男の子たちの変態的な日常

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235 変態毒親〜前編〜

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 リョウのおかげで今は男の性欲に対して理解はあるが、子供の頃の僕には全然わからなかった。男はみんな僕を裸にしてエッチなことして、いじめたいんだ、としか思っていなかったのだ。
 当時の僕は常に死にたいと思わずにはいられないほど家でも外でも周囲から人間扱いされていなかった。
 僕の父親は外国航路の船員だった。家に帰って来ると、常にセックスのことだけしか頭にない父は守るべき我が子に対して性欲を抱き、性的虐待を繰り返す恐ろしい男であった。
 だが、ある日を境に父は蒸発した。未だに父の行方は不明ではあるが、はっきり言って知りたくもないというのが本音だ。


「何で今さら父親のことなんか思い出したんだろう? なんだか嫌な胸騒ぎがするなぁ……」


 立ち上がって振り向いた僕の目の前で勢いよく扉が開いた。数人の男が乱入し、たちまち僕を取り囲む。


「何者かは知らないけど、他人の家に断わりもなく押し入るなんてどういうつもり⁉︎」


 緊張した声で叱咤する僕に何を思ったのか、黒い覆面をつけたリーダー格の男が笑った。


「久しぶりだなぁ~、我が息子よ。元気だったか?」


 妙に馴れ馴れしい声で男に話しかけられた僕は怪訝そうに顔を顰めた。


「まさか自分の父親を忘れちまったのか? そりゃあ、ないぜwww」


 そう言うと、男は覆面を脱いだ。その顔を見た途端、僕の顔は見るみるうちに青ざめていった。
 角張った顔の下半身は髭で覆われ、ボサボサの髪を長く伸ばしているが、一番上の部分が不恰好に禿げ上がっている。その容姿は相手に不快感を与えるには充分な不潔感があった。


「どうやら思い出したみたいだなぁ。お前とこうして再会できて本当に嬉しいぞwww」
「言うな! お前みたいな男を家族だと思ったことは一度もないッ! 父親失格のゴミクズ親父が今さら何しに来たんだ⁉︎」


 ゴミクズ親父は僕の問いを無視して大股に歩み寄ると、俊敏な動きで僕の上衣の襟もとに手をかけ、力任せに引き裂いた。上衣は乾いた音とともに左右に開け、胸が露になる。


「父親に楯突く息子がどうなるか再教育してやる必要があるみたいだなぁ。今も昔もお前はオレを満足させるための慰安夫でしかないのさ。俺の子である限り、慰安夫としての役割から逃れることなど出来ないと悟るんだなぁwww」


 じりじりと僕ににじり寄る男たちは全員が異常だった。薄汚れていて、殺伐としているのに、その双眸だけが爛爛と輝きを放っている。あえて例えるなら、それは手負いの野獣の姿であった。


「……どうして今さら戻ってきたの?」


 僕の問いにゴミクズ親父は舌舐めずりをしながら応える。


「今の不景気による業績の悪化で仕事をクビにされちまってよ。だから愛する息子を性奴隷として闇オークションに出品すれば高く売れると思ってなぁ。さあ、パパと一緒に来るんだwww」


 ゴミクズ親父は気持ち悪い高笑いを浮かべながら僕を裸にして家から連れ去り、巨大な軍用輸送機に乗せた。


「足がつかないように空の上で密かに奴隷オークションを開いてるんだ。頭いいだろぉ~?」


 改装された機内にはしきりが出来ており、鉄製のドアを開けて中へ入ると豪華なホテルを思わせるつくりになっていた。手足の長い赤絨毯が敷き詰められた廊下、壁の装飾には金ピカの部材を使って、俗悪な成金趣味が鼻につく。
 廊下の奥にまた別の鉄製ドアがあった。その奥からはうめき声が聞こえる。
 中へ入れられると、薄暗いバックヤードのような空間に人間を入れた檻が並んでいた。高さ、奥行き、幅ともに1メートルほどしかない鉄格子の檻の中に男の子が一人ずつうずくまっている。
 男の子たちは後ろ手に革手錠で拘束され、猿ぐつわを嚙まされている。
 ある檻には黒革の貞操帯だけの全裸の男の子2人が抱き合った姿で緊縛され、狭い空間に押し込められてうめいていた。貞操帯の奥からうなるような音が聞こえてくる。その音が高まるたび、汗まみれの2つの身体は密着したまま淫らにうねりくねった。


「酷い……こんなのあんまりだ……」
「アキラ、お前もああなるんだ♡」


 首筋にチクリと何かを感じた瞬間、僕は声をあげる間もなく床にくずおれた。かすんでいく視界に麻酔銃を手にしたサイコパス親父のシルエットが浮かんで消えた。




ーーー




「お目覚めのようだなぁ」


 意識を取り戻した僕の目の前にゴミクズ親父の脂ぎった顔があった。
 室内には低くジェットエンジンの音が響いている。


「さあ、見るがいい。今の自分の姿をwww」


 ゴミクズ親父が大きな鏡を僕の前に置いて見せると、僕は、ハッ、としてようやく自分の身体がどうされているかに気付いた。しびれきって感覚がなかったが、驚きがしだいに肉体感覚を覚醒させる。


「これは……いったい⁉︎」


 鏡の中で僕は両手をくくられ天井から鎖で吊るされている。右の足首にも鎖がかかり、脚をピンと伸ばした形に高々と掲げさせられ、爪先立ちのY字バランスの姿勢だ。
 いったん目覚めた肉体は拘束された息苦しさに小刻みに震えだした。


「それでは、皆さん! 本日の目玉商品である我が息子をご紹介します♡ この若々しくてきめ細やかな肌は、まさに一級品。今宵のご主人様、ぜひ競り落として、自分の鞭で啼かせてあげてくださいwww」


 オークション開始のアナウンスに客席から拍手が沸き起こると、室内に下卑た歓声が響くのであった。
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