男の子たちの変態的な日常

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222 変態大人論

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「大人」になると人は誰もが「責任」という対価を求められる。そしてそれは大人である限り死ぬまで続くのだ。
 果たして大人になるということは現代社会を生きる僕らにとって手放しで賞賛できるものなのだろうか?


「――いい加減、大人になれよ!」


 今一瞬、上記のような幻聴が聞こえてきたが、気にせず語っていくとしよう。
 ある一定の年齢に達すると、僕たちは大人になることを強制され、『大人になれよ』という世間の目に怯えながら責任ある行動を求められるようになる。
 好きで生まれたわけ訳でもないのに『大人』を無理やり演じさせられ、責任だけは取らされるような、割に合わなさを感じながら生きている人間は多いのではないだろうか?
 本音では子供のままでいたい、あるいは責任なんか取りたくないと思いながらも生きるために仕方なく大人として振る舞っている人たちは今日もつまらない人生を歩んでいることだと思う。
 子供の頃は大人になったら、きっと何か変わるんじゃないかと漠然と思っていたが、変わったのは自分を取り巻く環境だけだった。
 自分自身は子供の頃から変わらないため、大人のふりをした人々で渦巻く社会には当然馴染むことは出来ない。そんな僕たちは世間では異常者扱いされてしまう。どうりで精神病院のベッドの数が足りないと言われるわけだ。
 もうこの際、社会的地位が低いのは構わないから大人としての責任とは無縁な生活がしたい。面白おかしく遊んで暮らしたい。
 意識高い自称大人だけで世の中まわしてもらえれば結構なんで責任だけは押し付けんのやめてください。その代わり、責任ある仕事に就いてる人のことはちゃんとリスペクトしますからwww


「リョウはすごいね。責任ある地位でも弱音を吐かないなんてさ」


 僕はリョウのことを心底尊敬しながら、いつものようにデカチンポを受け入れてあげる。


「そりゃあ、そうさ。責任っていうのは他人に押し付けるものであって、真の勝ち組は責任なんか取らないからなぁwww」


 言われてみると、そうかもしれない。今の時代は社会と個人を切り離し、個人にすべての責任を押しつける自己責任論が主流だ。責任なんか誰かに押し付けたもん勝ちと言えなくもない。


「昔は結婚や徴兵とかで国民に犠牲を強いるかわりに後々までちゃんと面倒みてもらえたけど、今は何をやるにも自己責任で片付けられるもんだから若いヤツらは保守的になっちまって身動きが取れない状況なんだろうなぁ」


 リョウの言う通りだとしみじみ思う。
 自由には責任が付き纏う。僕みたいな責任を取りたくない人間は必然的に自ら自由を手放す。そうするのが一番楽な選択肢だからだ。
 去年出版された書籍でタイトルは忘れたが、自由によって縛られた現代社会を痛烈に批判した本が非常に話題になったのを思い出した。


「結局の話、人間は不自由でも自由でも苦悩する生き物なんだろうなぁ。昔と比べれば、ずっといい社会になったとか言われても僕たちは昔を知らないから今の時代の問題点ばかりが目に付くんだよね。そういった認識の違いで、老害からすれば今時の若者がワガママに感じるのかもしれないけど、やっぱり何か違うわけよ」


 リョウは熱心に腰を振りながら僕の話を一応は聞いてくれるが、殆どセックスに夢中になっていた。


「あんまり難しいことを考えるな。アキラは俺のチンポを受けて入れてさえいれば、人生すべて上手くいくんだからよwww」


 リョウの頭悪い答えに、頭悪い僕は見事に納得させられた。
 なんだかんだ言って、結局こうしてリョウとセックスしている時間が一番尊い。


「あ、ンぅぅッ」


 僕は熱い吐息をひとつこぼしたあと、足をM字に開き、軽やかなピストンで愉悦を貪っていった。
 愛液が無尽蔵に溢れでているのか、結合部から卑猥な破裂音が響きたつ。僕の顔が快楽に歪み、リョウのペニスを締め付ける。
 腰のスライドは目に見えて速度を増し、尻肉が太腿をバチーンバチーンと打ち鳴らした。


「あ、あぁン、いいッ! リョウの硬くて、おっきい~♡」


 僕の上体がトランポリンをしているかのように跳ね上がった。


「きゃふッ、深インッ、ンンッ、くはぁぁぁぁぁぁ~ッ!」


 髪を振り乱し、肉悦を貪る姿はただの変態そのものだった。


「お、奥に当たってる! ンッ、ンおッ、ああぁぁ~♡」
「ぬ、ぐ、おおぉッ」


 リョウは喉を絞ってよがり泣き、恥骨を猛烈な勢いで打ち下ろした。
 性感がオーバーヒートし、悦楽の極みに向かって駆けのぼる。目の前がぼんやり霞み、深奥部から熱い塊が迫りあがる。


「イッちゃう、イッちゃう! もうイッちゃう~♡」
「あ、ぐッ!!!」


 腰がグリンと回転した瞬間、自制の結界が崩落し、僕の子宮の奥にリョウはありったけの欲望をほとばしらせた。
 もはや今の僕には責任だとか自由だとか、そんな大人論など心底どうでもいいと思えてくる。ただ、リョウと肉体的にも精神的にも繋がることさえ出来れば、後は何もいらないと思えるほど僕の心は際限なく満たされていくのであった。
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