男の子たちの変態的な日常

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196 変態ゲーセン〜前編〜

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「わぁ~い、ゲーセンだぁ♡」

 初めて来た物珍しさからだろうか、アオイは目をキラキラとさせながら、筐体を観察するように視線を走らせる。

「アキラ、俺らもなんかゲームしようぜ♡」
「でも、アオイがいるから……」
「アオイなら、さっそく何かやってるぞ」

 早くもアオイはトレーディングカードアーケードゲームを熱心にプレイし始めていた。どうやら、コレが目当てでゲーセンに来たかったようだ。

「なあなあ、あのゲームやってみようぜ。味方と協力し合うモードを選べば、俺がフォロー出来るからさ」
「うん、分かった。ゲームとかやったことないから足を引っ張っちゃうかもしれないけど、頼りにしてるよ♡」

 そう言って、僕はリョウに向けてニッコリと微笑んだ。
 リョウは舞踏会でダンスに誘う王子様のように僕を筐体の前までエスコートしてくれた。


ーーー


「はぁ~、楽しかった♡ 結構夢中になっちゃって、手に汗かいちゃったよ」
「ははッ、慣れれば敵がどこから出てくるか予測できるようになるから初心者でも楽しめる作りになってるんだ。アキラに楽しんでもらえて良かったぜ♡」

 モデルガンを置きつつ、ふぅとリョウはハンカチで汗を拭う。そんな簡単な動作の一つ一つが洗練されているようで、思わず目が奪われる。
 ゲーム自体は全く先のステージまで進めなかったけど、それでも楽しかった。普段はあまりゲームはしないが、たまにこうして遊ぶのも悪くない。

「それにしても、リョウって結構ゲーマーだったんだね。ゲームの中でもいっぱいピンチから助けてもらっちゃったよ♡」
「リアルでもゲームでもアキラがピンチなら俺が救ってやんねえとな♡ 次はUFOキャッチャーにしねえか? 俺、こういうの得意なんだぜ」
「そうなんだ! じゃあ、リョウにいっぱい取ってもらおうかなぁ~♡」
「おう、任せとけ!」

 僕は急にテンションが上がって先を歩いてしまうリョウに苦笑しつつ、その後をついて行った。

「よ~し、これにするか!」

 リョウの足が止まったのは、案の定大きな縫いぐるみが入っているUFOキャッチャーの前だった。僕は思わず鼻先がくっつきそうなぐらい、その筐体に密着し、目をキラキラとさせる。

「確かアキラは、このキャラ好きだったもんなぁ」
「うん! この癒やし系な感じが、すっごく可愛いんだぁ~♡」

 そう言いつつ、僕はリボンのついたゆるキャラの縫いぐるみを指差す。

「なるほど、こいつがターゲットだなぁ。この場所なら出口に近いから余裕で取れるぜ!」
「ねえねえ、ちょっと自分でやってみるよ」
「う~ん、正直アキラには難しいと思うがなぁ。とりあえず、アドバイスはするから頑張るんだぞ」
「うん! よ~し、頑張っちゃうぞぉ♡」

 とはいえ、初心者が簡単に取れるほど世の中は甘くない。相当額突っ込んでも取れずに悔しい結果になったら、リョウにすぐ取ってもらおう。

「まず、ここに金を入れて……。そしたら、このレバーでアームの位置を決めるんだ」
「えっと……こんな感じかな?」

 僕はコインを投入した後、真剣な表情でレバーを操作する。狙いは、ぬいぐるみにはりつけられた輪っかの真下。そこへアームを移動させようとする。
 しかしこのアームが中々勢いよく動くので、思ったように狙った位置に動かせない。そうこうしているうちに、僕の顔はだんだん険しくなっていく。

「う~ん……やっぱり上手くいかないや……我ながら無器用だなぁ」

 僕はかがみ込んだり、横に回り込んだりしつつ、アームの位置を調整し続ける。

「やっぱり出来ないや。ねえねえ、アレ取って~♡ 僕、どうしてもあの縫いぐるみが欲しいんだけど~」

 グイグイとリョウの腕を引っ張りながら、僕は懇願する。

「そろそろ言うと思ったぜ。それにしても、さっきまではお目当ての縫いぐるみが出口付近にあったのに、見事なまでに出口から遠ざかったなwww でも、難易度が高いほど燃えるってもんだ。行くぜぇ~!」

 僕があれほど苦労しても取れなかった縫いぐるみをリョウはたったの1回で獲得してくれた。

「さすが、リョウ! 何をやらしても完璧にこなしちゃうんだから♡」
「ああ、俺に不可能はない。縫いぐるみをゲットしたところで、次は俺の股間のUFOキャッチャーでアキラを捕まえてやるぜぇ~♡」

 そう言うと、リョウは僕をゲーセンの奥へと連れ込んでいった。


ーーー


 ここは男子トイレの個室の中。本来1人で入る場所だから、2人で入ると自然と身体が密着してしまうほどに狭く圧迫感がある。
 リョウは僕を裸にひん剥くと、僕の乳首を丹念に揉み始めた。

「はふぅ……んんッ……らめぇ~♡」

 僕の羞恥がにじみ出した甘い声。それがますますリョウを誘っているようで、乳首を撫でる指の速度が上がる。少し強めに擦られると、徐々に朱色に染まり、汗がにじんで肌がリョウの指先に吸い付いていく。
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