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10 AGITO

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 目を開いた時、自分がどこにいるのか分からなかった。まるで雲の中にいるように周囲がぼんやりしている。
 周辺は物音ひとつしない。


『……アギト??? アギトなのか⁉︎』


 前回、絵路井えろい先生が口にしたアギトという人物のことが気になり、その名が何度も頭の中でリプレイされていた。


「……アギトって誰だろう???」


 僕の問いに呼応するかのように、ドアが外側から開かれた。
 ドアの向こうには、僕に顔が瓜二つのドッペルゲンガーが立っている。


「ようやく君の意識の中に入り込めたよ、ユメトくん♡」


 そう言うと、ドッペルゲンガーは僕の乳首をつまんで転がしながらニヤリと笑う。


「いつも鎮太ちんたに気絶するほど気持ちいいことをしてもらえて良かったね。よがり狂ったユメトくんの顔が忘れられないや。相変わらず感度も抜群みたいだねwww」


 ドッペルゲンガーの言葉通り、僕の乳首は軽くなぶられただけなのに、もう硬く尖っている。
 僕は息が荒くなるのを抑えて唇を嚙みしめた。イタズラに抗議するようにキッとドッペルゲンガーを睨みつける。


「そんな顔したら綺麗な顔が台無しだよ。ほ~ら、笑って。意地を張らずに素直に堕ちようか♡」


 僕はその言葉に悪意を感じていた。


「やめてよ! 一体何なの⁉︎」
「ボクは鎮太ちんたの古い知り合いだよ。だから鎮太ちんたに近づく者にはボクの許可が必要ってわけ」


 その刹那、ドッペルゲンガーは僕の額に素早く右手をかざした。


「心を見せて」


 僕の瞳は焦点を失って、ゆっくりと瞼が降りていく。
 目に見えない触手が心の中へ侵入してくるような感覚を覚えた。混濁した意識の中、まばゆい光が放たれ、周囲を明るく満たしていく。光はすぐに消え去り、それと同時にドッペルゲンガーは絵路井えろい先生に変身を遂げていた。
 ニセ絵路井えろい先生は僕に腕をまわして抱き寄せると、唇を素早く奪う。


「ん~、むふッ……」


 僕はニセ絵路井えろい先生の胸を叩いて抵抗したが、ものの数分と経たないうちに身体から力が抜けてぐったりとなる。ディープキスをされただけなのに感じてしまい、ニセ絵路井えろい先生の方へ胸を押しつけていく。
 ふと気づくと、下半身にニセ絵路井えろい先生の勃起が当たっていた。
 僕はニセ絵路井えろい先生から逃れようとして身をよじる。だが、ニセ絵路井えろい先生は両腕に力を入れてきつく抱きしめ、首筋に舌を這わせて胸を揉む。
 ニセ絵路井えろい先生は硬くそそり勃っている剛直を剥き出しにした。
 僕の方は両脚の間から手をのばして、太腿に当たっているニセ絵路井えろい先生のペニスを掴む。


「おやおや、シゴいてくれるのかい?」
「ち、違います! もうやめてください!」


 僕は激しくかぶりを振ったが、両肩を押さえられて身動き出来なくなる。


「お尻の穴を舐めさせてもらうよぉ~」


 ニセ絵路井えろい先生はハアハアと息を弾ませながら、舌をのばして尻のすぼまりをペロリと舐めた。


「んッ」


 僕は小さな声をあげた。生温かな舌の感触を得た菊門がキュッと窄まる。


「いいねぇ~、悪くないじゃん♡」


 僕は抵抗することも出来ず、泣きながら菊門を舐められ続けた。
 顔の上にまたがった僕の秘孔から透明な蜜が溢れてニセ絵路井えろい先生の頰にポタポタとしたたり落ちる。
 舌の動きはあまりにも刺激的で僕の快感を否が応にも高めていく。


「ひゃああああああああああああああ~ッ!!!」


 身体の奥から込み上げてくる甘い疼きに耐えきれず、僕はとうとう大きな声で叫んでしまった。
 全身の細胞が爆発して弾け飛んでしまいそうなほどの快感が湧き上がる。


「あッ……うわぁ、ひぃ~ッ!」


 と叫び、大きく全身を震わせて身悶えた。


「いい反応だねぇ~、さすがは鎮太ちんたに調教されただけのことはある」
鎮太ちんた?……絵路井えろい先生のこと⁉︎」


 僕は苦しげな表情で問うが、尻穴から込み上げる激しい快感に身を任せ続ける。


「ひいぃ~ッ!」


 僕は気が狂ったように裸身をくねらせた。
 ニセ絵路井えろい先生がもたらす愉悦をお尻の穴で貪る。身体を前に倒したままお尻をくねらせた。
 湧き起こる快感はあまりにも強烈すぎて、態勢を維持することすらおぼつかなくなってくる。ニセ絵路井えろい先生の手で胸を揉みあげられると目の前が真っ白に染まって、全身がガクガク震え出す。


「ああああああああ~ッ!!!」


 僕は四肢をわななかせ、喉をさらして絶叫した。
 ニセ絵路井えろい先生は一際強烈に収縮するアナルから舌をずるりと抜き取った。
 裸身がブルルッとわななくと、身体中がすっきりしたが、次の瞬間には激しい羞恥が込み上げてきた。


「なるほど、鎮太ちんたが気に入るわけだ。これで安心して君の奥底で再び眠りにつける」


 そう言うと、元の姿に戻って僕をギュッと抱きしめる。


「……あなたは一体???」
「――ボクはアギト。今は君の魂の断片のような存在。これからもボクに代わって鎮太ちんたの傍にいてあげてね。いつまでも君とボクの思いは一つだから♡」


 僕とアギトは一つに溶け合うかのように眩い光に包まれると、そのまま意識レベルで融合していくのであった。
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