はじめてのラブコメ

沼津平成

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01 出会い

僕らは屋上で出会いました。

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 僕らは屋上で出会った。
 僕は岸谷充。中学2年生だ。そして僕の隣に座る女性は中田ゆりな。高校1年生の年齢なのだけれど、中2のときに留年してるから、今も在学中だ。
 僕は、浮かれているほうで、自分に飽きて、校舎の端っこに腰掛け、足をぶらぶらしながら校庭を眺めていた。
 お尻の力を抜いたら、死んでしまうという不安も、その時は感じなかった。

 あるときだった。

「わっ!」と声がした。

……!

 僕は驚きの余り力を抜いて転落した。




 死んだ……のか?
 ここは……どこ?
 待って、生きてる……。
 怖いよ、怖いよ、何もない……。
 深呼吸して気持ちを沈めようとするが、何もないのは誰だって怖い。
 それは慰めにもならなかった。

「あ、起きたみたいだねー」間延びした、ふらっとな声がした。

「誰だ……!」僕は声を荒らげた。

「まあまあ。落ち着いて。私は中田ゆりな。友達になりたくて、ちょっとからかっただけ」

 ちょっと、って、あなたにとってちょっとはどこからどこなんですか、と反論しようとしたが、全身がちくりと痛む。見ると全身に痣をまとっていた。

「痛ァ……」

「だから、体動かさないどいて、ほれ、寝といて」

「で、ここはどこなんですか」

「あ、ここ……?」

 ゆりなは不意に体を動かした。耳元で彼女が囁いたことは、意外でかつ、半ば予期していたことだった。

『私ん家』
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