファー以上のカリスマ的人材を聖団が有していなかったという事実を鑑みれば寧ろ組織の安定にとって必要な措置であったと胸をなでおろす向きもあったほどである。
だが“カレン・ロス”の余波はグループ全体を軋ませ、それこそ絆獣聖団発足以来より常態化していた操獣師と錬装者の対立構造は更に深刻化し、互いの意地の張り合いによる戦力の低下は、対称的に増大する一方の神牙教軍の攻勢を防ぎ切れぬ事態を招来するに至ったのである…事ここに至り、未曾有の危機意識が組織全体に浸透し尽くした正にその時、天響神の“直接的啓示”が突如として“操獣師見習い”であった6人の乙女にもたらされ、秘めやかに[六天巫蝶]の発足が宣言されたのであった…が、果たして全員が十代の、人生経験においても未熟な少女たちに聖団員の生命の帰趨を委ねて良いものか?
それに抑々において、6人は真に天響神に選ばれし者達なのか?…
──だが[六天巫蝶]誕生後、エグメドの当人たちへの“加護”は徹底しており、団長以後暫定的に采配を担ってきた指導部が用意した世界に関する多岐にわたる設問や、預言者としてのあらゆる能力テストにも全員が完璧な結果を成就し得たことでその権威性を認めざるをえなくさせたのであった。
『──でも、あたしは認めない…たとえ団長が退いても、その教えは薫陶を受けたあたしたち各々の心に刻みつけられている…!
それに操獣師たちには何よりも《ドゥルガー・プリンシプル》という絶対の規範がある──これ以上、何の指示系統が要るというのか…⁉』
メドゥーサが絆獣しか信じないと公言しているように、表立って明言してはいないものの竹澤夏月は聖団員を、ひいては操獣師のみを信じていた──そして一度その信念に容喙してくる者があるならば、たとえそれがラージャーラにおける絶対者、天響神エグメドであろうとも決して容認はせぬほどにその確信は確固不抜であったのである…。
「──どうする?怒りに任せた蛇煌波であたしを焼き殺すかい?だがこれだけは言っとくが、その前に軍用ナイフが確実にアンタの大腿動脈を切り裂くよ…!」
「ぐっ……」
──この得体の知れない東洋人のババアが決してカマをかけるような女ではなく、やると言ったことは必ずやってのける人物だということは4年を超える付き合いで骨身に染みているジェニファーに生じた一瞬の躊躇…それを利用したのはだが夏月ではなく、彼女たちの背後に設置された非常用扉から現れた者であった!
両者が振り返った時、その脳が認識したのは凶々しく光る巨大な銀色の狼であった──だが、メドゥーサの記憶はそこで寸断されてしまう…何故なら胸元を焦げ付かせるほどの壮絶な速度で迫り上がってきた銀狼の右拳に再び顎を直撃され、ゆうに2レクトは跳ね上げられた後、その倍ほどに吹き飛ばされ、剣呑な眼差しを送っていた操獣師の群れに落下してしまったのだから!
「絶好のチャンスだ!みんな、かかれッ!!」
──悪魔の号令を発したのは、やはりというべきか、あのおかっぱ頭であった…その右手に弑獣爪が不吉に光っていることは言うまでもない!
「うぎゃああああッ!!」
激烈な苦鳴は堅牢極まる刃獣の皮膚にも切痕を刻める刃器の雨に肌を貫かれたメドゥーサのものか、それとも十数名を超える操獣師が殺到した結果の同士討ちによる負傷者か…?
されど、竹澤夏月にそれを確かめる術はなかった。
彼女は立ち上がる機会すら得られないまま銀狼の硬い指先に喉元を縛められ、
一気に右腕一本の力で頭上高く抱え上げらてしまったからである!
──霞む視界に銀狼の魔眼が、勝ち誇ったように赫く耀いているのが確かに見えた瞬間、夏月は襲撃者の正体をようやく悟った。
「き…さま…はベ…ル…ガァア…!」
パブリックイメージ通りの“闇討ちアッパーカット”によってセシャーク勇仙領におけるトラウマKO劇の雪辱を一気に果たし、[皇帝狼]にとってメドゥーサかそれ以上の憎悪の対象である“操獣師の親玉”の身命を握るに至った凶漢は、納得のゆくまで[無元造房]に作り直させたイメージ通りの“白銀の狼戦士”を体現した錬装磁甲の内部で嘯いた。
「──分かったか、クソ女ども!…絆獣聖団で、いや、このラージャーラで最強なのはあくまでも錬装者、このヘルムート=ベルガー様なんだよッ!!」
にすりゃ気が済むんだろうね…!」
敵将が選択した幻影の悪趣味さに更なる怒りを募らせた竹澤夏月は殺意の音響化ともいうべきドスを効かせた“ギャング・ボイス”で唸るが、生前と同じく“イメージカラー”の緋色で統一された、トレードマークのシルクジャケットとパンツ、レザーシューズに身を固めた絆獣聖団史上最高のカリスマ”とされる二代目団長は微笑みの強度を上げて応戦の構え。
──疲労困憊の聖団員たちの荒い息遣いもようやく鎮静化し、静寂を取り戻した[監査室]内では“前団長の亡霊”VS“現役最高幹部”の異様なる視殺戦が続く。
沈黙を破ったのは意外にも、鏡の教聖であった。
「──あいかわらず、カヅキはエネルギーに溢れているわね…“ママ”は何よりそれが嬉しいわ…」
臆面のなさも極まれり、ともいうべき“ラージャーラ最凶存在”の妄言に、竹澤夏月は顔色一つ変えず奥歯をギリリと噛みしめるが、次の刹那には憐れみの表情すら浮かべて応答した。
「…ねえ、アンタ、暗い処に籠もってそんな一人芝居演ってて虚しくない?……ハッキリ言って、この十秒間で鏡の教聖さんとその軍団に対するあたしの印象は完全に裏返ったわ……アンタ、天響神の玉座を窺う堕天使なんかじゃなくて、ただの寂しいヒトだったんだね……寂しくて寂しくて、昏くてうそ寒い世界の隅っこで独りで震えているのが耐えられないから、みんなに構ってほしくてこの戦争を始めたんだ…」
──完全なる静寂に包まれた[監査室]。 だが、漣一つない湖面に落とされた小石のごとく、波紋を広げる現象はすぐに発生した。
一人の女性の歔欷……それは誰あろう、長らく聖団員の精神的支柱であった人物の白い喉から発せられていた……。
だが、ここまで聴く者の心魂を揺さぶり尽くす啜り泣きというものが在るものだろうか?……それはもはや、一編の言葉なき詩であり譜面なき音楽であった。
「ちっ…」
ある不快な予感に襲われた伝説の殺戮姫の舌打ちを合図にしたかのように、危惧した通りの反応が客席からもたらされた。
貰い泣き──偶然の一致が或いは空耳か、発生源は室の中央、鋼鞭鬼女への“初フォロー”と同一人物のようだ……あまりのハプニングの連続に脳が混乱して名前が出て来ない竹澤夏月だが、ある疑惑が胸中に渦巻くのをどうすることも出来ない…アイツ、神牙教軍の工作員じゃないのか?
醜態再び──もはや傍目には喜劇の舞台でしかない[監査室]内は敵の操り人形と成り果てた操獣師たちの涕泣によって悲嘆の泉と化した。
「愚か者どもが…泣きたいのはこっちだっての…!」
急激な脱力感に見舞われ、へなへなと長椅子に腰を落とした総指揮者はもはやお手上げとばかりに紫のグラスを外しつつ天を仰ぐ……。
「ひどい…総指揮者は冷たすぎます!」
突然の糾弾は、やはりというべきか客席中央から炸裂した。
「ほんとに…誰あろう、聖団の大恩人である二代目様が草葉の陰から我々に救いの手を求めていらっしゃるというのに…何て言い草⁉」
「いいえ、全然意外なことじゃないわ、何しろパワハラの権化、暴力衝動が悪趣味な服を着て歩いてるようなお人なんですもの、元団長だろうが何だろうが、他人のために注ぐ涙なんてただの一滴も持ち合わせてるはずがないてしょう!」
「そうよ!心の方も見た目通りの鬼なんだわ!!」
「あたし、ずっと思ってたことがあるの、ホントの悪魔は鏡の教聖じゃなくて竹澤夏月だって!」
「仇名からして異常じゃない?“伝説の殺戮姫”って…自分から悪者だと名乗ってるようなものじゃないの⁉どう考えても普通じゃないわ!!そもそも、あの化け物面の一体どこが“姫”なのよ⁉」
──絆獣聖団におけるこれまでの活動において敬意を求めたことなど一度もないにもかかわらず、その突出した才能と闘争心によって心底から慕われはしないまでも、常に畏怖と称賛の対象となってきた夏月にとって、面罵はおろか声を潜めた悪意の呟きさえも今日この瞬間に至るまで耳にしたことはなかったが、もはやこの極太の悪意のベクトルが誰を標的にしたものか全く無関心であるかのように、身じろぎもせず蒼白く仄めく天井を凝視し続ける。
「見てよ、あの態度!盗っ人猛々しいというか、開き直ってるというか、憎たらしいったらありゃしない」
「ふふふ、そんなんじゃないわよ、涙を堪えてんのよ、下を向いたらボーロボロとこぼれちゃうもんね…けっけっけ、あー、ミジメミジメ!憎たらしいんじゃなくって、情けなくてみっともないのよ!」
「ほほほ、いい気味だわ!でもねえ、あんたみたいなキモいブサイクババアが泣き喚いたところで誰も同情なんてしてくれないよ、催すのは更なる怒りと吐き気だけなんだわさ!」
澎湃と沸き立つ爆笑という名の嘲笑……果たして聖団史上において、身内に対してここまでの反乱と呼ぶも愚かな“精神的虐待”が実行されたことがあったであろうか?
「ねえ、あの白人へのコンプレ剥き出しの汚らしい金髪引っ掴んでブザマな泣き顔見てやろうよ!」
遂に立ち上がった“真ん中の女”……哀れな標的と同じアジア系とおぼしき黒髪のおかっば頭の、目尻のつり上がった一重瞼の細い双眸は陰険な凶意に満ち、その右手は狐色のジャンプスーツに巻かれた革ベルトに吊るされた、操獣師が護身用に支給されている【弑獣爪】なる瀟洒な鞘付きの刃渡り20センチの片刃の短刀の柄を握りしめている。
彼女に同調する聖団員は現在の所いないが、“墜ちた偶像”へと向ける視線の殆どは剣呑な光を湛えており、物の弾みですぐにでも追従の構えを見せている…。
「拳師、このままでいいんですか…?」
“岩眼魔の呪縛”による、酷烈なまでの肉欲が消え去ったわけではないものの、操獣師軍団のような暴力的な反逆衝動の自覚は皆無である坂巻雪英は、同志たちのあまりの豹変ぶりに恐怖すら覚えつつ玉朧拳師の顔色を窺う。
「さて、な…何しろ交戦以来、前代未聞の異次元的攻撃を被った訳だからな、対策を問われてもお前同様、全くお手上げと答えるしかないわ…」
「そんな…」
拠り所である師の表情と声音が日頃の沈着さを保っているのが救いとはいうものの、この窮地を穏便に逃れる術が果たしてあるのか、場合によっては比較的(?)素面らしい錬装者勢による“実力行使”も必要なのではあるまいかと懸念を深める雪英に、玉朧の冷徹な、そして恐るべき一言が覆い被さる。
「その考えは甘いぞ、幸いにも雪英は例外のようだが、弱き錬装者どもは弱き操獣師たちと同じ魔境に陥っておるわ…!」
「──⁉」
反射的に左隣の盟友に目をやった瞬間、雪英は戦慄に凍り付いた…が、それは彼の人間性と行状を鑑みれば、決して意外ではない反応であったはずではないか?
醜悪な集団的嗜虐症状を呈している“ドゥルガーたちとその予備軍”と、攻撃対象である総指揮者を愉快そうに見つめる雷堂 玄は、ちらちらと前者と同じ視線を恩師へと送っているではないか!
──だがその口元に浮かぶ、邪念に満ちた酷薄極まる冷笑の不気味さは操獣師たちのそれとは一線を画したものであり、或いは悪童錬装者はこれを奇貨として、以前より目論んでいたのやもしれぬ[星拳鬼會]の下剋上を一気に果たそうとしているのであろうか……?
「みんな、静かにして──!」
一瞬にして悪念渦巻く室内に清澄な沈黙をもたらしたのは一旦背景に退いていた聖団長であった。
大多数の聖団員たちを味方に付けたことで滂沱の涙も立ち所に乾いたか、一同の視線を満身に浴びつつ、登場時と等しい穏やかな笑顔となった美しき聖母は、聴衆を包み込むかのように両腕を広げ、語りかける。
「しばらく“此の世”を離れていたせいか、私は当たり前の事実を忘れていたわ──このラージャーラにも私たちの地上世界にも、人として生を受けながら、“愛”というものを金輪際理解出来ない禽獣にも劣る哀れな存在がいるということを…!
現在からは、私は“可愛い聖団員たち”だけに向けて話します──まり、私の声が聞こえないということは、この世に生きる価値のない救いなき劣等種ということ…大いに悲観すべき事態と言えるわね…」
この瞬間から、竹澤夏月と玉朧拳師、そして坂巻雪英ら極少数の聖団員たちにはカレン=鏡の教聖の言葉は一切聴取不能となった…。
「…うう…こ…ここは…?」
──未だ鈍痛に痺れる顎をさすりつつ覚醒したメドゥーサはふらつく頭をゆっくりと上向けた刹那、目の中に飛び込んできた映像に文字通り金縛りとなった。
「──ママ…⁉」
果たしてこれは吉夢か悪夢か…眼前に“降臨”せしは紛う方なき、世界で唯一人、もう一度相見えられるならば己が生命を引き換えにしてでも悔いはないとまでその死を呪い、夜毎枕を濡らした最愛の養母カレン…しかも最も美しかった時代の姿ではないか⁉
「一体どうして…もしかして、あたしも死んだということなの…?」
失神時の衝撃からか未だ状況を飲み込めず、ひたすら障壁を凝視するジェニファーだが、徐々に記憶の回復を覚える。
『…たしか、あそこにはジジェアが…つまり、あの石室は神牙教軍のアジトの一角…そこにどうしてママが?…はっ、よ、よもや…!』
この時、メドゥーサの脳裏を撃った“妄想”はあまりにも異様であり愚かでもあったが、それは永久に叶わぬ亡母との再会の契機を思わぬ僥倖によって得たと盲信した彼女にとって、あらゆる論理を超えた“絶対的真実”であった…。
『…恐らくママは生前の偉業によって“天響神の恩寵”を受け、若き姿のまま復活を果たしたのだ…ああ、それなのに…すぐに神牙教軍に嗅ぎつかれ、奴らの人質にされてしまったに違いない…何ということだ!そして鏡の教聖に強要されて何らかのメッセージを送ってきたのだ…!」
“監禁場所”は恐らく神牙教軍が総本陣を構える人跡未踏の極北の地に聳えるダロバスラ山…そこに佇立する8本の〈極天霊柱〉、その内部以外に考えられぬ…そうと分かればこうしてはいられぬ、どう考えても〘ミッション181〙などにかかずらっている場合ではない!たとえ単騎であろうも、すぐに相棒である絆獣【リジルガ】と共に出撃せねば!!
──朦朧とした意識状態から回復し切ったとは言えぬものの、持ち前の闘争エネルギーをこれ以上ありえない“燃料”によって燃え上がらせたジェニファーは勇躍立ち上がろうとした正にその瞬間、ある奇妙な、そしてこれ以上ない恐ろしい事実に直面させられた。
盛んに何かを訴えている(だが窮境にあるにしてはママの表情はあまりにも余裕に満ちてはいないか?)姿をまるで魅入られたかのように見つめる聴衆はしきりと頷き、感激のあまりが啜り泣いている者も少なくないようではないか?…だけど、自分には何も、何も聴こえないぞ⁉
それに…と彼女は更なる戦慄の事実に打ちのめされる。
『ママは…さっきから一度もあたしを見ない!!』
──一体これはどういうことなのだ⁉
“最愛の娘”であるとあれだけ断言してくれたはずの自分に一瞥もくれず、どうでもいい有象無象の“格下”どもにだけ闇夜に煌めく明星のごとき慈眼を向け、あの麗しい音楽にも比すべき美声を届けている…おお公正にして慈悲深きエグメドよ、果たしてそのような天をも畏れぬ無体が赦されてよいものでしょうか⁉
如何にすれば、この生涯最大の異常事態を正常に戻せる?ママにあたしを見つけてもらえる⁉
だが、“求めよ、さらば与えられん”…この“異教の神の箴言”は、ここ異界においても有効であったようである。
「──そうだ!」
電光のごとく閃いた完璧なる妙案に歓喜するあまり、メデューサは絶叫しつつ立ち上がった。
「操獣師たちが今すぐ全員くたばればいいんだよ!そうすりゃママはあたしだけを見てくれに決まってる!!」
絶叫と共に緑の聖幻晶が危険な脈動を開始する…まさかメデューサよ、自身が有する最大の破壊手段によって仲間を誅戮しようというのか⁉
「操獣師の“友”は絆獣のみ!戦友なんざあ信じられるかい!!」
「──世迷言はそこまでにしときな、ママを求めて泣き喚く、襁褓をぐっしょり濡らした哀しき孤児ちゃんよ…」
この世で唯一、自分に恐怖を与えられる人間──その錆びた声音が、未だ聴いたことのない凄壮な響きを伴ってメデューサの鼓膜を震わせたのは、万全とは言い難いコンディションから即発射という訳にはいかなかったものの、あと数秒で蛇煌波を放てると確信して厚い唇の端を邪悪にめくれ上がらせた刹那であった。
「てめえ…!」
4年前のカレン引退後、絆獣聖団は最高責任者にして統率者である“聖団長”なる称号を、天響神の意思により廃止した…当然ながらあらゆる憶測が乱れ飛んだが、カレン=クリストファー以上のカリスマ的人材を聖団が有していなかったという事実を鑑みれば寧ろ組織の安定にとって必要な措置であったと胸をなでおろす向きもあったほどである。
だが“カレン・ロス”の余波はグループ全体を軋ませ、それこそ絆獣聖団発足以来より常態化していた操獣師と錬装者の対立構造は更に深刻化し、互いの意地の張り合いによる戦力の低下は、対称的に増大する一方の神牙教軍の攻勢を防ぎ切れぬ事態を招来するに至ったのである…事ここに至り、未曾有の危機意識が組織全体に浸透し尽くした正にその時、天響神の“直接的啓示”が突如として“操獣師見習い”であった6人の乙女にもたらされ、秘めやかに[六天巫蝶]の発足が宣言されたのであった…が、果たして全員が十代の、人生経験においても未熟な少女たちに聖団員の生命の帰趨を委ねて良いものか?
それに抑々において、6人は真に天響神に選ばれし者達なのか?…
──だが[六天巫蝶]誕生後、エグメドの当人たちへの“加護”は徹底しており、団長以後暫定的に采配を担ってきた指導部が用意した世界に関する多岐にわたる設問や、預言者としてのあらゆる能力テストにも全員が完璧な結果を成就し得たことでその権威性を認めざるをえなくさせたのであった。
『──でも、あたしは認めない…たとえ団長が退いても、その教えは薫陶を受けたあたしたち各々の心に刻みつけられている…!
それに操獣師たちには何よりも《ドゥルガー・プリンシプル》という絶対の規範がある──これ以上、何の指示系統が要るというのか…⁉』
メドゥーサが絆獣しか信じないと公言しているように、表立って明言してはいないものの竹澤夏月は聖団員を、ひいては操獣師のみを信じていた──そして一度その信念に容喙してくる者があるならば、たとえそれがラージャーラにおける絶対者、天響神エグメドであろうとも決して容認はせぬほどにその確信は確固不抜であったのである…。
「──どうする?怒りに任せた蛇煌波であたしを焼き殺すかい?だがこれだけは言っとくが、その前に軍用ナイフが確実にアンタの大腿動脈を切り裂くよ…!」
「ぐっ……」
──この得体の知れない東洋人のババアが決してカマをかけるような女ではなく、やると言ったことは必ずやってのける人物だということは4年を超える付き合いで骨身に染みているジェニファーに生じた一瞬の躊躇…それを利用したのはだが夏月ではなく、彼女たちの背後に設置された非常用扉から現れた者であった!
両者が振り返った時、その脳が認識したのは凶々しく光る巨大な銀色の狼であった──だが、メドゥーサの記憶はそこで寸断されてしまう…何故なら胸元を焦げ付かせるほどの壮絶な速度で迫り上がってきた銀狼の右拳に再び顎を直撃され、ゆうに2レクトは跳ね上げられた後、その倍ほどに吹き飛ばされ、剣呑な眼差しを送っていた操獣師の群れに落下してしまったのだから!
「絶好のチャンスだ!みんな、かかれッ!!」
──悪魔の号令を発したのは、やはりというべきか、あのおかっぱ頭であった…その右手に弑獣爪が不吉に光っていることは言うまでもない!
「うぎゃああああッ!!」
激烈な苦鳴は堅牢極まる刃獣の皮膚にも切痕を刻める刃器の雨に肌を貫かれたメドゥーサのものか、それとも十数名を超える操獣師が殺到した結果の同士討ちによる負傷者か…?
されど、竹澤夏月にそれを確かめる術はなかった。
彼女は立ち上がる機会すら得られないまま銀狼の硬い指先に喉元を縛められ、
一気に右腕一本の力で頭上高く抱え上げらてしまったからである!
──霞む視界に銀狼の魔眼が、勝ち誇ったように赫く耀いているのが確かに見えた瞬間、夏月は襲撃者の正体をようやく悟った。
「き…さま…はベ…ル…ガァア…!」
パブリックイメージ通りの“闇討ちアッパーカット”によってセシャーク勇仙領におけるトラウマKO劇の雪辱を一気に果たし、[皇帝狼]にとってメドゥーサかそれ以上の憎悪の対象である“操獣師の親玉”の身命を握るに至った凶漢は、納得のゆくまで[無元造房]に作り直させたイメージ通りの“白銀の狼戦士”を体現した錬装磁甲の内部で嘯いた。
「──分かったか、クソ女ども!…絆獣聖団で、いや、このラージャーラで最強なのはあくまでも錬装者、このヘルムート=ベルガー様なんだよッ!!」
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