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327 変態密
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2021年――世界はどうなっていくのだろうか?
経済は戦後最大の落ち込みとなり、パンデミックによって人々は心身ともに削られる日々に怯えながら暮らしている。
絶望感が半端なかった2020年を終え、新たな年を迎えたが、暮らしの方は一向に変わる気配がない。おそらく今年も政府は『マスク、手洗い、三密回避』の自己責任論だけを振りかざして仕事した気分に浸るのだろう。
『健康に暮らしたいんだったらさ、政府あてにしちゃだめじゃない。自己防衛、マスク、あと消毒、外出自粛だよね。だから国なんかあてにしちゃだめよ。あてにするから文句が出るわけでしょwww』
テレビをつけたら、長髪で無精髭のオジサンが目を見開きながら口元を歪めて自己防衛云々と街頭インタビューに応えていた。
「このオッサン、平成ラ◯ダーとかに出てきそうなビジュアルだよなぁwww」
リョウの言う通り、変身アイテムを持たしても全く違和感ないレベルのイケてるオッサンだったwww
「まあ、言ってること自体は正論だよね。見た目、すごくチャラいけどさwww」
「見た目に反して、けっこう頭いいんじゃねえかなぁwww」
自己防衛オジサンに元気付けられた僕たちは2021年の抱負を語り合った。
「俺の今年の抱負は年収100億を超えることだなぁ。今年こそカスケより金持ちになってやる!」
「うわぁ、デッカい目標だねぇ。僕の抱負は……」
正直これといった抱負はない。強いて言うなら、健康に過ごすことくらいだろうか。
でも、今よりもっと高みを目指してステップアップした自分になりたいような気もしないでもない。
「僕も変わりたい……ほんの少しでもいいから前に進みたい。この歳になっても成長していけるかなぁ?」
自信なさげに言う僕の肩を掴んで、リョウはエールを送ってくれた。
「アキラの輝く未来を俺が抱きしめてやるぜ! だから大丈夫、アキラのままで変わればいい♡」
リョウにそう言われると、なんだか不思議と根拠のない自信が湧いてくる。
「よ~し、俺がアキラへの応援歌を作詞・作曲してやるぜぇ!」
「えぇ、ホントに? なんか、ありがとう♡」
どうせ前みたいに変態的な曲になるんだろうけど、それでも僕はリョウの作ってくれる応援歌が楽しみだった。
「おぉ~、曲が天から降ってきたぞ! 作詞もすらすら思いつくぜ! やっぱり、俺は天才だぁwww」
作詞・作曲を速攻で終わらすと、リョウはギターで演奏し始めた。
――性の欲~、もがいている~♪
又を濡らし~♪ 受け入れる、君求める夢♪
また誰かが君をレイプして、ヤリ捨てしたなら~♪
Let's kill the Raper♪ 夢は穢す者たち♪
君のボディは君だけのモノ♪
Fight the Raper♪ 夢を愛し続けてぇ~♪
君が紡ぐストーリー、MeToo♪――
しばし反応に困り、僕は絶句してしまったが、何とか口を開いた。
「何というか……また黒歴史に新たな1ページを加えちゃったねwww」
「アキラったら、そんな褒めるなよ~♡」
アンコールしてないにもかかわらず、リョウは大喜びで再び熱唱し始めた。
こうなったら、誰にも止められないので僕はリョウの黒歴史っぷりを生暖かい目で見つめていた。
このままステイホームの正月が永遠に続けばいいのにと思うくらい僕は巣篭もり生活をエンジョイしていた。
お節料理の食べ過ぎで体重が気になるところではあるが、美味しいものをたらふく食べれるのは幸せな証だ。こんな時代だからこそ、先の見えない恐怖に怯えるより日常のちょっとした幸福に対して敏感になるべきだろう。
家の中に引きこもっているだけでも、愛するリョウが一緒なら、そこは天国だ。
「今となってはソーシャルディスタンスから解放されるのは家の中くらいだから、こうして誰かと密集できる機会って貴重だよね」
「そうだなぁ、密閉された部屋でアキラと密接できて俺は幸せだぜぇ~♡」
感染予防のために家の中でもマスクをしているが、三密の方は無視してセックスに没頭していた。つか、家の中でも三密を意識してたらエッチなこと全部できないだろう。
「セックスという名の究極の密からは誰も逃れることはできねえぜ♡」
そう言うと、リョウはいつものように僕の中へ肉棒を突き込んでいく。
リョウが腰を前後に振り始めると、ニチュッ、ニチュッ、ニチュッ……と、生殖器が擦れる音が響く。
亀頭がしたたかに奥を築き上げると、僕は激しく仰け反った。
ビクンッと大きく痙攣すると、僕の中がギュッと収縮した。射精の近づいた肉棒は、そのうねりに急かされるようにして精液を吐き出した。当然のことながら、僕の中へと。
僕は新年一発目の中出しを受けて仰け反る。
それから幾度となくオーガズムを味わった僕は天井を見上げながら床に手をつき、肩で息をした。
僕の開かれた足の間からリョウが注ぎ込んだ子種汁がとめどなく溢れ出す。そんな子種汁が苦行の2021年を乗り越えるために僕の中で必死に受精卵になろうとしているように感じられるのであった。
経済は戦後最大の落ち込みとなり、パンデミックによって人々は心身ともに削られる日々に怯えながら暮らしている。
絶望感が半端なかった2020年を終え、新たな年を迎えたが、暮らしの方は一向に変わる気配がない。おそらく今年も政府は『マスク、手洗い、三密回避』の自己責任論だけを振りかざして仕事した気分に浸るのだろう。
『健康に暮らしたいんだったらさ、政府あてにしちゃだめじゃない。自己防衛、マスク、あと消毒、外出自粛だよね。だから国なんかあてにしちゃだめよ。あてにするから文句が出るわけでしょwww』
テレビをつけたら、長髪で無精髭のオジサンが目を見開きながら口元を歪めて自己防衛云々と街頭インタビューに応えていた。
「このオッサン、平成ラ◯ダーとかに出てきそうなビジュアルだよなぁwww」
リョウの言う通り、変身アイテムを持たしても全く違和感ないレベルのイケてるオッサンだったwww
「まあ、言ってること自体は正論だよね。見た目、すごくチャラいけどさwww」
「見た目に反して、けっこう頭いいんじゃねえかなぁwww」
自己防衛オジサンに元気付けられた僕たちは2021年の抱負を語り合った。
「俺の今年の抱負は年収100億を超えることだなぁ。今年こそカスケより金持ちになってやる!」
「うわぁ、デッカい目標だねぇ。僕の抱負は……」
正直これといった抱負はない。強いて言うなら、健康に過ごすことくらいだろうか。
でも、今よりもっと高みを目指してステップアップした自分になりたいような気もしないでもない。
「僕も変わりたい……ほんの少しでもいいから前に進みたい。この歳になっても成長していけるかなぁ?」
自信なさげに言う僕の肩を掴んで、リョウはエールを送ってくれた。
「アキラの輝く未来を俺が抱きしめてやるぜ! だから大丈夫、アキラのままで変わればいい♡」
リョウにそう言われると、なんだか不思議と根拠のない自信が湧いてくる。
「よ~し、俺がアキラへの応援歌を作詞・作曲してやるぜぇ!」
「えぇ、ホントに? なんか、ありがとう♡」
どうせ前みたいに変態的な曲になるんだろうけど、それでも僕はリョウの作ってくれる応援歌が楽しみだった。
「おぉ~、曲が天から降ってきたぞ! 作詞もすらすら思いつくぜ! やっぱり、俺は天才だぁwww」
作詞・作曲を速攻で終わらすと、リョウはギターで演奏し始めた。
――性の欲~、もがいている~♪
又を濡らし~♪ 受け入れる、君求める夢♪
また誰かが君をレイプして、ヤリ捨てしたなら~♪
Let's kill the Raper♪ 夢は穢す者たち♪
君のボディは君だけのモノ♪
Fight the Raper♪ 夢を愛し続けてぇ~♪
君が紡ぐストーリー、MeToo♪――
しばし反応に困り、僕は絶句してしまったが、何とか口を開いた。
「何というか……また黒歴史に新たな1ページを加えちゃったねwww」
「アキラったら、そんな褒めるなよ~♡」
アンコールしてないにもかかわらず、リョウは大喜びで再び熱唱し始めた。
こうなったら、誰にも止められないので僕はリョウの黒歴史っぷりを生暖かい目で見つめていた。
このままステイホームの正月が永遠に続けばいいのにと思うくらい僕は巣篭もり生活をエンジョイしていた。
お節料理の食べ過ぎで体重が気になるところではあるが、美味しいものをたらふく食べれるのは幸せな証だ。こんな時代だからこそ、先の見えない恐怖に怯えるより日常のちょっとした幸福に対して敏感になるべきだろう。
家の中に引きこもっているだけでも、愛するリョウが一緒なら、そこは天国だ。
「今となってはソーシャルディスタンスから解放されるのは家の中くらいだから、こうして誰かと密集できる機会って貴重だよね」
「そうだなぁ、密閉された部屋でアキラと密接できて俺は幸せだぜぇ~♡」
感染予防のために家の中でもマスクをしているが、三密の方は無視してセックスに没頭していた。つか、家の中でも三密を意識してたらエッチなこと全部できないだろう。
「セックスという名の究極の密からは誰も逃れることはできねえぜ♡」
そう言うと、リョウはいつものように僕の中へ肉棒を突き込んでいく。
リョウが腰を前後に振り始めると、ニチュッ、ニチュッ、ニチュッ……と、生殖器が擦れる音が響く。
亀頭がしたたかに奥を築き上げると、僕は激しく仰け反った。
ビクンッと大きく痙攣すると、僕の中がギュッと収縮した。射精の近づいた肉棒は、そのうねりに急かされるようにして精液を吐き出した。当然のことながら、僕の中へと。
僕は新年一発目の中出しを受けて仰け反る。
それから幾度となくオーガズムを味わった僕は天井を見上げながら床に手をつき、肩で息をした。
僕の開かれた足の間からリョウが注ぎ込んだ子種汁がとめどなく溢れ出す。そんな子種汁が苦行の2021年を乗り越えるために僕の中で必死に受精卵になろうとしているように感じられるのであった。
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