小説指南もどき

第一章 沼津平成が描写を身につけるまで

「棒人間と洗濯機」に見るプロットの大切さ

　今回から何回かに分けてプロットの話をしていこうと考えています。まず初期作品から取り上げていこう、と考えました。前話が初期から「成長」についてだったので。「棒人間の洗濯機」がまだマシだなーと思ったので取り上げることに決定しました。
　これは、棒人間がボーナスをつぎ込んで買った洗濯機にまつわる話が、じつはループしていたという話です。
　プロットを分けてみてみましょう。

①棒人間が新しい洗濯機を買った。
②ボーナスをつぎ込んで買った代物である。
③一つ目のボタンを押す。
④33時間も洗濯されてしまう。
⑤二つ目のボタンを押す。
⑥赤い服が白いシャンプーにより白くなってしまう。
⑦もう一つボタンを見つける。
⑧取扱説明書を読み、好奇心にそそられてボタンを押す。
⑨大爆発。
⑩ボーナスが入っている。最新型が発売されたと知る。
（⑪棒人間が新しい洗濯機を買う。）

　元々の構成はちぐはぐだったので、後付けですがこういう風にプロットを組み立ててみました。
　プロットをこういう風にに組み立てるときは、奇数がお勧めです。半分あたりで折り返すのです。小説は感情です。エッセイじゃありません。二つ事件を起こしましょう。短編のようにかけ離してみましょう。

前半　優等生ふたりの恋愛　後半　恋した相手が実は暴走族の娘だったと判明し、一緒にロックバンドをやる

というふうに。
　偶数で起きたことをまとめて、二つのことを書いて、その真ん中に「どうして（後半の出来事）をすることになったのか」という分岐点を設けてみよましょう。今回は⑦のもう一つボタンを見つける　ですね。
　いままでは一つのボタンにつき二つずつ◯枠を裂いていて、それが原因と結果です。しかし、今回は原因を二つに分けて書いています。取扱説明書を読ませるという一手間を置いたせいですね。
　このように、プロットは印象付けるために重要な伏線などは場にそぐわないときに使うといいでしょう。