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第二章 凶祭華同盟の虜囚
サンダーベースの管理人〈後編〉
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かくて開始された異形の治療者の施術は色道を極めし達人のねっとりとした献身的愛撫のごとき〈体表面マッサージ〉に加え、極限まで絞れば注射針ほどまでも細らせることが可能な、精密作業に特化した“第五左触手”を雷の聖使の口蓋から忍び込ませ、その先端から自ら分泌した【細胞蘇生物質】をたっぷりと血管内に注入させることを主眼としていたが、それら全てが終了するまでに実に2時間近くを要したのであった。
その間、越水ルリアの肉体は図らずも間断無き痙攣と艶めかしい喘ぎを余儀なくされたのであったが、その反応が決して蛸ノ宮博士の妙技によって引き出された快感の表明などではなく、あくまでも渾身の触手施療が必然的にもたらす、性的刺激とは全く次元を異にする精緻な医療行為に対する機械的反射に過ぎぬことはいうまでもなかった…!?
「ふう…これでもう安心だ──何故ならば比類無き聖使の肉体にこうして私の持てる全てが注ぎ込まれたことで忌むべき負極界人の穢らわしき痕跡の一切が拭い去られたばかりか、これ以上望めぬほどのレベルで蘇生が強く促されたのだから…!
されど戦士エジュミンよ、いかに瞠目すべき潜在力を有するとはいえ、戦線の最前線に立つ雷の聖使がルリア嬢のみではあまりにも心許ないというべきではないか?
つまり貴君が育成中のもう一人の聖使聖使の一刻も早い登場を望みたいものだが…」
この反応を予期していたらしい紅の霊体戦士はすかさず応じた。
「──仰るとおりです。
もちろん私にとっての喫緊の課題はルリアが押しも押されぬ超戦士として自己を確立することであり、それまでは影のごとく寄り添う所存なのですが、もう一人の候補者もそれなりの段階には到達しておりますから、この二人に留まることなく更に増員を重ね、遠からぬ将来には悲願である【THUNDER⚡️ANGELS】とでも名付けるべき“神通力戦隊”をお披露目できると確信しておりますッ!!」
「──THUNDER⚡️ANGELS…!
ううむ…聖闘防霊団において屈指の戦略家と称される貴君のことだ、この空前の危機的状況にも些かも怯むことなく必ずや我らをアッと唸らせる妙策を打ち出してくるであろうと期待はしておったが、なるほどさすがというしかない壮大な構想であるな…!
だが、しかし…」
心なしか翳りを帯びたテニスボール大の青い双眸からその心中を察したエジュミンが粛然と言葉を継いだ。
「──あの奸智に長けた淫魔教帝がこの惑星における自軍の勢力拡大に手を拱いておるはずがないということですね?」
「さよう…事実、貴君の到着まで偵察機で引き続き彼奴の動向を監視しようとしたものの、口にするのも憚られる醜悪な要因(磯村かつ子の失禁)によって浅からぬ不調に見舞われ、階下の長椅子に臥せったはずのあやつがその体勢のままで両眼から怪光を発し、まんまと撃墜してのけおったのには不覚にも慄然とさせられたわ…!
まさに今更ながら、ババイヴ=ゴドゥエブンⅥ世という難敵の底知れぬ鬼神力をまざまざと見せつけられた瞬間であった…」
「──なるほど、そのようなことが…。
帯同してきたベルバスなる腹心については今回手合わせしてみた限りさしたる脅威とも思われませぬが、さすがに《地球淫界化計画》なる神をも怖れぬ大邪望に身を灼く怪物だけのことはありますな…。
これはあくまでも推測なのですが、負極界においてあれだけの権勢を誇っておりながら、敢えて徒手空拳で乗り込んできたということは、その兵力をこれと見込んだ地球人を改造することによって賄おうとしているのではありますまいか?
もしそうであるならば我々の戦いはより困難なものとなるといわざるをえませんが、ならばなおさらTHUNDER⚡️ANGELSの結成を急がねばなりません──!!」
その間、越水ルリアの肉体は図らずも間断無き痙攣と艶めかしい喘ぎを余儀なくされたのであったが、その反応が決して蛸ノ宮博士の妙技によって引き出された快感の表明などではなく、あくまでも渾身の触手施療が必然的にもたらす、性的刺激とは全く次元を異にする精緻な医療行為に対する機械的反射に過ぎぬことはいうまでもなかった…!?
「ふう…これでもう安心だ──何故ならば比類無き聖使の肉体にこうして私の持てる全てが注ぎ込まれたことで忌むべき負極界人の穢らわしき痕跡の一切が拭い去られたばかりか、これ以上望めぬほどのレベルで蘇生が強く促されたのだから…!
されど戦士エジュミンよ、いかに瞠目すべき潜在力を有するとはいえ、戦線の最前線に立つ雷の聖使がルリア嬢のみではあまりにも心許ないというべきではないか?
つまり貴君が育成中のもう一人の聖使聖使の一刻も早い登場を望みたいものだが…」
この反応を予期していたらしい紅の霊体戦士はすかさず応じた。
「──仰るとおりです。
もちろん私にとっての喫緊の課題はルリアが押しも押されぬ超戦士として自己を確立することであり、それまでは影のごとく寄り添う所存なのですが、もう一人の候補者もそれなりの段階には到達しておりますから、この二人に留まることなく更に増員を重ね、遠からぬ将来には悲願である【THUNDER⚡️ANGELS】とでも名付けるべき“神通力戦隊”をお披露目できると確信しておりますッ!!」
「──THUNDER⚡️ANGELS…!
ううむ…聖闘防霊団において屈指の戦略家と称される貴君のことだ、この空前の危機的状況にも些かも怯むことなく必ずや我らをアッと唸らせる妙策を打ち出してくるであろうと期待はしておったが、なるほどさすがというしかない壮大な構想であるな…!
だが、しかし…」
心なしか翳りを帯びたテニスボール大の青い双眸からその心中を察したエジュミンが粛然と言葉を継いだ。
「──あの奸智に長けた淫魔教帝がこの惑星における自軍の勢力拡大に手を拱いておるはずがないということですね?」
「さよう…事実、貴君の到着まで偵察機で引き続き彼奴の動向を監視しようとしたものの、口にするのも憚られる醜悪な要因(磯村かつ子の失禁)によって浅からぬ不調に見舞われ、階下の長椅子に臥せったはずのあやつがその体勢のままで両眼から怪光を発し、まんまと撃墜してのけおったのには不覚にも慄然とさせられたわ…!
まさに今更ながら、ババイヴ=ゴドゥエブンⅥ世という難敵の底知れぬ鬼神力をまざまざと見せつけられた瞬間であった…」
「──なるほど、そのようなことが…。
帯同してきたベルバスなる腹心については今回手合わせしてみた限りさしたる脅威とも思われませぬが、さすがに《地球淫界化計画》なる神をも怖れぬ大邪望に身を灼く怪物だけのことはありますな…。
これはあくまでも推測なのですが、負極界においてあれだけの権勢を誇っておりながら、敢えて徒手空拳で乗り込んできたということは、その兵力をこれと見込んだ地球人を改造することによって賄おうとしているのではありますまいか?
もしそうであるならば我々の戦いはより困難なものとなるといわざるをえませんが、ならばなおさらTHUNDER⚡️ANGELSの結成を急がねばなりません──!!」
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