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テツパグの旅

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「向田、向田……」第一ミッション場「向田」へは、5km。1歩1円の旅を歩くテツこりは、歩数を刻んで歩くことに熱中しているテツに万歩計を渡した。
 パグチームもパグと決まり、両チーム歩き出して、1kmほど歩いた時、テツが、いきなり、「換金!」と叫んだ。「もうそろそろ、いいんじゃない」
 見ると、万歩計は「5000」だった。五千円で電車に乗り、残りの二千円で、事前に手渡されていた命令ボタンを押した。
 この旅では「千歩一命令」といって、一千円払うと一つ命令ができるようになるのだ。パグチームに。スタッフが、判断する。基本的にはOKだが稀に変なお願いもあるので、そこは、聞いておかねばならない。
「1つ。午前十時まで朝飯禁止!」
 それは、「あっ、焼肉!」焼肉屋を見つけ感動していたパグチームを、絶望の淵に落とし込む命令。テツチームはそれを聞いて飛び上がった。「ナイスだ!」茶肌の高校生、こりどうがほめる。白肌の中学生、ハルと、白肌の中高一貫校の学園生という説が有力なJ吉。肝心のテツは小学3年生だが、「頭脳係」に任命されている。他の人が大事な役を担っているのだ。こりどうが「勇気担当」ハルが「試作・試乗担当(武器などを作る場合)」J吉が「フリー・アシスト団員」だ。
 パグというのはでぶなサラリーマンでテツの実の親だ。
 テツこりもここで少し解説しておこう。
 登場人物のように書く。

 テツは小学三年生の空想の国「アラバキ」の王だ。長座体前屈が得意な、頭脳担当。最年少。足が遅く、上体も三十秒間で十六回しかできない。百三十五センチ。
 ハルは中学生の同。試作・試乗担当で、敵の棒人間国を倒すのにハルがいなかったらボロボロな戦いだ。百五十九センチ。
 こりどうは茶肌の高校生で同。勇気担当で、棒人間にテツの次に目をつけられやすい。関西弁。百八十三センチ。
 J吉は学園生で四年。高校一年生だ。同。マルチ担当で困り事があればすぐにかかりつける、身長は割と低い方。もうすぐテツに追い越されそう。

 こんな感じだろうか。
「わん! わおーん」
 パグは遊びで吠えていた。
「わんわん」
 テツは、いうとおもう。「パグちゃん。もうお遊びはおよし?」下手な声色を使って、キャバレーのママのような声で。
「パグチャン?」現に声がしたので、パグちゃんは驚いて振り向いた。
 と、そのとき、配給されたスマホからその音が鳴っていると気付いた。待受は自分の顔。子供からは、「子泣き爺」といって、いやがられる写真だ。設定をテツがいじくったらしい。
「テツちゃん」パグは、テツに似た声でいった。
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