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第17話 伝説のM
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「さて、無事に異世界への旅立ったみたいだね」
イチカは、カンが召喚陣の中へと完全に呑まれた跡の床を見ながら呟いた。
召喚陣は、カンを飲み込むと徐々に光を失っていき、最後には跡形もなく陣も消えていった。
そして、異世界召喚の際に発生した魔力の嵐が召喚陣の消滅と共に消えると、イチカは指先で何か文字を書くような所作を行った。すると散乱していた本や小物が、ひとりでに元の位置へと戻っていった。
「今回は僕が転移させた訳じゃないから、公園の時ほど介入は出来ないけど……意識誘導くらいは出来るかな?」
楽しそうに微笑みながら、イチカは目を瞑ると、カンの視界を覗きながら何かの術を発動させるのだった。
カンは、床に捨て置かれた空き缶の如く、固まっていた。
何故なら、目に前には自分を見下ろしながら、同じように困惑して固まっている姫がおり、間違いなく自分は場違いだという空気が、その場には流れていたからだった。
「勇者召喚……我は勇者ではなく、魔王なりたいと言っておるのに……どうしてこうなった……」
『あちゃあ……カン、"口は災いの元"という言葉を知ってる? そういや、カンの口って、空き缶の口と同じと考えていいの?』
「ん? それくらい知っておる。それに別に我の口など何処でも良い……というより、そこしか口らしきモノはあるまい」
イチカが割とどうでも良いことをカンに尋ね、そしてカンもまた緊張感なく受け答えをしていたが、カンが現在いる場所はイチカのいる書斎ではなく、勇者召喚を行った異世界の国であるという事をカンは忘れていた。
勇者召喚とは、召喚を行った世界よりも上位の世界に存在している者を強引に喚びこむ方法であり、概ねその様な手法をとる場合は、その世界の者では対処出来ない事態に陥っている事が多い。
今回の場合も正にその様な状況であり、国を襲ってきた魔王軍を国の英雄が迎え撃ったが、辛うじて撃退しただけで、英雄達は瀕死の重傷を負ってしまった。
国の存亡に関わる危機に、国王は古より王家に受け継がれてきた"勇者召喚"行ったのだった。
当然、その様な状況にある国において、不用意に『魔王に成りたい』などと口走った日には、どういった反応をされるかは、火を見るよりも明らかである。
「魔王になりたいですって!?」
「姫! こちらへ! 人外の者が言葉を話すということは、おそらくは魔王の手下! 大神官殿! どうなっている!」
「わからぬ! しかし、魔王の手下という割には、全く魔力を感じぬが……さて?」
召喚者を出迎える為に召喚陣の前に待機していた姫は、控えていた護衛騎士団長に手を引かれ後方へと下がった。そして、召喚儀式を指揮していた大神官に、目の前の喋る空き缶について問いたのだった。
『あらあら、勇者召喚を行う様な国のど真ん中で、不用意に"魔王に、俺はなる!"みたいなこと言えば、そうなって当たり前だよね』
「そこまで、言い切っておらぬわ!」
『そっちの国の人達にしてみれば、同じさ。勇者召喚実施国リストの資料を見てみると……あちゃぁ』
イチカは手持ちのパソコンで、カンが喚ばれた国の詳細情報が記載されている画面を開き、そこに書かれている事を読むと、思わず『君、やっちゃったねぇ』的な声を漏らしていた。
「どうしたのだ!?」
『あぁ……うん。今、こっちのパソコンでそこの国の状況を、詳しく見てみたんだけどね』
「異世界間の情報入手方法が、軽すぎると思うのだが?」
『状況としては……その国で、"魔王に成りたい"と言う様な輩は、きっと生きて帰れないだろうね。それ程に最近起きた戦争で魔王の関係者が、その国の全国民から恨まれるような事を思いっきりやっちゃってるね。取り敢えず……どんまい!』
「自分だけ状況を詳しく把握しよって! 色々雑すぎるぞ!」
「黙れ! お前は一体何者だ!」
「カァアン!? 鉄の剣はやめるのだ! アルミボディが、鉄剣に勝てるわけないであろう!」
護衛騎士団長がカンに向かって鉄剣を向けると、カンは情けない悲鳴を上げた。魔王を目指す空き缶としては、有るまじき醜聞を晒していた。情けないこと、この上ない。
『これぞ、"みっともない姿のお見本"みたいな悲鳴だったね』
「言いたい放題か!?」
「これ、そこのお主、ちと喧しいぞ。それでお主は、一体何者なのじゃ。初見の儂の第一感では、とても魔王の関係者には見えぬのだが」
「おぉ! 分かってくれる者が、ちゃんとおるではないか! しかし……何者と言われてものぉ……」
護衛騎士団長とは異なり、大神官の老人はカンに全く魔力を感じなかった為、先ずは正体を確かめる事としたのだった。
しかしカンは、自身の正体をどう説明したら良いか迷っていた。
『せっかく、誰にでもすぐに説明出来るようにしてあげたのに……何故に、自分のボディの成分表示を見せないのかなぁ? 全く意味がわからないだけど? この空き缶には、脳みそが入って……なかったね。なんだか……言いすぎちゃって、ごめんね……』
「ちょいちょい、我だけに聞こえる声で毒付くでないわ。最後にわざとらしい同情もイラつくからやめよ。しかし、そうだったのだ! 大神官とやら、我はこう言う物だ! 身体に何物かが書いてあるであろう!」
「ん? どれどれ、酷く歪んでおって見にくいが、確かに何か書いてあるのぉ。名はカンというのか、そして……これは!?」
「どうしたのです! 大神官様!」
カンに言われ、大神官はカンを拾い上げると側面の成分表示を読んでいった。
そして"ある文字"を目にした後に、興奮した様子で大声を出した。普段から冷静沈着な大神官が慌てており、且つ興奮している様子を見た姫もまた、その様子に驚きの声をあげた。
そして、大神官は恐る恐るとカンを持つ手を震わせながら、まるで神のお告げでも聞いたかのように荘厳な雰囲気を出しながら、その場にいた全員に聞こえる声で告げるのだった。
「姫……この者は、伝説の……マスタークラスの勇者様です!」
大神官の言葉に、召喚の間は余りの衝撃に一瞬誰も声を発する事が出来ず、静寂が訪れたのだった。
しかしすぐにその静寂は、一本の空き缶によって破られた。
「は? マスタークラス?……マスター?……MASTER?……M?……そっちのMと絶対ちゃう! M違いカァアアアン!?!?」
イチカは、カンが召喚陣の中へと完全に呑まれた跡の床を見ながら呟いた。
召喚陣は、カンを飲み込むと徐々に光を失っていき、最後には跡形もなく陣も消えていった。
そして、異世界召喚の際に発生した魔力の嵐が召喚陣の消滅と共に消えると、イチカは指先で何か文字を書くような所作を行った。すると散乱していた本や小物が、ひとりでに元の位置へと戻っていった。
「今回は僕が転移させた訳じゃないから、公園の時ほど介入は出来ないけど……意識誘導くらいは出来るかな?」
楽しそうに微笑みながら、イチカは目を瞑ると、カンの視界を覗きながら何かの術を発動させるのだった。
カンは、床に捨て置かれた空き缶の如く、固まっていた。
何故なら、目に前には自分を見下ろしながら、同じように困惑して固まっている姫がおり、間違いなく自分は場違いだという空気が、その場には流れていたからだった。
「勇者召喚……我は勇者ではなく、魔王なりたいと言っておるのに……どうしてこうなった……」
『あちゃあ……カン、"口は災いの元"という言葉を知ってる? そういや、カンの口って、空き缶の口と同じと考えていいの?』
「ん? それくらい知っておる。それに別に我の口など何処でも良い……というより、そこしか口らしきモノはあるまい」
イチカが割とどうでも良いことをカンに尋ね、そしてカンもまた緊張感なく受け答えをしていたが、カンが現在いる場所はイチカのいる書斎ではなく、勇者召喚を行った異世界の国であるという事をカンは忘れていた。
勇者召喚とは、召喚を行った世界よりも上位の世界に存在している者を強引に喚びこむ方法であり、概ねその様な手法をとる場合は、その世界の者では対処出来ない事態に陥っている事が多い。
今回の場合も正にその様な状況であり、国を襲ってきた魔王軍を国の英雄が迎え撃ったが、辛うじて撃退しただけで、英雄達は瀕死の重傷を負ってしまった。
国の存亡に関わる危機に、国王は古より王家に受け継がれてきた"勇者召喚"行ったのだった。
当然、その様な状況にある国において、不用意に『魔王に成りたい』などと口走った日には、どういった反応をされるかは、火を見るよりも明らかである。
「魔王になりたいですって!?」
「姫! こちらへ! 人外の者が言葉を話すということは、おそらくは魔王の手下! 大神官殿! どうなっている!」
「わからぬ! しかし、魔王の手下という割には、全く魔力を感じぬが……さて?」
召喚者を出迎える為に召喚陣の前に待機していた姫は、控えていた護衛騎士団長に手を引かれ後方へと下がった。そして、召喚儀式を指揮していた大神官に、目の前の喋る空き缶について問いたのだった。
『あらあら、勇者召喚を行う様な国のど真ん中で、不用意に"魔王に、俺はなる!"みたいなこと言えば、そうなって当たり前だよね』
「そこまで、言い切っておらぬわ!」
『そっちの国の人達にしてみれば、同じさ。勇者召喚実施国リストの資料を見てみると……あちゃぁ』
イチカは手持ちのパソコンで、カンが喚ばれた国の詳細情報が記載されている画面を開き、そこに書かれている事を読むと、思わず『君、やっちゃったねぇ』的な声を漏らしていた。
「どうしたのだ!?」
『あぁ……うん。今、こっちのパソコンでそこの国の状況を、詳しく見てみたんだけどね』
「異世界間の情報入手方法が、軽すぎると思うのだが?」
『状況としては……その国で、"魔王に成りたい"と言う様な輩は、きっと生きて帰れないだろうね。それ程に最近起きた戦争で魔王の関係者が、その国の全国民から恨まれるような事を思いっきりやっちゃってるね。取り敢えず……どんまい!』
「自分だけ状況を詳しく把握しよって! 色々雑すぎるぞ!」
「黙れ! お前は一体何者だ!」
「カァアン!? 鉄の剣はやめるのだ! アルミボディが、鉄剣に勝てるわけないであろう!」
護衛騎士団長がカンに向かって鉄剣を向けると、カンは情けない悲鳴を上げた。魔王を目指す空き缶としては、有るまじき醜聞を晒していた。情けないこと、この上ない。
『これぞ、"みっともない姿のお見本"みたいな悲鳴だったね』
「言いたい放題か!?」
「これ、そこのお主、ちと喧しいぞ。それでお主は、一体何者なのじゃ。初見の儂の第一感では、とても魔王の関係者には見えぬのだが」
「おぉ! 分かってくれる者が、ちゃんとおるではないか! しかし……何者と言われてものぉ……」
護衛騎士団長とは異なり、大神官の老人はカンに全く魔力を感じなかった為、先ずは正体を確かめる事としたのだった。
しかしカンは、自身の正体をどう説明したら良いか迷っていた。
『せっかく、誰にでもすぐに説明出来るようにしてあげたのに……何故に、自分のボディの成分表示を見せないのかなぁ? 全く意味がわからないだけど? この空き缶には、脳みそが入って……なかったね。なんだか……言いすぎちゃって、ごめんね……』
「ちょいちょい、我だけに聞こえる声で毒付くでないわ。最後にわざとらしい同情もイラつくからやめよ。しかし、そうだったのだ! 大神官とやら、我はこう言う物だ! 身体に何物かが書いてあるであろう!」
「ん? どれどれ、酷く歪んでおって見にくいが、確かに何か書いてあるのぉ。名はカンというのか、そして……これは!?」
「どうしたのです! 大神官様!」
カンに言われ、大神官はカンを拾い上げると側面の成分表示を読んでいった。
そして"ある文字"を目にした後に、興奮した様子で大声を出した。普段から冷静沈着な大神官が慌てており、且つ興奮している様子を見た姫もまた、その様子に驚きの声をあげた。
そして、大神官は恐る恐るとカンを持つ手を震わせながら、まるで神のお告げでも聞いたかのように荘厳な雰囲気を出しながら、その場にいた全員に聞こえる声で告げるのだった。
「姫……この者は、伝説の……マスタークラスの勇者様です!」
大神官の言葉に、召喚の間は余りの衝撃に一瞬誰も声を発する事が出来ず、静寂が訪れたのだった。
しかしすぐにその静寂は、一本の空き缶によって破られた。
「は? マスタークラス?……マスター?……MASTER?……M?……そっちのMと絶対ちゃう! M違いカァアアアン!?!?」
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