男の子たちの変態的な日常

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294 変態スイカ盛り

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 有史以前から人類は異性愛と同性愛の間で揺れていた。全世界を支配せんと暗躍する異性愛の陣営と、同性愛者の尊厳と自由を護るために戦い続けている善なる者たち。
 その終わりなき対立は歴史の裏表で延々と続けられている。
 そんな中、同性愛者へのエールを送るためカスケが花火を打ち上げてくれることになった。
 僕とリョウはスイカを食べながら花火見物。夏気分が高揚してくるシチュエーションだ。


「おッ、上がったぞぉ~」


 ひゅるるるるるるるるるるるるるる……どど~んッ!!!
 大きな破裂音と共に、暗い夜空に色彩豊かな、大きな光の華が咲く。僕たちも周りの建物も、なるべく部屋の明かりを消して、花火の輝きを堪能する。
 最初の一発が儚く散ると、終わらせてなるものかと言わんばかりに、数発の花火が続けて上がる。


「わぁぁ、すっご~い♡」
「あぁ、アキラの次ぐらいに綺麗だぜ♡」


 夜空が照らされる度に、空気がドンドンと震えて、川岸からは大きな歓声が聞こえてくる。
 僕たちは手にしたスイカを食べるのも忘れて、天上の華に魅入っていた。
 盛大な花火を眺めながら、キンキンに冷えたスイカをシャクシャク食べるのがたまらない。遠くから漂ってくる火薬のにおいや、蚊取り線香の煙も心地よい。


「夏って死ぬほど暑くて嫌になる時もあるけど、花火とスイカだけは夏のメリットだね♡」
「そうだなぁ。まあ、俺はアキラが傍にいるだけで何でも楽しいけどな♡」


 そう言ったリョウが僕にそっとキスをしようとした次の瞬間、背後から大きな破裂音。
 パパンッ、パンッ!


「ゲホッ、ゲホッ! 何の音⁉︎」


 爆音に驚いた僕は思わず咽せて、鼻からタネが抜け出る。
 振り返ると、僕たちの背後にはイタズラを成功させたカスケが、爆竹を手に満面の笑みを見せていた。


「ぼくがいないからって、アキラとイチャつこうとしちゃダメだろうwww」
「なんだ、カスケか。爆竹なんかで驚かせやがって。俺の可愛いアキラがビックリするだろうが」


 僕は冷たいスイカを一切れ取って手渡すと、カスケは嬉しそうに受け取ってくれた。


「アキラの熱い愛が込もったスイカ、確かに受け取ったよ。現場の方は花火職人たちに任せてきたから、一緒に花火見ようね♡」


 冷え冷えだけど、僕が熱い愛を込めて切ったスイカにカスケは頬張る。


「カスケ、どっちが先に食い終わるか競争だぜ!」
「あぁ、望むところだ!」


 リョウは本日2切れ目のスイカを手に取ると、カスケと競い合っているせいか、今度は一瞬で食べ終わってしまった。
 僕はリョウの頰からタネを一粒、摘み取ってあげる。
 その光景を見たカスケは自分でタネをペトと、自ら右頰にくっつけた。
 何の意味が、と思っていたら、ツルツルのホッペにタネをつけたカスケは、甘えるように頰を寄せてくる。


「アキラ、お口で取って♡」
「?」


 僕が頭に「?」を浮かべて見ていたら、カスケは自分の頰を指先でツンと指し示した。
 どうやら僕がリョウにしてあげたことをしてくれ、という事らしい。しかも指先ではなく、口で直接。
 戸惑う僕にカスケは更に頰を寄せてきた。
 少しだけ上気したカスケの白い頰が僕の唇を待っている。
 すると、リョウが僕の代わりにカスケのホッペに頬張り、ペッとタネを吐いた。


「あぁ、くすぐったい……って、リョウ⁉︎」
「タネを取るぐらいなら俺でもいいだろ。そんなことより美味いスイカをもっと美味しく食べる方法を考えついたぜ♡」


 そう言うと、リョウは僕の浴衣をはだけさせてから膝枕をしてくれた。そしてスイカの赤い実だけを切り取って、僕の地肌に乗せてきた。


「あぁん、冷た~い……」


 僕の乳首にはスイカの赤い実が盛られ、おへそには黄色いスイカの実が飾られて、股間にはオレンジスイカが載せられる。
 僕はリョウのいやらしい考えを見抜き、苦笑いを浮かべた。


「アキラ盛りだぜぇ~♡ どうだ、カスケ? スイカがもっと美味そうに見えるだろぉwww」
「あぁ、ぼくでも思いつかないことを平然とやってのけるリョウは天才だよ。今回ばかりは見直したねwww」


 興奮で身体が硬直するのに、意識は本能レベルで2人に求められたがっている。
 今までにないプレイに、僕の身体はカァッと熱を上げていった。
 スイカの載った乳首を唇愛撫されると、僕は僅かに身を震わせた。僕の肢体が震えると、身体の上に載っかっているスイカが落ちそうになる。
 リョウは僕の股間に載っているスイカを口に含むと、僕の肌をも甘嚙みしてきた。


「んんッ、らめぇ! はぁぁぁぁぁん♡」


 リョウとカスケはスイカに彩られた僕の喘ぎ声と花火の音とが奏でるハーモニーを楽しみながら、ペロリと平らげていくのであった。
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