男の子たちの変態的な日常

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237 変態ママ男〜前編〜

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 前回ゴミクズ親父と再会したせいか、僕はここ最近ずっと夢の中で幼少期の頃の封印していた記憶が走馬灯のように再生されるようになった。


『今日も我が息子は世界一可愛い~♡ 愛してるよ、アキラちゃ~ん!』
『も~う……ママったら♡』


 夢の中で僕にと呼ばれて喜んでいる目の前の男は全裸の上に金糸の衣を纏っていた。この男こそ、僕のママであり、正真正銘の生みの親である。
 ママは男でありながら生まれつき子宮を持って生まれた両性具有であり、そのせいで子供の頃から見世物小屋で男とセックスさせられていたらしい。
 長い金髪は女らしいが、顔つきは超絶イケメンのママは現在の僕より背が高く、スタイリッシュなモデル体型だった。
 僕は綺麗なママの遺伝子を何一つ受け継ぐことはなく、地味な非モテになってしまった。きっとゴミクズ親父のゴミクズ遺伝子がママの素晴らしい遺伝子を相殺したのだろう。
 切り取った自分の金髪だけを材料に衣服を作るには無理があり、ママの白く艶やかな肌のほとんどは外気にさらされている。
 その夜、僕はママと2人きりでベッドの中で眠りに落ちるまでの安らいだ一時を過ごしていた。


『……ママ?』


 ベッドの中でママの胸に頰を埋めて眠りかけていた僕は、ママの全身に緊張が漲るのを敏感に察した。


『し……』


 人差し指に唇を当てて見せてから、ママはベッドを降りて部屋の扉に耳を寄せる。微かに響いてくる話し声の中から意味の分かるいくつかの言葉を聞き取り、ママはかねてから危惧していたことが現実になったことを知った。
 穏やかな表情のままでベッドに戻り、ママは僕を愛しげに見つめる。


『アキラ、よく聞いて。もうすぐここにヤバイ連中が来るけど、怯えたり泣いたりしちゃダメだよ。ママは平気だから、何があっても平気だから、絶対に泣いちゃダメ。アキラは強い子だから大丈夫だよね♡』


 ママの言葉に僕は強くうなずいた。


『それじゃあ、ベッドの下に隠れて。明日の朝になるまで絶対に出てきちゃダメだよ。分かったね? たとえママが死んだとしても、心はいつもアキラと一つだから♡』


 そう言って微笑むと、ママは僕をベッドの下に潜らせる。
 立ち上がって振り向いたママの目の前で勢いよく扉が開いた。数人の男が乱入し、たちまちママを取り囲む。


『うへへ、こいつが見世物小屋から逃げ出した産む機械の男か。よ~し、乱暴に、残酷に、ありとあらゆる屈辱を与えて、産む機械として生まれてきたことを後悔させてやろうwww』
『ひッ……』


 金糸の衣を引き裂かれ、無理やり床の上に押し付けられたママは次々と取り出される男たちのペニスを見て驚愕の悲鳴をあげた。
 赤黒く腫れあがっているもの、白や紫の斑点のあるもの、まるで腐りかけているかのように黒ずんで亀頭から黄色い粘液を滴らせるもの。どれも異様で醜く、健康な男のものとは到底思えない。


『どうだ? 素晴らしいだろう。この男たちはレイプのし過ぎで全員が重い性病を患っていてな。それも症状の激しいきわめつけのやつで、誰かに感染うつすのが三度の飯より大好きな変態ばかりだ。たった一晩で、お前はあらゆる性病を感染うつされることになる。どんなに卑しく、堕落した娼婦でも、ここまで無残な経験はなかなかできるものじゃないぞ。さあ、たっぷりと性病チンポを味わうがいいwww』


 思わず吐き気を催すほど邪悪な高笑いが部屋に響き渡り、男たちがママに迫ってくる。


『いやッ、お願いだから来ないで! やめて~ッ!!!』


 男たちに手足を押さえつけられ、身動きの取れなくなったママは最後の救いを求めて必死に哀願する。
 だが、邪悪なレイパー共がママの願いを聞き届けるはずはなかった。
 目の前で繰り広げられる残酷な光景を、僕は唇を噛んで泣き声を抑し殺し、見つめ続けていた。
 僕が愛し、尊敬するママの美しい肉体が、降り注ぐ男たちの毒液に汚されていく。長い金髪も精液に濡れて、澄んだ青い瞳も光を失っている。
 ふと、僕とママの視線が重なった。ママの悲しみに満ちた青い瞳が、ベッドの下に隠れる僕を見つめる。僕もありったけの悲しみを込めてママを見つめ返す。言葉ではなく、瞳の中にあらゆる想いを込めて、僕たちは見つめ合った。
 やがて長い長い凌辱が終わり、ようやく男たちから解放されたママはベトベトの毒液で汚れきった床の上に倒れ込んだ。
 男たちはママの身体を抱えあげて部屋をあとにする。
 扉の閉じる重々しい響きのあと、僕はママを追いかけたい衝動に駆られたが、明日の朝になるまでベッドの下から出てはいけないというママの言葉がそれを思い留まらせた。
 沈黙の中で、長い長い時間が流れた。窓から最初の朝日が射した時、僕はベッドの下から這い出し、ママの姿を求めて彷徨い歩いた。
 家の外で大勢の人々が群がっているのを見つけた僕は不安に胸を押し潰されそうになりながら人集りの壁を抜けてゆく。


『うぎゃあああああああああああああああああ~ッ!!!』


 それは僕にとってあまりにも残酷な光景だった。
 高い樹の上にママはいた。全身を獣革の紐で縛りあげられ、馬のペニスよりも太い樹の枝が下半身に突き刺さっている。


『あ……う……アキラ……』


 掠れた声でママは愛しい我が子の名を呼んだが、意識はほとんどなく、命の灯火さえも消えかかっている。
 僕は周囲の大人たちに必死に救いを求めたが、枝の落とされた樹の幹には油が塗られており、容易によじ登ることはできない。ようやくママが助け出されたのは、その日の太陽が沈む寸前のことだった。
 精神崩壊を起こし、意識が混濁したママは精神病院に隔離され、そこから死ぬまで出てくることはなかった。
 ただ1人残された僕は追放同然に住む場所を失い、埼玉のド田舎まで流れていくことになる。そして、その地でリョウと運命の出会いを果たすことになる(第51話参照)。


「ふにゃ……」


 携帯の着信音で目を覚ました僕は現実世界に戻ってきた。


「なんだ、カスケからか……朝から何の用だろう?」


 僕が電話に出ると、カスケはすぐさま声を張り上げて話し始めた。


「アキラのママさんに会ったんだ! 今うちにいらっしゃるから大至急アキラも来てッ! あの頃と変わらず綺麗で本当にビックリしたよ!」


 カスケの話に衝撃を受けた僕はあまりにも驚き過ぎて一言も声を発することさえ出来ずに唖然とする他なかった。
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