男の子たちの変態的な日常

M

文字の大きさ
上 下
167 / 348

166 変態貞操帯〜前編〜

しおりを挟む
 ドヘンタイ王国の革命に成功したリョウは正式に王に就任した。
 メイド服着用を強制された僕は王宮でリョウの身の回りのお世話をしている。

「アキラ♡ これ、何のカギだが分かるか?」

 リョウはポケットから取り出した、小さな金属製の鍵を僕に見せた。

「……う~ん、何だろう?」

 小ぶりなサイズからしてタンスや引き出し、あるいは金庫の鍵だろうか。
 鍵の装飾も簡素だし、もったいぶるほどの代物には思えないが、この鍵で開けるものに何か秘密があるのだろうか。

「分からないか? これの鍵だぁ~♡」

 そう言うと、僕の腰の前に両の手を添えたリョウが、エプロンごとスカートを手に取って、思いっきりめくった。

「ちょッ、何してんの⁉︎」

 ぱぁっと目を輝かせたリョウの手が勢いよく、へそが見えるくらいにまで僕のスカートを持ち上げてしまった。

「……な」

 露わとなった僕の股間。それを目にし、絶句する。

「リョウ、いつの間にこんなのつけたのッ⁉︎」
「うへへ、アキラが寝てる時にちょっとなぁ♡」

 朝、起きたら僕はすでに強制的にメイド服を着させられていた。そのせいで今まで自分の股間に、貞操帯が付けられていたとは知らなかった。

「まさか、その鍵はッ⁉︎」
「そのまさかだ。アキラの貞操は俺が徹底的に管理することにした♡ 王として当然の務めだぜwww」

 リョウの言葉を聞いて、僕は顔中赤らめて、腿を震わせた。それでもリョウはスカートから手を離すことなく、僕の下腹部から股下にかけてのラインをじっくり鑑賞する。リョウの吐息が、やけに激しく聞こえた。
 僕が穿かされていた貞操帯は、腰紐の代わりを果たすベルトと股間を覆うハイレグパーツで構成された黒いモノだった。パンツに近い形状で光沢が照り光る。
 見るからに卑猥なムードを醸し出す代物だ。頭の中に、真っ先に思い浮かんだ感想がそれだった。
 次いで、股間を覆うパーツのあまりの小ささに、はみ出すのではないかと不安が脳裏によぎる。
 卑猥な黒の物体とは対照的に、僕が今にも消え入りそうな恥じらいぶりを見せるせいで、よけいにその両方が際立ってリョウの目に飛び入ってくる。
 チラリ覗いたへその下。きつく締まったベルトの中心部。普通のショーツならリボンでも飾られているであろう場所に、金属製の小さな鍵穴があるのが見て取れる。
 飾り気なくツルリとしたデザインに唯一設えられた装飾。それが鍵穴であるという異質さゆえに、否応なく目に飛び込んできて過剰なインパクトを残してくれた。

「…………ッ!」

 今、リョウが手にしている鍵が僕の穿いた装具の一部。リョウは汗にじむ手のひらで鍵を握った。

「アキラの身体を好きにしていいのは、この世で俺だけの特権だ♡ 何人たりともアキラには触れさせない」

 とりあえず、気持ちを落ち着かせようと僕は深呼吸をする。

「……はぁ、はぁ、はぁ……」

 未だ僕の心臓は高鳴りっぱなしだ。意識すると、貞操帯が自分の股間に食い込んでいるのが分かり、余計にバクバクと高鳴らせてしまう。
 リョウは僕の頭をなでてくれながら耳元で囁く。

「アキラ、興奮してるのか? やっぱり、アキラなら喜んでくれると思ったぜ♡ 次はどんな調教をしてほしい? 身も心も王である俺様の所有物になった感想はどうだ?」

 びくんと背を跳ねさせ、一旦立ち止まり、火を噴かんばかりに染めた顔を振り向かせた後、僕は足早に駆け去る。
 だが、再び駆け足でリョウの所に戻っていく。

「……リョウ!」
「……アキラ♡」

 僕の顔には照れまくりのはにかみが浮かんでいる。
 僕の手には小さな包みが掲げられていた。

「こ、これッ」
「おう♡」

 その包みは、ちょうどリョウの手のひらに乗るサイズ。箱の底を手のひらで支え持っていると火傷してしまいそうなくらい、温かかった。

「お弁当、作ってあげたから。リョウが王様になっても今まで通り、僕が身の回りのお世話をするからね♡」
「ああ、アキラにお世話されるのは王である俺様の務めさ♡」

 リョウの右手にはホカホカお弁当。左手には貞操帯の鍵。

「いってらっしゃいませ、王様♡」
「ああ、もう仕事に行く時間か。もっとアキラのそばにいたいが、しょうがない。行ってくるぜ♡」

 青空の下。仕事へと向かうリョウを、手の空いているメイド一同整列して見送る。
 見上げた青空は、雲ひとつない快晴。見つめているだけでこちらの気持ちも晴れやかになるような気がして――いつまでも見上げていたくなるような気持ちのよい青空だった。

「……ふぁッ♡」

 スカートの奥に隠れた貞操帯が引き締まり、股肉を刺激する。思わず漏れ出かけた甘い声を僕は懸命に抑えた。
 生来の敏感な身体が恨めしくもあり。早く、リョウの持つ鍵で解き放たれたいとの想いは増してゆく一方だった。
 今も肉体のもっともデリケートな部分に食い入って締めつける、貞操帯。少しきつくて、でもフィット感抜群のこれが、もしもリョウの手であったなら――。

「ひあッ……!」

 妄想によって育まれた甘美な衝動が、ズクズクと貞操帯の奥の股肉に伝わり、腰の芯をうずかせた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

処理中です...