4 / 10
四話
しおりを挟む
ゴールデンウィークになった。最近時間が凄い早く感じるようになった。多分、病院生活だったからなんだとは思う。退院して、結構充実した生活を送れているのは事実だった。
今日は、元々居た病院の同室だった子のところへ行く。個室になってしまったらしいから、顔にくまが出来てないか心配だ。それに、恋バナは是非聞きたい。
「ママ、早く行くよ!」
「夢ったら、今行くわ。車出すから待ってちょうだい。」
ママの化粧はとても長い。1時間半ぐらい?かかるらしい。笑えるよね、ママは綺麗なのにもっと綺麗にしたら変な人まで寄って来ちゃうよ!
「よし、完成。車乗って。」
車のドアを開けたり閉めたりする事は出来ない。やったことがない。いつも、ママが開いて閉じるのが当たり前。車に乗った。病院までは、約1時間くらいの距離だと思う。それまで、寝ることにした。
夢を見た。彼が居る、隣にはいつも同じ病室の男の子とその妻が居た。仲のいい3人、だけどある日男の子と彼は喧嘩した。理由は、妻と結婚する前の話だった。よく、この夢を見る。
病院に着いた。起こしてもらって、面会の許可をもらって、病室に向かった。その途中、久しぶりに元担当医の先生に会った。
「久しぶりだね、元気だった?体調の変化はない?」
「久しぶりです。瀬尾先生、体調の方は良いですよ。」
「そう。それは、良かった。こころちゃんに会いに来たんだね!こっちの部屋だよ。」
案内されたのは、完全個室。薄暗い部屋に、こころの姿が見えた。
「こころちゃん、来たよ。僕は、1度部屋から出るから何かあったら声かけてくれ。ひかりさんと話をしてるよ。ひかりさん、こちらへ。」
ママと、瀬尾先生は、部屋から出て行った。
「こころ?1人にしてごめんね!」
「夢、来てくれたのね。嬉しい。こころ、1人寂しかったよ。」
「大丈夫なの?」
「うん。聞いてよ!こころ、いっぱい京先生とおしゃべり出来るんだよ。個室は、寂しいけど好きな人とおしゃべり出来るのは最高だよ。」
こころの顔は、色素が薄い。肌は白く、唇は青紫に近く、目の下にはクマが酷い。そして、身体は細くて小さい15歳には見えない幼さ。
「あっ!ねぇ、夢の話聞かせてよ。高校生活がどんな感じなの?」
「えっ、楽しいよ。仲良くしてくれる人がいるの。家が近所にあってね」
「えっ!男子?」
「うん。まぁね!彼女さんがいる素敵な人だよ。」
「ほぉ、良いなぁ。近所に住んでる年頃の子と…漫画みたいだね!」
「そう?」
こころとたくさんお話した。時間になってしばらくしてママがドアをノックして、開けて
「こころちゃん、久しぶりね。あら、こんなに痩せて食べてる?心配だわ。」
「ありがとうございます。大丈夫ですよ。ひかりおばさん。」
「これ、最新巻と最新号とお洋服を買ったの。瀬尾先生から許可をもらったから是非どうぞ。」
「え?!良いんですか?ありがとうございます。」
「良いのよ。あっ、そうだわ!夢。瀬尾先生が、3番診察室に来てって。」
「分かった。こころ、また後でね!」
「うん。」
ドアを閉めた。部屋を出た直後、聞こえてしまった。
「こころちゃん、辛かったでしょう。両親が亡くなるなんて、夢には言ったの?」
「まだです。だって夢は今すごい幸せそうなんですから」
「そっか…。」
え?あまりにも、突然の出来事だった。
今日は、元々居た病院の同室だった子のところへ行く。個室になってしまったらしいから、顔にくまが出来てないか心配だ。それに、恋バナは是非聞きたい。
「ママ、早く行くよ!」
「夢ったら、今行くわ。車出すから待ってちょうだい。」
ママの化粧はとても長い。1時間半ぐらい?かかるらしい。笑えるよね、ママは綺麗なのにもっと綺麗にしたら変な人まで寄って来ちゃうよ!
「よし、完成。車乗って。」
車のドアを開けたり閉めたりする事は出来ない。やったことがない。いつも、ママが開いて閉じるのが当たり前。車に乗った。病院までは、約1時間くらいの距離だと思う。それまで、寝ることにした。
夢を見た。彼が居る、隣にはいつも同じ病室の男の子とその妻が居た。仲のいい3人、だけどある日男の子と彼は喧嘩した。理由は、妻と結婚する前の話だった。よく、この夢を見る。
病院に着いた。起こしてもらって、面会の許可をもらって、病室に向かった。その途中、久しぶりに元担当医の先生に会った。
「久しぶりだね、元気だった?体調の変化はない?」
「久しぶりです。瀬尾先生、体調の方は良いですよ。」
「そう。それは、良かった。こころちゃんに会いに来たんだね!こっちの部屋だよ。」
案内されたのは、完全個室。薄暗い部屋に、こころの姿が見えた。
「こころちゃん、来たよ。僕は、1度部屋から出るから何かあったら声かけてくれ。ひかりさんと話をしてるよ。ひかりさん、こちらへ。」
ママと、瀬尾先生は、部屋から出て行った。
「こころ?1人にしてごめんね!」
「夢、来てくれたのね。嬉しい。こころ、1人寂しかったよ。」
「大丈夫なの?」
「うん。聞いてよ!こころ、いっぱい京先生とおしゃべり出来るんだよ。個室は、寂しいけど好きな人とおしゃべり出来るのは最高だよ。」
こころの顔は、色素が薄い。肌は白く、唇は青紫に近く、目の下にはクマが酷い。そして、身体は細くて小さい15歳には見えない幼さ。
「あっ!ねぇ、夢の話聞かせてよ。高校生活がどんな感じなの?」
「えっ、楽しいよ。仲良くしてくれる人がいるの。家が近所にあってね」
「えっ!男子?」
「うん。まぁね!彼女さんがいる素敵な人だよ。」
「ほぉ、良いなぁ。近所に住んでる年頃の子と…漫画みたいだね!」
「そう?」
こころとたくさんお話した。時間になってしばらくしてママがドアをノックして、開けて
「こころちゃん、久しぶりね。あら、こんなに痩せて食べてる?心配だわ。」
「ありがとうございます。大丈夫ですよ。ひかりおばさん。」
「これ、最新巻と最新号とお洋服を買ったの。瀬尾先生から許可をもらったから是非どうぞ。」
「え?!良いんですか?ありがとうございます。」
「良いのよ。あっ、そうだわ!夢。瀬尾先生が、3番診察室に来てって。」
「分かった。こころ、また後でね!」
「うん。」
ドアを閉めた。部屋を出た直後、聞こえてしまった。
「こころちゃん、辛かったでしょう。両親が亡くなるなんて、夢には言ったの?」
「まだです。だって夢は今すごい幸せそうなんですから」
「そっか…。」
え?あまりにも、突然の出来事だった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
義妹が大事だと優先するので私も義兄を優先する事にしました
さこの
恋愛
婚約者のラウロ様は義妹を優先する。
私との約束なんかなかったかのように…
それをやんわり注意すると、君は家族を大事にしないのか?冷たい女だな。と言われました。
そうですか…あなたの目にはそのように映るのですね…
分かりました。それでは私も義兄を優先する事にしますね!大事な家族なので!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
私のことを愛していなかった貴方へ
矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。
でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。
でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。
だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。
夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。
*設定はゆるいです。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる