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にぃたんの日常 ――Nitan's Fun Week 1
Day1
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Day1「しあわせなにいたん」
にいにい、にいにい。
妖精にいたんに、新しいなかまがうまれました。
トム君という少年がそれを見つけて、聞きました。
「にいたん族はいつからいたの?」
「そうだねえ、大体300年前からいたそうだよ」
隣の老人がしゃがんで、木の中にすむにいたん族を見つめ始めます。なんてことない様子です。
しかしトムは、「さ、300年……?」
長い年数にあきれながらも、少し興味がわいてきました。
昼になりました。
「これがにいたんのあかちゃん?」
黄色いつぶを指さしてトムは聞きました。そう、トムたちはまたあの森に来たのです。
「ちがうよ。これはたまごだよ」
老人が答えました。
「あかちゃんまではあと30分くらいかな?」
「どうしてわかるの」
「ほら、このたまごとか――」
老人は1粒をつまみました。あまり力は加えていません。力を入れるとつぶれてしまうのです。
「少し赤みがかっているだろう? 赤いのは、『もうそろそろたまごからかえるよ~』ってにいたんがいっているんだよ」
「でもにいたんは、『にい』としかいわないよ?」
「――そう言っているように聞こえるのさ」
二人は森をあとにしました。
トム少年はにいたんのたまごを1つつまんでポケットの中にいれていましたが、家に着いたときもうたまごはつぶれてしまっていました。
にいにい、にいにい。
妖精にいたんに、新しいなかまがうまれました。
トム君という少年がそれを見つけて、聞きました。
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しかしトムは、「さ、300年……?」
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