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337 変態正義
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先週のプ◯キュアのとあるシーンが話題を呼び、ネット上では「敵をやっつけるか/受け容れるか」の対立項の中で議論がされている。
近年のヒーロー物は融和路線が多く、人間との共存が難しい存在と、とにもかくにも共存すべきというドグマに陥っているせいか、敵に対して自己犠牲を払わないプ◯キュアを糾弾する声が相次いでいることに驚きが隠せない。
これはプ◯キュアだけの話ではなく、近年のウ◯トラマンでも『怪獣を殺すのは可哀想』などとクレームをつけて融和路線でないことに憤る者が多数存在する事例と同様だろう。
こうした非現実的な理想論を振りかざしながらネット上で暴れ回る人たちのことを『お気持ちヤクザ』と呼ぶそうだ。彼らは今回のプ◯キュアの基本的な世界観や設定を捏造までして単なる悪役を弱者と定義づけることでプ◯キュア未視聴者を見事にミスリードするような記事を書いてボロ儲けしており、そんな現状に僕は思わず怒りを通り越して呆れてさえいる。
プ◯キュアの作中において主人公を苦しめただけでなく、数多くの人々を恐怖に陥れ、地球を蝕もうとする正真正銘の悪役として描かれている者を弱者と定義づける彼らの言い分に重篤な認知の歪みを感じるのは僕だけではないはずだ。
そもそも論として悪を倒すことの何が問題なのか、僕にはさっぱり理解できない。
例えばの話だが、世界各国の人間を改造し、その意のままに動かして世界制服を企むショッカーが実在したとしたら、そんな連中と話し合いで分かり合えると思うだろうか?
話し合おうとしたところで、捕らえられて改造されるか、奴隷にされて使い物にならなくなったら人体実験のモルモットにされるだけである。
残念ながら理想と現実は乖離しており、話し合いで解決できる範囲はごく僅かであり、大体のことは競争に勝った方の主張が罷り通るのだ。つまり仮面ライダーがいなかったら、この世はショッカーに支配され、人々は自由意思を奪われてしまうわけである。
プ◯キュアの女の子たちは地球をお手当てするため、そして僕たちの心と身体を守るために戦い続けてくれた。そのおかげで僕たちはビョーゲンズに侵されることなく、健やかに過ごすことが出来たのだ。
そんなプ◯キュア(女の子)に対し、自分たちにとって都合のいい自己犠牲のみを求め、それが叶わないことに腹を立てて被害者ヅラするような連中こそ真の悪なのではないだろうか?
日曜日の朝から僕はそんなことを悶々としながら考えていた。
「いやはや、いくつになってもプ◯キュアからは目が離せませんなぁ~♡」
初代の頃からリアルタイムで視聴している僕は日曜日の朝早くからテレビの前でスタンバっていた。
「俺はおジャ魔女の方が好きだったけどなぁwww」
リョウはケラケラ笑いながら朝御飯の支度をしていた。
「唐突に言うけど、僕はヒーローが死を背負って自己犠牲で戦う時代はとっくの昔に終わってると思うんだよ」
「お、おう……ホントに唐突だなぁ。どうしたんだ、急に?」
「最近リアルでいろんな人間と争う機会が多かったから、僕なりに正義について考えることがあってね。それで、ふと思ったんだ。自分が我慢しても他者が譲歩することはないし、むしろその優しさにつけ込んで利用しようとする人間もいる。結局、自分を犠牲にしても他者のためにならないどころか、根本的な解決にもならないことに気づいたんだ」
自己犠牲に意味がないことは戦時中の特攻隊やブラック企業で過労死した人々が見事に証明してくれたため、もはや論じるまでもないと思う。
「今年で20周年を迎えた仮面ライダーア◯トの主人公が『生きるってことは美味しいってことじゃないですか。死を背負ったりしたらまずくなります』って言ってたのを思い出すぜ」
「そうそう、ヒーローだからといって死を背負う必要性は微塵もないんだよね。それなのにもかかわらず、プリキュア(女の子)に対して戦時中の特攻隊のようなメンタリティを求める人がいるのは驚きだよ」
「そう言う有害な男らしさに囚われた連中のみで仲良く自滅してくれると嬉しいんだがなぁwww」
価値観が多様化したことで正義という概念がほぼ消失した現代社会を生きる僕たちにとって、プ◯キュアは男女ともに人生の指針となり得る作品として見事に完全されている。
強引かつ下手な融和路線で正義も悪も描かずに漠然とした価値相対主義に走る傾向がある近年のヒーロー物に辟易している人にとってプ◯キュアは良き清涼剤として機能すること間違いなしだ。
「まあ、俺もプ◯キュアは良いと思うが、一番好きなヒーロー物は『美男高校地球防◯部』だなぁ♡」
「う~ん、あの男版プ◯キュアみたいなヤツね……」
「やっぱり、女の子より男の子の方が興奮するだろwww」
「うわぁ~、マジひくわwww」
リョウを僕の身体を軽々と縫いぐるみのように抱きかかえると、男2人でプ◯キュアをリアルタイムで視聴するのだった。
近年のヒーロー物は融和路線が多く、人間との共存が難しい存在と、とにもかくにも共存すべきというドグマに陥っているせいか、敵に対して自己犠牲を払わないプ◯キュアを糾弾する声が相次いでいることに驚きが隠せない。
これはプ◯キュアだけの話ではなく、近年のウ◯トラマンでも『怪獣を殺すのは可哀想』などとクレームをつけて融和路線でないことに憤る者が多数存在する事例と同様だろう。
こうした非現実的な理想論を振りかざしながらネット上で暴れ回る人たちのことを『お気持ちヤクザ』と呼ぶそうだ。彼らは今回のプ◯キュアの基本的な世界観や設定を捏造までして単なる悪役を弱者と定義づけることでプ◯キュア未視聴者を見事にミスリードするような記事を書いてボロ儲けしており、そんな現状に僕は思わず怒りを通り越して呆れてさえいる。
プ◯キュアの作中において主人公を苦しめただけでなく、数多くの人々を恐怖に陥れ、地球を蝕もうとする正真正銘の悪役として描かれている者を弱者と定義づける彼らの言い分に重篤な認知の歪みを感じるのは僕だけではないはずだ。
そもそも論として悪を倒すことの何が問題なのか、僕にはさっぱり理解できない。
例えばの話だが、世界各国の人間を改造し、その意のままに動かして世界制服を企むショッカーが実在したとしたら、そんな連中と話し合いで分かり合えると思うだろうか?
話し合おうとしたところで、捕らえられて改造されるか、奴隷にされて使い物にならなくなったら人体実験のモルモットにされるだけである。
残念ながら理想と現実は乖離しており、話し合いで解決できる範囲はごく僅かであり、大体のことは競争に勝った方の主張が罷り通るのだ。つまり仮面ライダーがいなかったら、この世はショッカーに支配され、人々は自由意思を奪われてしまうわけである。
プ◯キュアの女の子たちは地球をお手当てするため、そして僕たちの心と身体を守るために戦い続けてくれた。そのおかげで僕たちはビョーゲンズに侵されることなく、健やかに過ごすことが出来たのだ。
そんなプ◯キュア(女の子)に対し、自分たちにとって都合のいい自己犠牲のみを求め、それが叶わないことに腹を立てて被害者ヅラするような連中こそ真の悪なのではないだろうか?
日曜日の朝から僕はそんなことを悶々としながら考えていた。
「いやはや、いくつになってもプ◯キュアからは目が離せませんなぁ~♡」
初代の頃からリアルタイムで視聴している僕は日曜日の朝早くからテレビの前でスタンバっていた。
「俺はおジャ魔女の方が好きだったけどなぁwww」
リョウはケラケラ笑いながら朝御飯の支度をしていた。
「唐突に言うけど、僕はヒーローが死を背負って自己犠牲で戦う時代はとっくの昔に終わってると思うんだよ」
「お、おう……ホントに唐突だなぁ。どうしたんだ、急に?」
「最近リアルでいろんな人間と争う機会が多かったから、僕なりに正義について考えることがあってね。それで、ふと思ったんだ。自分が我慢しても他者が譲歩することはないし、むしろその優しさにつけ込んで利用しようとする人間もいる。結局、自分を犠牲にしても他者のためにならないどころか、根本的な解決にもならないことに気づいたんだ」
自己犠牲に意味がないことは戦時中の特攻隊やブラック企業で過労死した人々が見事に証明してくれたため、もはや論じるまでもないと思う。
「今年で20周年を迎えた仮面ライダーア◯トの主人公が『生きるってことは美味しいってことじゃないですか。死を背負ったりしたらまずくなります』って言ってたのを思い出すぜ」
「そうそう、ヒーローだからといって死を背負う必要性は微塵もないんだよね。それなのにもかかわらず、プリキュア(女の子)に対して戦時中の特攻隊のようなメンタリティを求める人がいるのは驚きだよ」
「そう言う有害な男らしさに囚われた連中のみで仲良く自滅してくれると嬉しいんだがなぁwww」
価値観が多様化したことで正義という概念がほぼ消失した現代社会を生きる僕たちにとって、プ◯キュアは男女ともに人生の指針となり得る作品として見事に完全されている。
強引かつ下手な融和路線で正義も悪も描かずに漠然とした価値相対主義に走る傾向がある近年のヒーロー物に辟易している人にとってプ◯キュアは良き清涼剤として機能すること間違いなしだ。
「まあ、俺もプ◯キュアは良いと思うが、一番好きなヒーロー物は『美男高校地球防◯部』だなぁ♡」
「う~ん、あの男版プ◯キュアみたいなヤツね……」
「やっぱり、女の子より男の子の方が興奮するだろwww」
「うわぁ~、マジひくわwww」
リョウを僕の身体を軽々と縫いぐるみのように抱きかかえると、男2人でプ◯キュアをリアルタイムで視聴するのだった。
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