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88話 現代最強の魔法使い
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リュウガとレイの手合わせが終わった丁度その時、
「ただいま~」
ギルドマスターであるマイが魔法使い組と一緒に帰って来た。
「あっ! サブマス帰って来たんだ! 冥府から」
「おう。久しぶりだな。そっちはどんな感じだ?」
「いや~順調だよ。私はそこらのSランクじゃ相手にならないくらいには強くなったよ。他の皆も強くなってるよ。そっちは?」
「ぶっちゃっけ俺は停滞してるな」
「ありゃりゃ? そうなの?」
「そこらの神なら問題なく殺せるが敵の大将となる大神ゼーリオクラスが相手だと物足りないんだよ」
「まぁ、サブマスは実力が元々頭抜けてるから仕方ないね」
う~んと考えるマイは何かを思いついたような顔をすると、
「じゃあさ! サブマスは龍帝と手合わしたら? 現状の最高戦力同士でさ?」
マイは最高の提案とばかりに言う。しかし、
「神と戦う前に死ぬわ」
「え~いい案だと思うんだけどな」
「そうですね。主様はその方が良いかもしれませんね」
話を聞いていたウェンが話に入って来る。
「龍帝は疑う必要もないこの世界最強です。主様はそれに次いで2番目の戦力です。貴方たち2人が今回の戦争の勝敗を左右しますからね。龍帝には私の方から念話しておきますね」
「はぁ~、それしかないか。それじゃあ連絡頼む」
「えぇ、任せてください」
こうしてウェンが龍帝に念話をすると、
「・・・・それではお願いします。すぐに来るそうです」
「そうか」
リュウガが返事をした瞬間に外で雷が鳴り響きそこには龍帝がいた。
「それじゃあ行くぞ」
「帰って来るのはおそらく戦争が近くなってからだからまた暫くはギルドを空ける事になるが何の問題もないだろ?」
「問題な~し。それよりも神様なんて瞬殺出来るくらいには強くなって帰って来てね」
そうして挨拶を交わしてリュウガは龍帝に連れられて雷と共にギルドから消えるのであった。
「いや~自分で提案しておいて何だけどせっかく久しぶりに会えたんだから私の今の実力を見せてから特訓に向かわせるべきだったかな?」
そんな事を言うマイにウェンは、
「戦争が始まったら嫌でも見せる事になりますよ」
「そっか、そうだよね」
そんな会話をするマイは思考を即座に切り替えると、
「よしっ! 誰か手合わせしない?」
「いいですね。誰にします? 今のギルマスはSランク相手でも戦えるレベルだと思いますからね。私かルイのどちらかですね」
「えっ!? 今の2人はSランクなんて括りから外れてるレベルでしょ!! 流石に無理だよ! ルークさんは?」
「ルークは他のメンバーの指導をゴウと一緒にしてます」
「ありゃ~それならしょうがないね」
そう言ってマイが手合わせの相手にしたのは、
「ルイ、やろっか」
「ギルマスだからって容赦しないからね!」
「もちろん。ある程度本気でやらないと意味がないからね!」
こうしてマイvsルイが決定するのであった。こうして向き合う2人を観戦しているレイとウェン。そんなウェンにレイは質問する。
「どうなると思います?」
「分かりません。私には魔法使いの実力が分かりませんから。ただルイは聖槍使いとして歴代でもトップクラスでしょう」
「そうですか(そうなるとやはりゴウ、ルークの帰りを待ってからギルマスの実力を試すべきでしたかね?)」
と思うレイであるが、
「それじゃあ、始めるわよ!」
ルイが突撃する。その速度に対応出来る人間は国内どころか国外にもそうそういないだろう。その速さにマイは対応してみせる。
『蒼雷』
ルイの突きがマイに届く前に蒼い雷がルイを襲う。直撃であったが聖槍に込められた魔力により大ダメージは免れたが決して痛くない訳ではない。
(突きが届く前に攻撃を飛んできた。反応が速くなってる? 魔法使いが? 何か仕掛けがあるはず)
ルイの予想は当たってる。マイは速さに反応は出来てない。だが対応するための魔法を開発したのだ。
『自動迎撃魔法』
自身に攻撃が来たらそれに対して自動で‘蒼雷’が襲いかかる魔法だ。この魔法は昔から存在していた魔法使いが近接戦闘に対応するために開発されたが消費魔力が激しく習得難易度も高いので廃れたのをマイが習得してかつ、改良して消費魔力を抑える事にも成功させたのだ。今のマイに攻撃を当てるのはハードルが高くなっている。
(さっきのような事になってもいいように防御魔法が飛んでも怯まずに攻撃出来るように防御魔力を7、攻撃魔力を3の割合にする)
魔力調整をして再度高速の突きをする。しかし、馬鹿正直に同じような突きではなくフェイントを入れてから突きを入れる。それに対して‘自動迎撃魔法’がルイを襲うがそれは折り込み済みで攻撃を繰り出しているのだ。攻撃に対して怯まずにそのまま突きを放つが、
『防御結界【極】』
結界により突きが弾かれる。その結界を見たウェンは少し驚いた表情を見せる。
「凄いですね。まさか私の結界を模倣するなんて」
「龍である貴女の結界を!?」
ウェンの言葉にレイも驚く。
「勿論完璧ではありません。私のは全方位を守りますがギルマスのは正面のみ。おそらくそう言ったデメリットを作る事で模倣したのでしょう」
ウェンの言葉通りでありマイは正面にのみ防御結界を展開する事で本来必要な消費魔力をカットしているのだ。
「先程からルイを襲う自動迎撃魔法といいギルマス優勢ですね。さぁ、ルイはどうしますかね」
ルイに視線が向く。
(フェイントに対してギルマスは驚いた表情をしていたから反応してから魔法であたしに攻撃してるんじゃなくて何かしらの魔法で自動で攻撃してるのが分かった。それが1番厄介。それのせいで防御に魔力を回さないといけない。結果として攻撃に魔力を回すのが減ってしまう。しかもその攻撃じゃ防御結界を破れない)
はっきり言って不利な状況である。そんなルイに考える時間を与えないように、
「どんどんいくよ『極炎』」
黒い炎がルイを襲う。威力はあるが速度がないためにあっさりとかわされるがそんなのは想定済みであり、
『聖水』
高圧縮させた聖水がルイを襲う。威力は‘極炎’に劣るが速度はあるこの魔法をルイはかわせない。
「うっ!」
腹に当たり吹っ飛ばされるがまだまだ戦えるとばかりに体勢を立て直して槍を構えると魔力を集中させると突きを放つ。殺さない程度に手加減されているがそれでも下手をすれば重症で当分は寝たきりが確定となるような一撃。
(この距離からの攻撃には迎撃魔法は発動きないようね)
吹っ飛ばされたのが幸いしたのか‘自動迎撃魔法’が発動せずにいた。そのまま高威力の魔力の塊がルイを襲う。
「ほいっとな」
そんな気の抜けるような声と共にマイが杖を振るとルイの放った魔力の塊が跳ね返る。
「な、何よ!? それ~!?」
動転したルイはまともに自分の放った魔力を顔面に受ける。聖槍の魔力に守られているので重症には至らなかったが大きく吹っ飛んだ。
「あ~今の何よ~」
ガバッと起き上がってマイに詰め寄る。
「ルイの今の攻撃ってただの魔力の塊で魔法使いみたいに形を与えてる訳じゃないから簡単に操作出来るんだよね」
「はぁ~! そんなのズルでしょ!」
ギャンギャン騒ぐルイ。そんな様子を見ていたレイは、
「これは驚きましたね。そんな事が可能なんて」
「そうですね。魔力の量、質共に人間の中では最高峰かもしれませんね。ただし、今のはルイが焦ったのが悪いですね。貴方なら勝てましたよね?」
「初見だとあの自動防御があって厳しいですね。今はもう見たので如何様にも対応出来るので勝ち筋はいくらでもありますが」
正直相性の問題だろうとレイは考えていた。手数や速さで攻めるタイプならいくらでも対応出来ただろうがルイの戦闘スタイルは高威力で敵を吹っ飛ばして早期に決着をつけるのはマイに対応出来ない。
「この一年で一番伸びたのはギルマスですね」
それだけマイの成長は凄まじく魔法大国オズワルドにおいても最強の魔法使いであり現代で彼女を超える魔法使いは存在しないほどにまでなっていた。それでもまだ神と戦うには力不足であるがどこまで伸びるか。戦争まで後3年と半年。
「ただいま~」
ギルドマスターであるマイが魔法使い組と一緒に帰って来た。
「あっ! サブマス帰って来たんだ! 冥府から」
「おう。久しぶりだな。そっちはどんな感じだ?」
「いや~順調だよ。私はそこらのSランクじゃ相手にならないくらいには強くなったよ。他の皆も強くなってるよ。そっちは?」
「ぶっちゃっけ俺は停滞してるな」
「ありゃりゃ? そうなの?」
「そこらの神なら問題なく殺せるが敵の大将となる大神ゼーリオクラスが相手だと物足りないんだよ」
「まぁ、サブマスは実力が元々頭抜けてるから仕方ないね」
う~んと考えるマイは何かを思いついたような顔をすると、
「じゃあさ! サブマスは龍帝と手合わしたら? 現状の最高戦力同士でさ?」
マイは最高の提案とばかりに言う。しかし、
「神と戦う前に死ぬわ」
「え~いい案だと思うんだけどな」
「そうですね。主様はその方が良いかもしれませんね」
話を聞いていたウェンが話に入って来る。
「龍帝は疑う必要もないこの世界最強です。主様はそれに次いで2番目の戦力です。貴方たち2人が今回の戦争の勝敗を左右しますからね。龍帝には私の方から念話しておきますね」
「はぁ~、それしかないか。それじゃあ連絡頼む」
「えぇ、任せてください」
こうしてウェンが龍帝に念話をすると、
「・・・・それではお願いします。すぐに来るそうです」
「そうか」
リュウガが返事をした瞬間に外で雷が鳴り響きそこには龍帝がいた。
「それじゃあ行くぞ」
「帰って来るのはおそらく戦争が近くなってからだからまた暫くはギルドを空ける事になるが何の問題もないだろ?」
「問題な~し。それよりも神様なんて瞬殺出来るくらいには強くなって帰って来てね」
そうして挨拶を交わしてリュウガは龍帝に連れられて雷と共にギルドから消えるのであった。
「いや~自分で提案しておいて何だけどせっかく久しぶりに会えたんだから私の今の実力を見せてから特訓に向かわせるべきだったかな?」
そんな事を言うマイにウェンは、
「戦争が始まったら嫌でも見せる事になりますよ」
「そっか、そうだよね」
そんな会話をするマイは思考を即座に切り替えると、
「よしっ! 誰か手合わせしない?」
「いいですね。誰にします? 今のギルマスはSランク相手でも戦えるレベルだと思いますからね。私かルイのどちらかですね」
「えっ!? 今の2人はSランクなんて括りから外れてるレベルでしょ!! 流石に無理だよ! ルークさんは?」
「ルークは他のメンバーの指導をゴウと一緒にしてます」
「ありゃ~それならしょうがないね」
そう言ってマイが手合わせの相手にしたのは、
「ルイ、やろっか」
「ギルマスだからって容赦しないからね!」
「もちろん。ある程度本気でやらないと意味がないからね!」
こうしてマイvsルイが決定するのであった。こうして向き合う2人を観戦しているレイとウェン。そんなウェンにレイは質問する。
「どうなると思います?」
「分かりません。私には魔法使いの実力が分かりませんから。ただルイは聖槍使いとして歴代でもトップクラスでしょう」
「そうですか(そうなるとやはりゴウ、ルークの帰りを待ってからギルマスの実力を試すべきでしたかね?)」
と思うレイであるが、
「それじゃあ、始めるわよ!」
ルイが突撃する。その速度に対応出来る人間は国内どころか国外にもそうそういないだろう。その速さにマイは対応してみせる。
『蒼雷』
ルイの突きがマイに届く前に蒼い雷がルイを襲う。直撃であったが聖槍に込められた魔力により大ダメージは免れたが決して痛くない訳ではない。
(突きが届く前に攻撃を飛んできた。反応が速くなってる? 魔法使いが? 何か仕掛けがあるはず)
ルイの予想は当たってる。マイは速さに反応は出来てない。だが対応するための魔法を開発したのだ。
『自動迎撃魔法』
自身に攻撃が来たらそれに対して自動で‘蒼雷’が襲いかかる魔法だ。この魔法は昔から存在していた魔法使いが近接戦闘に対応するために開発されたが消費魔力が激しく習得難易度も高いので廃れたのをマイが習得してかつ、改良して消費魔力を抑える事にも成功させたのだ。今のマイに攻撃を当てるのはハードルが高くなっている。
(さっきのような事になってもいいように防御魔法が飛んでも怯まずに攻撃出来るように防御魔力を7、攻撃魔力を3の割合にする)
魔力調整をして再度高速の突きをする。しかし、馬鹿正直に同じような突きではなくフェイントを入れてから突きを入れる。それに対して‘自動迎撃魔法’がルイを襲うがそれは折り込み済みで攻撃を繰り出しているのだ。攻撃に対して怯まずにそのまま突きを放つが、
『防御結界【極】』
結界により突きが弾かれる。その結界を見たウェンは少し驚いた表情を見せる。
「凄いですね。まさか私の結界を模倣するなんて」
「龍である貴女の結界を!?」
ウェンの言葉にレイも驚く。
「勿論完璧ではありません。私のは全方位を守りますがギルマスのは正面のみ。おそらくそう言ったデメリットを作る事で模倣したのでしょう」
ウェンの言葉通りでありマイは正面にのみ防御結界を展開する事で本来必要な消費魔力をカットしているのだ。
「先程からルイを襲う自動迎撃魔法といいギルマス優勢ですね。さぁ、ルイはどうしますかね」
ルイに視線が向く。
(フェイントに対してギルマスは驚いた表情をしていたから反応してから魔法であたしに攻撃してるんじゃなくて何かしらの魔法で自動で攻撃してるのが分かった。それが1番厄介。それのせいで防御に魔力を回さないといけない。結果として攻撃に魔力を回すのが減ってしまう。しかもその攻撃じゃ防御結界を破れない)
はっきり言って不利な状況である。そんなルイに考える時間を与えないように、
「どんどんいくよ『極炎』」
黒い炎がルイを襲う。威力はあるが速度がないためにあっさりとかわされるがそんなのは想定済みであり、
『聖水』
高圧縮させた聖水がルイを襲う。威力は‘極炎’に劣るが速度はあるこの魔法をルイはかわせない。
「うっ!」
腹に当たり吹っ飛ばされるがまだまだ戦えるとばかりに体勢を立て直して槍を構えると魔力を集中させると突きを放つ。殺さない程度に手加減されているがそれでも下手をすれば重症で当分は寝たきりが確定となるような一撃。
(この距離からの攻撃には迎撃魔法は発動きないようね)
吹っ飛ばされたのが幸いしたのか‘自動迎撃魔法’が発動せずにいた。そのまま高威力の魔力の塊がルイを襲う。
「ほいっとな」
そんな気の抜けるような声と共にマイが杖を振るとルイの放った魔力の塊が跳ね返る。
「な、何よ!? それ~!?」
動転したルイはまともに自分の放った魔力を顔面に受ける。聖槍の魔力に守られているので重症には至らなかったが大きく吹っ飛んだ。
「あ~今の何よ~」
ガバッと起き上がってマイに詰め寄る。
「ルイの今の攻撃ってただの魔力の塊で魔法使いみたいに形を与えてる訳じゃないから簡単に操作出来るんだよね」
「はぁ~! そんなのズルでしょ!」
ギャンギャン騒ぐルイ。そんな様子を見ていたレイは、
「これは驚きましたね。そんな事が可能なんて」
「そうですね。魔力の量、質共に人間の中では最高峰かもしれませんね。ただし、今のはルイが焦ったのが悪いですね。貴方なら勝てましたよね?」
「初見だとあの自動防御があって厳しいですね。今はもう見たので如何様にも対応出来るので勝ち筋はいくらでもありますが」
正直相性の問題だろうとレイは考えていた。手数や速さで攻めるタイプならいくらでも対応出来ただろうがルイの戦闘スタイルは高威力で敵を吹っ飛ばして早期に決着をつけるのはマイに対応出来ない。
「この一年で一番伸びたのはギルマスですね」
それだけマイの成長は凄まじく魔法大国オズワルドにおいても最強の魔法使いであり現代で彼女を超える魔法使いは存在しないほどにまでなっていた。それでもまだ神と戦うには力不足であるがどこまで伸びるか。戦争まで後3年と半年。
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