HEAVEN B HELL【BL短編集】

野瀬 さと

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第四章 哀婉

その細い肩2

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「男の抱き方、教えてあげるよ…」

俺の手をまた、自分のモノに導くと、少しはにかんだ。

「自分のと一緒だよ…」

言われるまま握りこんで、上下に扱く。

「ふ…そう…上手だね…正一郎」
「ユウ…」
「いいね…声。好きだよ…」

唇が。
赤くて。
思わず吸い付いた。

「ん…」

吐息を吐き出すと、今までの穏やかさはどこへいったのかというくらい激しい。
唾液を絡ませて、舌がもつれ合う。
銀の糸が俺たちの間にできると、また妖艶な笑みを見せた。

「もう、挿れられるよ…?どうする?」
「え…?そうなの…?」
「いいよ…」

ユウは起き上がると、俺をベッドへ連れて行く。

ころんと寝転がると、自らシャツを脱いだ。

少年のような身体をしていた。

整えてもいない短かめの髪が、余計に彼の年齢をわからなくしていた。

「きて…?」

どこに挿れるのか…
俺は男色なんかに興味はなかったから、何も知らなかった。

戸惑っていると、足を開いた。

「ここ…」

俺の手をそこへ導いた。

「ちゃんと洗ってあるから大丈夫だよ?」

指で触れてみたら、熱かった。

彼はベッドの横にある棚から、小瓶を取り出した。

ぬるりとした液体を手に取ると、自分の後口に塗りつける。

「もう、元気になってる?」
「うん…」
「ふ…男、好きなの?」
「わ、わかんな…」
「服、脱いで」

言われるがまま、服を脱いだ。

屹立してる俺を掴むと、あのぬるりとした液体を、俺にも塗り付けた。

「はい。いいよ」

彼は寝転がると、俺に足を再び開いた。

「ちょうだい…正一郎…」

誘惑する声に抗えなかった。

ユウにのしかかると、初めてのソコに押し当てた。

ぐいと腰を進めると、ユウの口から嬌声が漏れる。

「ああっ…正一郎っ…」
「あ…ユウ…」

信じられないくらい、気持ちいい。

これがガバガバだって?

女よりも締まりがいい。

百倍いい。

「あっ…う…ユウ、俺…」
「ふふ…正一郎、気持ちいいの?」
「す、ごく…いい…」
「あ…俺も…いいよ…」

ユウが俺の首に手を回す。

その漆黒の闇みたいな瞳の目が閉じられると、また俺は唇に吸い付く。
唇を味わいながら、彼の中をかき回して、最奥を穿った。

「んんんっ…」

ユウの身体がびくびくと波打つと、俺の身体に電気が走ったようになって…

「ユウ…感じてるの…?」
「うん…」

ユウが俺の頬を手のひらで包んだ。

「正一郎、俺のこと好きにして…?」


理性が飛ぶってこういうことなのかと、後で思った。


俺は一晩中、めちゃくちゃにユウを抱いた。

こんなに人を抱いたのは初めてで。

明け方の空を、窓から眺めながら眠るユウの細い肩を抱いた。

胸に広がるこの思いはなんだろう。

いつまでもこの人を手放したくない。

ずっと抱きしめて居たかった。




上海、初めての夜。


ユウに出会った。





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