アイトイウ

nemuri

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三話

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変な時間に目を覚ましてしまった。なんか、薄暗いなぁと思いながらのんびりしていると

「起きられましたか?」

食事を持って入って来たのは、可愛らしい女の子だった。

「おはよう、貴女は?」
「鈴蘭って名前です。お姉様方は、働いている時間なのでもうしばらくお待ちください。お食事は、こちらに置いときます!」
「宜しくね、鈴蘭ちゃん。ほんとに幼い子も働いてるんだね!凄いなぁ。」

鈴蘭は、こちらを見て驚いていた。そうだよね、時代が違うんだもの。

「ななか様は、別の時代から来られたのでしたね!今度ごゆっくりお聞かせください!それでは、失礼します!」

敬語が使えるなんて凄いなぁって思ってしまった。食べ物を見ると、なんか久しぶりの和食だった気がした。ここ最近は、洋食をずっと食べてたからか美味しく感じた。デザートまで用意してくれてるってお客様みたいな扱いされてるのね!食べながら、鞄の中を開いて手帳を出した。写真や、交換日記とか色々な面で使っているノートだった。やっぱり、帰ることが出来ないのかと思ってしまった。涙がやっぱり止まらなかった。扉を叩く音がした。思わず、涙を拭いて扉を見ると鈴蘭が声をかけてくれた。

「大丈夫ですか?一人は辛いでしょう。私がしばらくついても宜しいですか?」
「ありがとう、鈴蘭ちゃん。」

鈴蘭の顔をよく見たら、私の時代では絶対モテる顔をしていた。ハッキリしてる二重の目に鼻の形は凄い綺麗に整っているし、唇は発色が良かった。思わず抱きついた。突然の事にびっくりしていた。

「ごめん、ごめん!可愛いかったから、つい!私の時代じゃ、めっちゃモテるよ!」
「そうなんですね!」

話をたくさんしていると、扉が開いた。桃李が、

「話し中、良いか?鈴蘭、客が帰ったから部屋の片づけをしてくれ!」
「はい!分かりました。それでは、ななか様ありがとうございます!失礼しました!」

鈴蘭が、部屋から出て居なくなった。桃李は、声をかけた。

「改めて、桃李という名前だ。よろしくね!鈴蘭の事を可愛がってくれてありがとうな。鈴蘭は、目が見えてないんだ。左目は失明してるんだ。」
「え?!そうだっの?」
「気づかないだろうな!せっかくだし、ここの話でもしとこうか!」

桃李が、話を始めた。

「ここは、花の宮という場所だ。店の名前だ。ここ居る女の子は、全部で八人居る。明日、皆揃うからその時に紹介するよ。今さっきの鈴蘭みたいなお手伝いが三人だ。」

そこまで、話を聞いて居ると突然怒鳴り声が聞こえた。びっくりした。

「桃李様、緊急事態でございます!桜子お姉様のお部屋です。」
「そうか!ななか、また後で来る。ここに居てくれ。案内しろ!」

慌てた様子で行ってしまった。怒鳴り声は、しばらくして消えた。私は、何もこの時代の事を知らない。だけど、ほんとに冷静では無いけど割と冷静で居られる自分が少しびっくりしている。今日は、ずっと驚いている。というより、今はあっちでは私はどうなっているのか気になってしまった。死んだのか?それとも、消えて行方不明になっているのか?気になってしまう。だけど、分からない。まぁ、行方不明になってるのかな?

「死にたい」

思わず出た言葉、その時部屋に入ってきてビンタをされた。

「何?死にたい?そんな簡単に言って良い言葉じゃないのよ!あれ?ごめんなさい、誰?夕霧の部屋に居るけど。菊花って名前だよ!よろしく。」

初対面にビンタをされた。
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