男の子たちの変態的な日常

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336 変態実家

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 どこぞの保険委員長の如く僕は相変わらず不運に見舞われていた。
 そこで僕は久方ぶりにママ(男だけど)の顔が見たくなり、千葉県の松戸市まで足を運ぶことにした。


「松戸に戻ってくるのなんて何十年ぶりだろう?」


 愛郷心があるわけではないが、自分が生まれた土地だと思うと少しばかり懐かしさを覚える。
 ここに戻ってくることはないと思っていたが、ママが愛着を持つ松戸に再び暮らし始めたと聞いて思わず行きたくなった。
 松戸市といえば、すぐ隣は江戸川区と葛飾区で東京23区へのアクセスがしやすい。今思うと、幼い頃にど田舎にさえ引っ越さなければ僕も今頃は都会指数の高いシティーボーイになっていたことだろう。
 松戸市の有名どころといえば、仮面ライダーで度々ロケ地に使われる千葉西総合病院があることぐらいだろうか。他にもあるんだろうけど、残念ながら詳しいことは知らない。だって、もう何十年も住んでないですし……。
 ママの家に着くと、待ってましたと言わんばかりに僕を優しく出迎えてくれた。


「コ◯ナが流行ってるから、すぐに洗濯しちゃおうか。お風呂、沸かしといたから入っちゃいなさい♡」
「うん、分かった」


 僕は返事をしながら、ちらりと視線をママの方に向けた。
 エプロンをした、いつものママの姿が目の前に迫ってきた。先端が軽くウェーブした艶やかなブラウンの髪を耳にかけながら、ママは麗しい唇から楽しそうに言葉を放つ。


「な~に、可愛い顔でママの方を見てるのかなぁ?」


 そう言ってママは悪戯っぽく笑った。
 歳は38歳。僕のママも世間ではオッサンと呼ばれる年齢だが、その茶目っ気溢れる笑顔にほっこりさせられる。
 息子として贔屓目抜きにしてもママは綺麗だった。それもとびきりの色男。色白で顔立ちも整っていて、鼻筋はスッと通っている。肌艶もよく、同年代のオッサンと比べてもかなり若々しいため、未だに大学生くらいに間違われることがある。
 久しぶりに会ったせいか、切れ長の眉と大きくて吸い込まれそうなほど綺麗な瞳にいざ近くで見つめられると何だか胸が高鳴ってしまう。
 実の親相手に動揺していることを悟られまいと、僕は必死に平静を装う。しかしママの綺麗すぎる顔を直視できず、思わず視線を逸らしてしまった。
 僕が足早でバスルームに向かうと、ママはニコニコしながらリビングの入り口の方へと歩き出す。
 お風呂で身体を清めると、リビングで髪を乾かして日課のスキンケアを行う。その様子をママはニヤけながら見つめていた。


「可愛い我が子が今じゃ、立派な家庭を築いてるんだからホント驚き♡」
「僕はそんな立派な人間じゃないよ。今日だって嫌なことから逃げ出してきたんだから……」
「いいんじゃないの、嫌なことから逃げ出したって。アキラが無理する必要なんかないじゃない♡」
「今回はそういうわけにもいかないんだよ。1秒でも早く市役所との揉め事を終わらせたくてたまらないんだから……」


 今抱えている悩みをぶちまけると、ママは心底同情してくれた。


「あらら、いろいろと面倒なことになってるみたいだね。どうして、そんなことに?」
「分からないよ! むしろ僕が教えて欲しいくらいだよ……」


 市役所とのトラブルが終わらないと、もう何もやる気が起こらない。解決の糸口が全くつかめない現状に絶望している僕は全然ここのところセックスすらしていなかった。ここまで精神的に病んだのは久しぶりだった。


「ねぇ、突然だけどママと久しぶりにチューしよっか。そしたら、少しは昔みたいに元気出るかもよ♡」


 絶望と悲しみで打ち震えている僕にママがこちらを向いて顔を近づけてきた。


「元気出るかな……」


 僕も身体の向きを変えてママと向き合う。するとママの方から温かい唇を口元へ押しつけてきた。さらにママは僕の首に腕を回して身体をさらに密着させながら、愛しげに何度も唇を重ねてくる。
 もはや親子のスキンシップではなく、完全に恋人同士がやるような濃厚なキスになっていて、僕は些か狼狽した。


「んッ、ちゅッ……アキラ……ちゅうッ……ちゅ、ちゅぷッ……」
「……ぷはッ! ちょっと……ママったら……」
「まあまあ、そう言わずにチューされなさい♡」


 照れくさくて頰を染める僕の顔を掴んでママは再び唇を寄せて愛する息子とのキスに没頭する。
 薄着で肌のほとんどがむき出しになった身体を抱きしめられると、全身からママの温もりが伝わってきた。同じ抱きしめてキスをする行為でも、恋人と親子では明らかに意味合いが異なるはずなのに妙な興奮を覚えてしまう。


「ほら、恥ずかしがらずに……リョウくんとするみたいに……ちゅッ、ちゅうッ……!」
「むぐッ……」


 まるで貪るような濃厚なキスを繰り返していると、全身の血流が活性化して下半身が熱くなってくる。
 身体が密着しているので僕の体温が上昇していることにママは当然気づいている。脚を絡ませてさらにママは強く抱きついてきた。


「もうママったら……チュー長すぎ……」
「んッ……ここ何十年もしてなかったから、そのぶん♡ 少しは元気出たんじゃないの?」
「そりゃあ、まあ……少しは……」


 僕がキスを中断しても、すぐママが顔を近づけてきてキスを再開する。
 一時的に吹っ切れた僕は嫌なこと全部を忘れてママの腕の中で赤ん坊のようにひたすら抱かれ続けたのだった。
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