男の子たちの変態的な日常

M

文字の大きさ
上 下
157 / 348

156 変態帰還〜前編〜

しおりを挟む
 僕が秘書としてリョウのサポート(性奉仕)を見事にこなしたため、ニューヨークでの仕事が予定よりも早く片付いた。
 愛する息子のもとへ帰るために僕たちは飛行機に乗って定刻通りに出発した。
 これから乗客たちは北京ダックになるために生まれてきたアヒルのように、狭苦しい座席に縛りつけられたまま次から次へと食べ物を胃袋へ流し込まれるはめになる。
 僕は空港のショップでリョウに買ってもらった旅行向きのゆったりしたワンピースを着ている。ものすごいブランド物で一般的なサラリーマンの給料が数ヶ月分ふっ飛ぶぐらい高価なものだ。
 リョウは機内を見ながら少しばかり険しい表情をしているので、気になって問いかけた。

「リョウ、どうかしたの?」
「いや、別に大したことじゃないんだが、こんなに混み合って狭いと知っていたら、1便遅らせてでも、ファーストクラスにすれば良かったと一瞬思っちまってな。でも、やっぱり今は1秒でも早くアオイの顔が見たいし、まあ何とか我慢するさ」

 ファーストクラスの食事はエコノミーと比べ物にならないくらい豪華らしいから一度でいいから乗ってみたい気もしなくもない。

「お客様、お飲み物とお食事は何になさいますか?」

 アテンダントがまわってきて僕の横顔に問いかけた。

「えっと、その……赤ワインとチキンをお願いします」

 僕はつい格好つけてオレンジジュースではなく、赤ワインを頼んでしまった。機内でワインを飲む僕=かっこいいだろアピールをしたかったのだ。

「俺はビーフと牛乳。それと、こっちはワインじゃなくてオレンジジュースを頼む」
「かしこまりましたwww」

 アテンダントが後ろへさがると、僕はリョウに食ってかかった。

「も~う、リョウったら馬鹿にしてッ! ワインくらい僕だって飲めなくもないってば~」
「馬鹿にしてるんじゃなくてアキラのためを思っただけさ。本当はオレンジジュースが飲みたくてしょうがないんだろぉ~? 無理すんなwww」
「べ、別に……オレンジジュースなんか飲みたくなくもないけどね! というか、リョウは今日お酒飲まないんだね」
「俺は午前中から酒は飲まない主義なのさ。それに酒より牛乳やオレンジジュースの方が健康にはいいしな」

 リョウからオレンジジュースの効能について聞かされているうちに飛行機は知らない間に日本へと辿り着いていた。


ーーー


 到着ロビーの外で僕たちはカスケとアオイの2人と待ち合わせをしていた。
 ふと真新しい純白のリンカーン・コンチネンタルが横づけされているのに気づいた。

「うわぁ~、すごい高級車だね! こんなの初めて見たよ」
「もしかして、この車は……」

 リョウはそう言うとリンカーン・コンチネンタルの方へ近寄っていく。すると車内からカスケが出てきて、後部ドアを開けてくれた。

「どうだい? ぼくの車の感想は?」
「ほぉ~、カスケにしてはなかなかいいオモチャを持ってるんじゃないか」

 僕はリョウがカスケの高級車に普通に乗り込んでいくのを呆然と見つめた。

「さあ、早くアキラも乗りなよ。それともこんな安物の車じゃ、お気に召さなかったかな? お詫びに今度ドライブする時はアキラとアオイ君のためにもっといい車を用意するよ♡」
「ああ、えっと……ごめん。すぐ行くね」

 呆然としていた僕は慌ててリョウの横に体を滑り込ませた。

「わぁ~い、パパたちが帰ってきたッ!!!」

 車内でアオイは僕たちとの久しぶりの再会にバンザイしながら大喜びしている。何度見ても僕たちの息子は可愛いらしい。
 僕たちが乗り込んだリンカーン・コンチネンタルはどうやら特注らしく、車内の装備は全て真新しい革と本物のヒッコリーが用いられ、床には毛足の長いベルベットが敷き詰められていた。
 車内は広く、後部座席は手足を伸ばして横たわれそうなほど幅があって奥行も深かった。普通の乗用車とちがって運転席と背中合わせにもうひとつ座席があり、後部座席と向かい合って座れるようになっていた。おそらく体の大きなアメリカ人男性でも3人ずつ計6人はゆったりとくつろぐことができるだろう。窓と運転席の間には防弾処理を施した特殊ガラスがはめ込まれており、車内は空調が効いて快適だった。
 リョウは僕を革張りのシートの上に押し倒す。

「リョウったら、まだ車の中だよ♡」
「だからさ。カーセックスもいいもんだぜぇ~♡」

 リョウはワンピースのファスナーを降ろすと、両手で前身頃を引き裂いた。

「いやぁ~♡」

 僕はリョウの視線から逃れようと両手で胸もとを隠しながら身をよじる。リョウは手首をつかんで僕の身体を革張りのシートの上に押し倒した。
 リョウの手は腹部を滑って両脚のつけ根へと動いていく。僕は太腿を閉じ合わせたが、それでも指をこじ入れられるだけの隙間ができてしまう。
 リョウは僕の白いパンツの中に右手を突っ込んだ。
 目を閉じていても、自分のパンツがずり降ろされていくのがはっきりと分かる。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

処理中です...