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17 ブルマ野球でメンタルトレーニング
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気がつくと、僕は自室のベッドで横になっていた。
「あれ?……絵路井先生は?」
僕が意識を失っている間に帰ってしまったのだろうか。
空腹を満たそうとキッチンに向かうと、母さんと出くわした。
「ユメちゃん!!! 絵路井先生からオチンチンがなくなったって聞いたけどホントなの⁉︎」
母さんの言で思い出したくなかった事実を思い出した僕は再び股間を手でさする。
「やっぱり、ない……」
どうやら夢ではなく紛うことなき現実だったみたいだ。
「あらあら、不思議なこともあるもんね。でもまあ、ユメちゃんの場合、あってもなくても変わらないかwww」
反論できないのが地味に辛いが、僕にとっては確かに使い道のない代物だったかもしれない。
母さんとリビングで軽食を取った後、親子で身体検査をすることにした。
「ハアハア……息子の裸をまじまじと見つめるのなんて何十年ぶりかしらwww」
舐めまわすような視線でこちらを見やる母さんは鼻息を荒くしながら身体のあちこちを触り始める。
「なんだか恥ずかしいよぉ~」
僕は声を震わせて両目を閉じた。
「うふふ、そうだわ♡ 邪魔なオチンチンも消えたことだし、今のユメちゃんなら穿きこなせるはずよwww」
あっという間に僕は母さんの手によって濃紺のブルマを穿かされていた。
「うわぁ、母さん! 何でブルマなんか持ってるの⁉︎」
「あ~ら、ブルマは日本の伝統的体操着よ。ブルマなしの体育なんて有り得ないでしょ?」
「いやいや、昭和じゃないんだから……」
腰まわりにぴったりと密着し、尻のラインも露わなブルマは初体験の僕にしてみれば下着と変わりない感覚だった。
動くたびにお尻に食い込む感じがたまらないおぞましさで思わず指で布地をくいっと引っ張る。
「真冬の空の下、ブルマで運動すると気持ちいいわよ。絵路井先生もブルマはメンタルを鍛えるのに効果的な運動着と仰ってたわwww」
「ホントに⁉︎ 絵路井先生の言葉なら嘘はないだろうし、外で走ってこようかな……って、走れるかい!」
「いいえ、ユメちゃんには我が『世界統制教』の運営する草野球チームに入ってもらうわ。ユメちゃんの名前は登録済みだから今日必ず行くように」
「なんじゃ、そりゃ……」
かくして僕は世界統制教の本部へと再び連れて行かれるのだった。
ーーー
もはや運動着として機能していないブルマの下から惜しみなく剥き出しにされた太腿が寒気で悲鳴を上げるが、何とか無の境地で僕は耐え忍ぶ。
僕はバッターボックスに立つと、バットをぐっとスタンドの方へと向ける。
「もぉ~、ユメちゃんったら野球のルールも知らないくせにカッコつけたりしちゃってwww」
母さんに言われて僕は何だか恥ずかしくなってきた。
壊滅的な運動オンチの男がブルマ姿で予告ホームランをしたところでギャグにしかならない。
「いいよ~、ユメトくん! 今の可愛かったから、もう一度やってみて♡」
絵路井先生の声援が聞こえて、ますます恥ずかしくなる。でも、ちょっと嬉しかった。大好きな絵路井先生がわざわざ応援に来てくれたのだから。
「ユメトく~ん、ボール投げちゃうからねぇ~!」
対戦相手は25歳現役JKの芭花さん率いるJKチームだ。
「ユメちゃ~ん、女の子が投げる球で三振したら男として生きるのは諦めなさいねwww」
「もぉ~、気が散るから母さんは黙ってて!」
オチンチンが跡形もなく消滅した玉無し野郎でも男としての威信にかけて絶対打ってやる。
一球目。キャッチャーのミットにボールが吸い込まれる。
思ったより早い。ワンストライク。さすが25歳現役JKの称号は伊達じゃない。
続いてのボール。これも軽快な音とともにミットに収まった。
「ストライク、ツ~!」
球審が叫ぶように言う。
そして最後のボール。当てずっぽうで適当に振るとバットがカキンとボールを捉える音がした。
ボールはぐんぐんと飛距離を伸ばしていく。
「よし、当たった!」
だが、野球のルールを僕は全く知らない。打ったら何をするんだっけ?
「えぇ~と、打たれたら何をするんだっけ?」
芭花さんも野球のルールが分からないようで僕に尋ねてくる。
野球に無知な女の子は普通にいるだろうが、男で野球のルールさえ知らないとなると少しばかりカッコ悪いかもしれない。僕は知ったかぶりで乗り切ることにした。
「う~ん……確か打たれたらグラウンドを走るんじゃなかったかな」
「そうなんだ。よ~し、みんなで夕日に向かって走っちゃおう!」
どうやら芭花さん以外のチームメイトも全員アホらしく、僕の言を真に受けて何処かへ全力疾走していくのだった。
JKチームは棄権と見做され、僕たち世界統制教チームは見事勝利を収めた。
「やれやれ、何とか三振せずに勝てたよ。JK相手に本気を出し過ぎたかな?」
「単に相手がアホだから勝てただけでしょ。頭のレベルが普通だったら間違いなくユメちゃんが負けてたわよwww」
自分の運動神経が女の子以下なのは実にショックだが、せめて頭だけは良くなりたい思う今日この頃。
「あれ?……絵路井先生は?」
僕が意識を失っている間に帰ってしまったのだろうか。
空腹を満たそうとキッチンに向かうと、母さんと出くわした。
「ユメちゃん!!! 絵路井先生からオチンチンがなくなったって聞いたけどホントなの⁉︎」
母さんの言で思い出したくなかった事実を思い出した僕は再び股間を手でさする。
「やっぱり、ない……」
どうやら夢ではなく紛うことなき現実だったみたいだ。
「あらあら、不思議なこともあるもんね。でもまあ、ユメちゃんの場合、あってもなくても変わらないかwww」
反論できないのが地味に辛いが、僕にとっては確かに使い道のない代物だったかもしれない。
母さんとリビングで軽食を取った後、親子で身体検査をすることにした。
「ハアハア……息子の裸をまじまじと見つめるのなんて何十年ぶりかしらwww」
舐めまわすような視線でこちらを見やる母さんは鼻息を荒くしながら身体のあちこちを触り始める。
「なんだか恥ずかしいよぉ~」
僕は声を震わせて両目を閉じた。
「うふふ、そうだわ♡ 邪魔なオチンチンも消えたことだし、今のユメちゃんなら穿きこなせるはずよwww」
あっという間に僕は母さんの手によって濃紺のブルマを穿かされていた。
「うわぁ、母さん! 何でブルマなんか持ってるの⁉︎」
「あ~ら、ブルマは日本の伝統的体操着よ。ブルマなしの体育なんて有り得ないでしょ?」
「いやいや、昭和じゃないんだから……」
腰まわりにぴったりと密着し、尻のラインも露わなブルマは初体験の僕にしてみれば下着と変わりない感覚だった。
動くたびにお尻に食い込む感じがたまらないおぞましさで思わず指で布地をくいっと引っ張る。
「真冬の空の下、ブルマで運動すると気持ちいいわよ。絵路井先生もブルマはメンタルを鍛えるのに効果的な運動着と仰ってたわwww」
「ホントに⁉︎ 絵路井先生の言葉なら嘘はないだろうし、外で走ってこようかな……って、走れるかい!」
「いいえ、ユメちゃんには我が『世界統制教』の運営する草野球チームに入ってもらうわ。ユメちゃんの名前は登録済みだから今日必ず行くように」
「なんじゃ、そりゃ……」
かくして僕は世界統制教の本部へと再び連れて行かれるのだった。
ーーー
もはや運動着として機能していないブルマの下から惜しみなく剥き出しにされた太腿が寒気で悲鳴を上げるが、何とか無の境地で僕は耐え忍ぶ。
僕はバッターボックスに立つと、バットをぐっとスタンドの方へと向ける。
「もぉ~、ユメちゃんったら野球のルールも知らないくせにカッコつけたりしちゃってwww」
母さんに言われて僕は何だか恥ずかしくなってきた。
壊滅的な運動オンチの男がブルマ姿で予告ホームランをしたところでギャグにしかならない。
「いいよ~、ユメトくん! 今の可愛かったから、もう一度やってみて♡」
絵路井先生の声援が聞こえて、ますます恥ずかしくなる。でも、ちょっと嬉しかった。大好きな絵路井先生がわざわざ応援に来てくれたのだから。
「ユメトく~ん、ボール投げちゃうからねぇ~!」
対戦相手は25歳現役JKの芭花さん率いるJKチームだ。
「ユメちゃ~ん、女の子が投げる球で三振したら男として生きるのは諦めなさいねwww」
「もぉ~、気が散るから母さんは黙ってて!」
オチンチンが跡形もなく消滅した玉無し野郎でも男としての威信にかけて絶対打ってやる。
一球目。キャッチャーのミットにボールが吸い込まれる。
思ったより早い。ワンストライク。さすが25歳現役JKの称号は伊達じゃない。
続いてのボール。これも軽快な音とともにミットに収まった。
「ストライク、ツ~!」
球審が叫ぶように言う。
そして最後のボール。当てずっぽうで適当に振るとバットがカキンとボールを捉える音がした。
ボールはぐんぐんと飛距離を伸ばしていく。
「よし、当たった!」
だが、野球のルールを僕は全く知らない。打ったら何をするんだっけ?
「えぇ~と、打たれたら何をするんだっけ?」
芭花さんも野球のルールが分からないようで僕に尋ねてくる。
野球に無知な女の子は普通にいるだろうが、男で野球のルールさえ知らないとなると少しばかりカッコ悪いかもしれない。僕は知ったかぶりで乗り切ることにした。
「う~ん……確か打たれたらグラウンドを走るんじゃなかったかな」
「そうなんだ。よ~し、みんなで夕日に向かって走っちゃおう!」
どうやら芭花さん以外のチームメイトも全員アホらしく、僕の言を真に受けて何処かへ全力疾走していくのだった。
JKチームは棄権と見做され、僕たち世界統制教チームは見事勝利を収めた。
「やれやれ、何とか三振せずに勝てたよ。JK相手に本気を出し過ぎたかな?」
「単に相手がアホだから勝てただけでしょ。頭のレベルが普通だったら間違いなくユメちゃんが負けてたわよwww」
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