101 / 114
96話 暗殺者
しおりを挟む
「以上です」
延々と続いていた秘書メリッサの発言はそれで締めくくられた。
ようやくか、とため息がつきそうになるのをなんとか堪える。開放された者たちの中には人間もいた。彼らにその素性と罪名などを書かせて提出させていた。その後の身の振り方も含めて決めることは多々あっるため代表として何人か話し合いを持つことになったのが、約100人分の資料を読み上げる作業はうんざりするものだった。
「それで望みは」
人間の代表として5人ほどの男女が市長室に招かれている、そんな彼らに問いかけた。一人が恐る恐ると言った様子で口にする。
「この都市で生活させてもらえれば」
「それだけか?」
「はい。それ以上は望みません」
調べたところ重罪犯などはいない。素性はどこまで確かか不明だが、この地においても問題はあるまいと判断する。
「いいだろう、もちろん労働には参加してもらうがな」
多くのものがホッと安堵する中で1人の男にまだ表情の硬さを感じた。
「緊張してるのか?」
「い、いえ」
口ごもるように否定する。多少は緊張するものかと手に持っていた書類の束を置く。同時にノックの音が響いた。俺の返答に応じてレイチェルが入室してきた。
「どうした?」
「あの子から連絡です」
──あの子、それはイリナにつけたリゼッタのことだ。
「そうか。ご苦労だったな」
受け取った手紙をあらためて、わずかに目を見張る。やってくれたなと。
レイチェルに視線を送れば彼女は少し目を伏せて佇むだけだ。内容を聞きもしない、それは自分の役割ではないということだ。判断するのは俺であり、その意見に従うつもりなのだ。
「レイチェル。みんなを集めてくれ」
「はい。主様」
優雅に一礼して部屋から出ようとする。
「ちょっと待て」
呼び止めると、立ち上がって彼女のもとまで歩み寄る。顔を寄せ、小声で耳打ちしようとすると。レイチェルは一歩後ずさった。
「あ、主様」
レイチェルは何かに迷うように視線を逸らし、訳が分からずにいる俺の強い視線を受けて、喉を鳴らした。そして何をするかと思えば頬を染めて目を閉じた。
「……」
何だと思ってるんだ。いったい。俺が人前で部下を呼び止めて堂々とお別れのキスをする人間にでも見たというのか。説明をするのも馬鹿らしくなってレイチェルの頭に手を乗せる。
「わ」
レイチェルは表情をころころ変えた。最初に驚いたように、次に期待が外れたように、最後は満足そうに。
これで何も起きないのならまったくもって無意味で馬鹿らしい行動だが……。
「危ない!」
秘書のメリッサの叫びがこだました。俺の背後からは隠し持っていた短剣を握りしめた男が襲いかかる! 突然の行動に他の人々は呆気に取ら得て凍りついていた。
もちろん俺に動揺も焦りもない、まったくの狙い通りなのだから。レイチェルの腰を抱いて持ち上げると、短刀を避けながら男に足をかける。
「うわ!」
擦っ転んだ男の腕を足で踏み、首筋に剣を突きつけた。
「動いたら殺す」
「あ、ああ。分かった抵抗しない」
一瞬の出来事だった。周囲のものが我に返った時にはもう男は両手を床につけて降伏していた。
「どういうことなんですか」
仲間たちが集合すると開口一番レイチェルは問いかけた。
「開放された人間に暗殺者が紛れているそうだ。意外と簡単に釣れたな」
リゼッタからの連絡によって敵の企みを知ることができた。目的は混乱による時間稼ぎ。俺が魔帝や主戦派と接触をはかるのを防ぎたいのだろう。
「主様を狙うなんて、見せしめに殺しておきましょう。首を落として城壁に晒し、警告するのです」
「物騒だな」
レイチェルはそう言うが、そんなことをすれば自由都市からあっという間に魔王城に早変わりだ。住民も怯えるし、いいことはないだろう。
情報がほしい、殺してはいけないと。なんとかレイチェルを宥めた。
「洗いざらいすべて話せ。知り得る限りの仲間の情報を」
アステールも厳しい態度で男に言った。
「逆らうなら命の保証はできないぞ」
「たいそうな脅しだな。お嬢ちゃん」
何もできやしないと高をくくっているのか。まだ男の態度にはわずかな余裕があった。これは可哀想なことだ、何も聞かされていないのだろう。
「お前。俺が誰だか聞いてないのか?」
「誰かだって?」
不思議そうに聞き返したことで、やはり捨て駒なのだと確信する。
「俺は──」
「マスター。いけません」
ルシャが俺の言葉を遮ったことで眉をひそめる。今の俺の行動に何か問題でもあるというのか……。
「名乗りは自分でやっちゃ駄目なのです。ここは一番弟子の私が」
「……そうか。好きにしろ」
「恐れ多くもこの方をどなたと心得ている! 天下にとどろく大悪党、その名を聞けば泣く子も黙る、まさに王の中の王」
ルシャのたわ言が続く中で俺はキャンディーの包み紙を開けていく。指弾の要領で飴を弾いて飛ばした。
「天下無双の──あむ」
口の中に放り込まれた異物を感じて言葉がやんだ。ルシャはもごもごと口を動かす。
「あ、美味しい」
顔を明るくする、そんなどこまでも呑気な彼女に「長い」と一言。
「えーっと……残虐王さまです」
「残虐王? 馬鹿なそんなはずは」
証拠とばかりに男の時空間魔術で切り裂いた。
「待てよ……不死鳥、吸血鬼に龍、それにハイエルフ?」
さらに俺の周囲のメンバーを確認し終えると男はさっと顔を青くした。それはそうだろう、こんな面子が人間に従っているとしたら、それは残虐王に他ならない。
「わ、分かった。すべて話す。だから食わないでくれ」
恐れおののいて男は言う。そんなことするわけがないだろうと否定したかったがやめておく。やはり犯罪者相手には残虐王の名は轟いているようだ。
すっかり大人しくなった男を牢屋まで連れていけと守衛に指示を出した。
幸先良く紛れ込んだ暗殺者を見つけ出すことはできた。しかしまだ問題は山積みだ。あと何人いるかも分からない。どうにかして見つけ出す必要があった。
「人を募集してみるかね」
思い付きを口にする。
「警備でも料理人でもいい、掃除人でも。都市計画の運営ができるもの、とかな。とにかく俺に近づけるタイミングのある職で人を募る。俺はこんなところだが何か案は」
「全員追放してしまえばいいのです」
レイチェルは過激な方法を。
「来た人々、全員に暗示をかけて調べるのはどうでしょうか」
セレーネは穏便な方法を提案する。
「追放するわけにはいかないし、暗示も完璧じゃない。質の悪い暗殺者でも釣れたらいいという程度だな。暗示対策をしている腕が立つ本命がいる可能性もある。第一、亜人の中にいないとも限らない」
「そんなことは……」
「ないとは言えないだろ?」
脅されて、暗示をかけられて。その可能性を考えれば全員が疑わしい。そこまで調べて回るには数が多すぎる。
「お祭りをするっていうのはどうだろう。収穫祭とかの」
それまでずっと考え込んでいたルディスが言った。
「人混みと雑踏、暗殺しやすい状況をこちらから作ってやるわけか」
「最近物騒でしたから息抜きにもなりますね」
「亜人と人間が共同で作業する場を作るというのも悪くない」
賛同の言葉があがり、
「手配いたします」
と秘書のメリッサは頷いた。
「そうと決まれば、念のため全員と面談か」
はあとため息をつく。効果のあるか分からない暗示も、やらないよりはましだった。だがそれはつまりまたもや延々と同じ作業が続くことを意味していた。亜人にまで対象を広げれば何日がかりの作業になることか。ある程度、暗殺者の男の情報があるとはいえ、あまり期待し過ぎてもしょうがない。
「頑張ってくれ。市長さま」
そう言うルディスに代わりにやってほしいぐらいだった。
延々と続いていた秘書メリッサの発言はそれで締めくくられた。
ようやくか、とため息がつきそうになるのをなんとか堪える。開放された者たちの中には人間もいた。彼らにその素性と罪名などを書かせて提出させていた。その後の身の振り方も含めて決めることは多々あっるため代表として何人か話し合いを持つことになったのが、約100人分の資料を読み上げる作業はうんざりするものだった。
「それで望みは」
人間の代表として5人ほどの男女が市長室に招かれている、そんな彼らに問いかけた。一人が恐る恐ると言った様子で口にする。
「この都市で生活させてもらえれば」
「それだけか?」
「はい。それ以上は望みません」
調べたところ重罪犯などはいない。素性はどこまで確かか不明だが、この地においても問題はあるまいと判断する。
「いいだろう、もちろん労働には参加してもらうがな」
多くのものがホッと安堵する中で1人の男にまだ表情の硬さを感じた。
「緊張してるのか?」
「い、いえ」
口ごもるように否定する。多少は緊張するものかと手に持っていた書類の束を置く。同時にノックの音が響いた。俺の返答に応じてレイチェルが入室してきた。
「どうした?」
「あの子から連絡です」
──あの子、それはイリナにつけたリゼッタのことだ。
「そうか。ご苦労だったな」
受け取った手紙をあらためて、わずかに目を見張る。やってくれたなと。
レイチェルに視線を送れば彼女は少し目を伏せて佇むだけだ。内容を聞きもしない、それは自分の役割ではないということだ。判断するのは俺であり、その意見に従うつもりなのだ。
「レイチェル。みんなを集めてくれ」
「はい。主様」
優雅に一礼して部屋から出ようとする。
「ちょっと待て」
呼び止めると、立ち上がって彼女のもとまで歩み寄る。顔を寄せ、小声で耳打ちしようとすると。レイチェルは一歩後ずさった。
「あ、主様」
レイチェルは何かに迷うように視線を逸らし、訳が分からずにいる俺の強い視線を受けて、喉を鳴らした。そして何をするかと思えば頬を染めて目を閉じた。
「……」
何だと思ってるんだ。いったい。俺が人前で部下を呼び止めて堂々とお別れのキスをする人間にでも見たというのか。説明をするのも馬鹿らしくなってレイチェルの頭に手を乗せる。
「わ」
レイチェルは表情をころころ変えた。最初に驚いたように、次に期待が外れたように、最後は満足そうに。
これで何も起きないのならまったくもって無意味で馬鹿らしい行動だが……。
「危ない!」
秘書のメリッサの叫びがこだました。俺の背後からは隠し持っていた短剣を握りしめた男が襲いかかる! 突然の行動に他の人々は呆気に取ら得て凍りついていた。
もちろん俺に動揺も焦りもない、まったくの狙い通りなのだから。レイチェルの腰を抱いて持ち上げると、短刀を避けながら男に足をかける。
「うわ!」
擦っ転んだ男の腕を足で踏み、首筋に剣を突きつけた。
「動いたら殺す」
「あ、ああ。分かった抵抗しない」
一瞬の出来事だった。周囲のものが我に返った時にはもう男は両手を床につけて降伏していた。
「どういうことなんですか」
仲間たちが集合すると開口一番レイチェルは問いかけた。
「開放された人間に暗殺者が紛れているそうだ。意外と簡単に釣れたな」
リゼッタからの連絡によって敵の企みを知ることができた。目的は混乱による時間稼ぎ。俺が魔帝や主戦派と接触をはかるのを防ぎたいのだろう。
「主様を狙うなんて、見せしめに殺しておきましょう。首を落として城壁に晒し、警告するのです」
「物騒だな」
レイチェルはそう言うが、そんなことをすれば自由都市からあっという間に魔王城に早変わりだ。住民も怯えるし、いいことはないだろう。
情報がほしい、殺してはいけないと。なんとかレイチェルを宥めた。
「洗いざらいすべて話せ。知り得る限りの仲間の情報を」
アステールも厳しい態度で男に言った。
「逆らうなら命の保証はできないぞ」
「たいそうな脅しだな。お嬢ちゃん」
何もできやしないと高をくくっているのか。まだ男の態度にはわずかな余裕があった。これは可哀想なことだ、何も聞かされていないのだろう。
「お前。俺が誰だか聞いてないのか?」
「誰かだって?」
不思議そうに聞き返したことで、やはり捨て駒なのだと確信する。
「俺は──」
「マスター。いけません」
ルシャが俺の言葉を遮ったことで眉をひそめる。今の俺の行動に何か問題でもあるというのか……。
「名乗りは自分でやっちゃ駄目なのです。ここは一番弟子の私が」
「……そうか。好きにしろ」
「恐れ多くもこの方をどなたと心得ている! 天下にとどろく大悪党、その名を聞けば泣く子も黙る、まさに王の中の王」
ルシャのたわ言が続く中で俺はキャンディーの包み紙を開けていく。指弾の要領で飴を弾いて飛ばした。
「天下無双の──あむ」
口の中に放り込まれた異物を感じて言葉がやんだ。ルシャはもごもごと口を動かす。
「あ、美味しい」
顔を明るくする、そんなどこまでも呑気な彼女に「長い」と一言。
「えーっと……残虐王さまです」
「残虐王? 馬鹿なそんなはずは」
証拠とばかりに男の時空間魔術で切り裂いた。
「待てよ……不死鳥、吸血鬼に龍、それにハイエルフ?」
さらに俺の周囲のメンバーを確認し終えると男はさっと顔を青くした。それはそうだろう、こんな面子が人間に従っているとしたら、それは残虐王に他ならない。
「わ、分かった。すべて話す。だから食わないでくれ」
恐れおののいて男は言う。そんなことするわけがないだろうと否定したかったがやめておく。やはり犯罪者相手には残虐王の名は轟いているようだ。
すっかり大人しくなった男を牢屋まで連れていけと守衛に指示を出した。
幸先良く紛れ込んだ暗殺者を見つけ出すことはできた。しかしまだ問題は山積みだ。あと何人いるかも分からない。どうにかして見つけ出す必要があった。
「人を募集してみるかね」
思い付きを口にする。
「警備でも料理人でもいい、掃除人でも。都市計画の運営ができるもの、とかな。とにかく俺に近づけるタイミングのある職で人を募る。俺はこんなところだが何か案は」
「全員追放してしまえばいいのです」
レイチェルは過激な方法を。
「来た人々、全員に暗示をかけて調べるのはどうでしょうか」
セレーネは穏便な方法を提案する。
「追放するわけにはいかないし、暗示も完璧じゃない。質の悪い暗殺者でも釣れたらいいという程度だな。暗示対策をしている腕が立つ本命がいる可能性もある。第一、亜人の中にいないとも限らない」
「そんなことは……」
「ないとは言えないだろ?」
脅されて、暗示をかけられて。その可能性を考えれば全員が疑わしい。そこまで調べて回るには数が多すぎる。
「お祭りをするっていうのはどうだろう。収穫祭とかの」
それまでずっと考え込んでいたルディスが言った。
「人混みと雑踏、暗殺しやすい状況をこちらから作ってやるわけか」
「最近物騒でしたから息抜きにもなりますね」
「亜人と人間が共同で作業する場を作るというのも悪くない」
賛同の言葉があがり、
「手配いたします」
と秘書のメリッサは頷いた。
「そうと決まれば、念のため全員と面談か」
はあとため息をつく。効果のあるか分からない暗示も、やらないよりはましだった。だがそれはつまりまたもや延々と同じ作業が続くことを意味していた。亜人にまで対象を広げれば何日がかりの作業になることか。ある程度、暗殺者の男の情報があるとはいえ、あまり期待し過ぎてもしょうがない。
「頑張ってくれ。市長さま」
そう言うルディスに代わりにやってほしいぐらいだった。
0
お気に入りに追加
691
あなたにおすすめの小説
異世界召喚された俺は余分な子でした
KeyBow
ファンタジー
異世界召喚を行うも本来の人数よりも1人多かった。召喚時にエラーが発生し余分な1人とは召喚に巻き込まれたおっさんだ。そして何故か若返った!また、理由が分からぬまま冤罪で捕らえられ、余分な異分子として処刑の為に危険な場所への放逐を実行される。果たしてその流刑された所から生きて出られるか?己の身に起こったエラーに苦しむ事になる。
サブタイトル
〜異世界召喚されたおっさんにはエラーがあり処刑の為放逐された!しかし真の勇者だった〜
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?
名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」
「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」
「それは貴様が無能だからだ!」
「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」
「黙れ、とっととここから消えるがいい!」
それは突然の出来事だった。
SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。
そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。
「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」
「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」
「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」
ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。
その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。
「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる