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3 闇の住人に売られちゃいました……
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愛する息子と男と女の関係になってからというもの、毎日がセックス三昧の日々だった。
息子に求められるのは嬉しいんだけど、私の体力の方がもちそうにないため今日は紡也に我慢してもらうことにした。
「ハアハア……母さんを見てるだけで僕の股間がエクスカリバーと化しちゃうよ♡ 部屋で暴れん坊を鎮めてくるねwww」
「やれやれ……男の子って、どうしてこんなに性欲が強いのかしら?」
男の子の生理現象には理解を示している方だが、それでも引いてしまう時がある。お店でも日常的にジロジロと胸やお尻に下卑た視線を向けてくる輩が大量に来るが、あのキモオヤジたちも私の裸を想像しながら毎晩ヌくんだろうか……。
背筋が凍りつくような感覚を覚えた私は今日も夜の仕事に嫌々向かうのだった。
ーーー
「女はいいよなぁ~、楽しく酒を飲みながらヘラヘラしてるだけで金を稼げてよwww」
今日の客は人間と呼ぶにはあまりにもブクブクに肥え太った化け物オヤジで、しかも金もない正真正銘のド底辺だった。
「男は君らと違って激しい競争を生き伸びるため日夜ハードモードな人生を送っているというのに……って、ちょっとボクの話を聞いてる⁉︎」
「あぁ、はいはい……聞いてますよ~」
私は生あくびをしながらクソデブ負け犬に適当な相槌を打つ。
「まったく、これだから女は! 人生イージーモード過ぎて男を立てることも出来ないのか⁉︎ やれやれ、こんな女ばかりだから日本の少子化は止まらないんだよwww」
こんな店に来る客の男はどいつもこいつも金に任せてセクハラしかしないゴミなので話を真面目に聞いてやる必要性は全くない。
ゴミ男は女を見下しきったセクハラ発言を散々しまくると、ストレス発散できたようで満足気な表情を浮かべて帰っていった。
次に来た客はギトギトに脂ぎったハゲ頭の中年デブで歯が何本か欠けた不衛生極まりないキモオヤジだった。
「ハア~、女は気楽でいいよなぁ。ちょいブスでも、こういう店で雇ってもらえてさ……」
キモオヤジは憎まれ口を叩きながら私の顔のチラチラ見やる。どうやら遠回しに私をブスだと言いたいらしい。
「俺みたいなブサメンはこうやって高い金を払ってでしか女と飲めないけど、イケメン相手なら女の方から高い金を払って飲みに行っちゃうんだろ? イケメンじゃない男は一生こうやって惨めに金を払い続けるんだろうなぁ~」
私は夜の街で長年働いてきたためか、客の男の容姿を見ただけで中身まで分かるようになってきていた。
はっきり言って、『男は見た目じゃない』というのは大嘘だ。単に意外性を求める人の性質によって印象に残りやすいというだけで実際は見かけ通りの事が殆どである。
関わってはいけない地雷男は総じて身なりが汚い不細工なデブだ。このタイプは思考が男尊女卑的で金を持っていない。この手の店に来なければ女に相手にしてもらえないのだろう。
反対に金を持っている男は身なりが綺麗なイケメンであることが殆どだ。オジサンであっても神々しいオーラを纏っているので見れば瞬時に金持ちだと分かる。
女が見た目だけで生理的に無理だと感じる男はだいたい貧乏人だと言われるが、それは間違いない。ソースは店によく来る客の男たちだ。
「どうせ俺みたいなブサメンは一生結婚できないまま生涯を終えるんだろうなぁ。はぁ~、女はちょいブスで低収入でも結婚できて羨ましいなぁ。女はマンコついてるだけで男がいくらでも寄ってくるもんなぁ」
「ハハハ……そうですね」
こうして私は何人もの非モテを拗らせた負け組のオス共を相手に適当な相槌と営業スマイルを提供するのだった。
ーーー
「はぁ~、ホント疲れた……。キモいオス相手にすんのって何であんなにストレスかかんだろう……」
この仕事を何年もやっていると、ちょっとした男性不信になってしまう。息子以外の全ての男が不倶戴天の敵に思えて仕方がない。
でも、私のような頭の悪い女に務まる仕事はこれくらいしかなく、自分より若い女の子たちが働く中で何とか生き残っていくしかない。
危険な夜の街に辟易して去っていく女たちが後を絶たない中、気力と根性だけで長年やって来た私は立派な夜の世界の住人と言えるだろう。
昼間の世界に戻る女もいれば、よりディープな夜の世界に沈んでいく女もいる。
願わくば、カタギのまま生きていきたいものだが、何せ夜の街には闇の住人がチラホラと姿を現しては目についた女の子を闇の世界に引きずり込んでいく。一度、取り込まれたら二度と元の世界には帰れない。使い物にならなくなったら、コンクリート詰めにされて太平洋のど真ん中へドボンだ。
うちの店でも私より若くて可愛い女の子が何人か行方不明になったことがある。
見栄えの悪いブスやBBAは屈辱を強いられ、可愛い女の子は闇の住人に目を付けられて売っぱられる。結局、どっちに転んでも地獄しかない。
いつものように一人で店の掃除を終えた私は出口付近で常連客の男に声をかけられてしまった。
「今、帰りですか~? 夜道の一人歩きは危ないから送っていきますよぉ~」
客の側はアプローチをかけてもいい場所だと思って、この手の店に来る。
お金をもらう代わりに私は仕方なく疑似的な好意を返しているだけなのだが、客の中にはそれを本気と捉えて店が終わった後でもしつこくアプローチをしてくる者がいる。
「あ、いえ、大丈夫です。お構いなく……」
「そんな遠慮しないでぇ。さあさあ、暖かい車の中へwww」
常連客は酒に酔ってるらしく、朦朧としながら車の方へ私を連れて行こうとする。
「離してください! 家で息子が待ってるので……」
「オレのムスコも真々子さんを待ってるんですよwww」
ついに本性を現したキモ男はズボン越しでも分かるほど股間にテントを張らせながら無理やり車の方へ引きずり込もうとする。
「男を気持ち良くさせる以外に取り柄がない肉便器の分際で抵抗するんじゃねえ!」
常連客は私の首に掴みかかってきた。
「あぁ~ッ!」と叫ぶと同時に私は首筋に小さな痛みを感じ、直後に激しいめまいに襲われて気を失ってしまったのだった。
ーーー
私は頭の奥に鈍痛を感じつつ目を開いた。しかし辺りは薄暗く、何もはっきりとは見えない。
身体中が重く気だるかったが、両手を突いて無理に起き上がった。ようやく目が闇に慣れてきて周囲の様子が見えてくる。
ひどく殺風景な部屋だ。窓はひとつきりで遮光性のカーテンがかかっている。その窓の正面に壁と同じ白っぽいドアがあって、その下から廊下の明かりが細くもれていた。
「……ここはどこなの?」
頭がくらくらしていたが、無理に立ち上がってドアへと歩き出す。ところがドアは私の気配を察したように向こうから開いた。
「目が覚めたようだなぁ」
先ほどの常連客ではない別の男が壁に片手を這わせて電気のスイッチを入れた。すぐに室内が明るくなる。
「長年ああいう店で働いているらしいじゃないか。もはやカタギの女ではあるまい」
「失礼な! 私だって立派な社会人です!……たぶん」
私が反論すると、男はケラケラ笑いながらドスの利いた低い声で言った。
「お前がどう思おうが、世間は貴様のような女を認めることはない。諦めて、俺たちと同じ闇の住人として生きるんだな」
「えっと、ちょっと何言ってるか分からないんですが……」
「頭の悪い女だなぁ。自分が売られたことも分かってないのか?」
「はあ?……えぇぇぇ⁉︎」
私は自分が置かれた状況が理解できないまま、ただ呆然とその場に立ち尽くすのだった。
息子に求められるのは嬉しいんだけど、私の体力の方がもちそうにないため今日は紡也に我慢してもらうことにした。
「ハアハア……母さんを見てるだけで僕の股間がエクスカリバーと化しちゃうよ♡ 部屋で暴れん坊を鎮めてくるねwww」
「やれやれ……男の子って、どうしてこんなに性欲が強いのかしら?」
男の子の生理現象には理解を示している方だが、それでも引いてしまう時がある。お店でも日常的にジロジロと胸やお尻に下卑た視線を向けてくる輩が大量に来るが、あのキモオヤジたちも私の裸を想像しながら毎晩ヌくんだろうか……。
背筋が凍りつくような感覚を覚えた私は今日も夜の仕事に嫌々向かうのだった。
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「女はいいよなぁ~、楽しく酒を飲みながらヘラヘラしてるだけで金を稼げてよwww」
今日の客は人間と呼ぶにはあまりにもブクブクに肥え太った化け物オヤジで、しかも金もない正真正銘のド底辺だった。
「男は君らと違って激しい競争を生き伸びるため日夜ハードモードな人生を送っているというのに……って、ちょっとボクの話を聞いてる⁉︎」
「あぁ、はいはい……聞いてますよ~」
私は生あくびをしながらクソデブ負け犬に適当な相槌を打つ。
「まったく、これだから女は! 人生イージーモード過ぎて男を立てることも出来ないのか⁉︎ やれやれ、こんな女ばかりだから日本の少子化は止まらないんだよwww」
こんな店に来る客の男はどいつもこいつも金に任せてセクハラしかしないゴミなので話を真面目に聞いてやる必要性は全くない。
ゴミ男は女を見下しきったセクハラ発言を散々しまくると、ストレス発散できたようで満足気な表情を浮かべて帰っていった。
次に来た客はギトギトに脂ぎったハゲ頭の中年デブで歯が何本か欠けた不衛生極まりないキモオヤジだった。
「ハア~、女は気楽でいいよなぁ。ちょいブスでも、こういう店で雇ってもらえてさ……」
キモオヤジは憎まれ口を叩きながら私の顔のチラチラ見やる。どうやら遠回しに私をブスだと言いたいらしい。
「俺みたいなブサメンはこうやって高い金を払ってでしか女と飲めないけど、イケメン相手なら女の方から高い金を払って飲みに行っちゃうんだろ? イケメンじゃない男は一生こうやって惨めに金を払い続けるんだろうなぁ~」
私は夜の街で長年働いてきたためか、客の男の容姿を見ただけで中身まで分かるようになってきていた。
はっきり言って、『男は見た目じゃない』というのは大嘘だ。単に意外性を求める人の性質によって印象に残りやすいというだけで実際は見かけ通りの事が殆どである。
関わってはいけない地雷男は総じて身なりが汚い不細工なデブだ。このタイプは思考が男尊女卑的で金を持っていない。この手の店に来なければ女に相手にしてもらえないのだろう。
反対に金を持っている男は身なりが綺麗なイケメンであることが殆どだ。オジサンであっても神々しいオーラを纏っているので見れば瞬時に金持ちだと分かる。
女が見た目だけで生理的に無理だと感じる男はだいたい貧乏人だと言われるが、それは間違いない。ソースは店によく来る客の男たちだ。
「どうせ俺みたいなブサメンは一生結婚できないまま生涯を終えるんだろうなぁ。はぁ~、女はちょいブスで低収入でも結婚できて羨ましいなぁ。女はマンコついてるだけで男がいくらでも寄ってくるもんなぁ」
「ハハハ……そうですね」
こうして私は何人もの非モテを拗らせた負け組のオス共を相手に適当な相槌と営業スマイルを提供するのだった。
ーーー
「はぁ~、ホント疲れた……。キモいオス相手にすんのって何であんなにストレスかかんだろう……」
この仕事を何年もやっていると、ちょっとした男性不信になってしまう。息子以外の全ての男が不倶戴天の敵に思えて仕方がない。
でも、私のような頭の悪い女に務まる仕事はこれくらいしかなく、自分より若い女の子たちが働く中で何とか生き残っていくしかない。
危険な夜の街に辟易して去っていく女たちが後を絶たない中、気力と根性だけで長年やって来た私は立派な夜の世界の住人と言えるだろう。
昼間の世界に戻る女もいれば、よりディープな夜の世界に沈んでいく女もいる。
願わくば、カタギのまま生きていきたいものだが、何せ夜の街には闇の住人がチラホラと姿を現しては目についた女の子を闇の世界に引きずり込んでいく。一度、取り込まれたら二度と元の世界には帰れない。使い物にならなくなったら、コンクリート詰めにされて太平洋のど真ん中へドボンだ。
うちの店でも私より若くて可愛い女の子が何人か行方不明になったことがある。
見栄えの悪いブスやBBAは屈辱を強いられ、可愛い女の子は闇の住人に目を付けられて売っぱられる。結局、どっちに転んでも地獄しかない。
いつものように一人で店の掃除を終えた私は出口付近で常連客の男に声をかけられてしまった。
「今、帰りですか~? 夜道の一人歩きは危ないから送っていきますよぉ~」
客の側はアプローチをかけてもいい場所だと思って、この手の店に来る。
お金をもらう代わりに私は仕方なく疑似的な好意を返しているだけなのだが、客の中にはそれを本気と捉えて店が終わった後でもしつこくアプローチをしてくる者がいる。
「あ、いえ、大丈夫です。お構いなく……」
「そんな遠慮しないでぇ。さあさあ、暖かい車の中へwww」
常連客は酒に酔ってるらしく、朦朧としながら車の方へ私を連れて行こうとする。
「離してください! 家で息子が待ってるので……」
「オレのムスコも真々子さんを待ってるんですよwww」
ついに本性を現したキモ男はズボン越しでも分かるほど股間にテントを張らせながら無理やり車の方へ引きずり込もうとする。
「男を気持ち良くさせる以外に取り柄がない肉便器の分際で抵抗するんじゃねえ!」
常連客は私の首に掴みかかってきた。
「あぁ~ッ!」と叫ぶと同時に私は首筋に小さな痛みを感じ、直後に激しいめまいに襲われて気を失ってしまったのだった。
ーーー
私は頭の奥に鈍痛を感じつつ目を開いた。しかし辺りは薄暗く、何もはっきりとは見えない。
身体中が重く気だるかったが、両手を突いて無理に起き上がった。ようやく目が闇に慣れてきて周囲の様子が見えてくる。
ひどく殺風景な部屋だ。窓はひとつきりで遮光性のカーテンがかかっている。その窓の正面に壁と同じ白っぽいドアがあって、その下から廊下の明かりが細くもれていた。
「……ここはどこなの?」
頭がくらくらしていたが、無理に立ち上がってドアへと歩き出す。ところがドアは私の気配を察したように向こうから開いた。
「目が覚めたようだなぁ」
先ほどの常連客ではない別の男が壁に片手を這わせて電気のスイッチを入れた。すぐに室内が明るくなる。
「長年ああいう店で働いているらしいじゃないか。もはやカタギの女ではあるまい」
「失礼な! 私だって立派な社会人です!……たぶん」
私が反論すると、男はケラケラ笑いながらドスの利いた低い声で言った。
「お前がどう思おうが、世間は貴様のような女を認めることはない。諦めて、俺たちと同じ闇の住人として生きるんだな」
「えっと、ちょっと何言ってるか分からないんですが……」
「頭の悪い女だなぁ。自分が売られたことも分かってないのか?」
「はあ?……えぇぇぇ⁉︎」
私は自分が置かれた状況が理解できないまま、ただ呆然とその場に立ち尽くすのだった。
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